中学生におすすめの青春小説8選
今回は中学生向けにおすすめの青春小説を8冊紹介していきます。
中学生が小説を読むメリット
中学生が小説を読むことには、多くのメリットがあります。小説を読むことで得られる経験やスキルは、学業や人生に役立つものであり、感受性や思考力を豊かにする効果があります。以下に、具体的なメリットを紹介します。
中学生が小説を読むことは、学力向上だけでなく、感受性や想像力、共感力などの重要な能力を育てることに役立ちます。感情の成長や批判的思考、自己理解を促進し、リフレッシュにもなるため、生活全般において多くのメリットが期待できます。
中学生におすすめの青春小説8選
秒速5センチメートル
秒速5センチメートルは新海誠による青春恋愛小説で、同名のアニメーション映画としても非常に高い評価を受けています。作品は、幼なじみである主人公・遠野貴樹(たかき)と篠原明里(あかり)との切ない恋愛模様を描いており、時間と距離がもたらす孤独や成長、すれ違いをテーマにした物語です。タイトルの「秒速5センチメートル」は、桜の花びらが落ちる速さを指し、人生や愛がゆっくりと離れていく様子を象徴しています。
物語は3つのエピソードで構成され、それぞれが異なる時間軸と場所で進みます。新海誠特有の美しい情景描写とともに、切ない青春の一瞬一瞬が描かれ、感傷的な余韻を残す作品となっています。
新海誠の作品の最大の特徴である美しい風景描写が、小説版でも豊かに描かれています。日本の四季の移り変わりや、桜の花びら、雪景色、夕焼けなどの情景が、登場人物たちの感情と見事にシンクロしており、読者はその世界に引き込まれます。また、登場人物たちの繊細な感情の動きが丁寧に描写され、物語に深みを与えています。
時をかける少女
時をかける少女は筒井康隆によって1967年に発表された日本のSF小説で、若い世代の読者から長く愛され続けている名作です。本作は、主人公の少女・芳山和子が、突然身に付けた「時をかける」能力を使いながら、時間を超えて繰り広げられる不思議な体験や恋愛、友情、そして成長を描いています。SF要素と青春の甘酸っぱさが織り交ぜられた物語であり、タイムトラベルのテーマを中心に据えながらも、日常の中での心の動きや成長が美しく描かれています。
本作は何度も映画化やアニメ化されており、それぞれの世代によってさまざまな解釈が生まれてきました。物語の核となる「時間を超える」というテーマは、時代を超えて普遍的な魅力を持っており、いまだに多くの人に読まれ続けています。
和子が経験する恋愛や友情は、青春期に誰もが感じるであろう感情の揺れ動きがリアルに描かれています。特に、時間の制約によって思い通りにならない恋愛が、読者に切なさと共感を与えます。甘酸っぱい青春の一瞬を捉えた描写が、本作の大きな魅力の一つです。
ぼくらの七日間戦争
ぼくらの七日間戦争は宗田理による児童文学作品で、1985年に初めて発表されました。日本の児童文学における名作として知られ、累計発行部数が1,700万部を超えるベストセラーとなっています。この物語は、東京都内の中学校を舞台に、学校や大人に反抗する中学生たちが、7日間にわたって繰り広げる戦いを描いています。物語はユーモアと冒険にあふれ、子どもたちの自由と自立心を象徴する作品です。
「ぼくらの七日間戦争」は、少年少女の冒険心や反抗心を描きつつ、友情や団結の大切さも伝える物語です。映画化やアニメ化もされ、多くの世代に愛されてきた作品です。
子どもたちの冒険心や反抗心、そしてそれを乗り越えた成長が描かれているため、世代を超えて共感できる作品です。初版から何十年も経っていますが、今でも多くの読者に影響を与えています。
バッテリー
バッテリーはあさのあつこによる児童文学小説で、1996年に第一巻が出版されました。全6巻からなるこのシリーズは、天才ピッチャーの原田巧(はらだたくみ)と、彼とバッテリーを組むキャッチャー永倉豪(ながくらごう)との関係を中心に描かれています。作品の舞台は、自然豊かな田舎町で、野球を通じて少年たちが成長していく姿が描かれています。タイトルの「バッテリー」は、野球における投手と捕手のコンビを指すとともに、登場人物たちの人間関係における葛藤や衝突も象徴しています。
この作品は単なるスポーツ小説にとどまらず、友情、家族の絆、そして自分の才能やアイデンティティに向き合う少年たちの成長物語として、多くの読者の心に深く響くものとなっています。
巧と豪だけでなく、彼らを取り巻く少年たちの成長も物語の大きなテーマです。挫折や困難に直面しながらも、それを乗り越えて成長していく姿が描かれており、青春の苦悩や喜びがリアルに伝わってきます。
DIVE!!
DIVE!!は2000年に発表されました。本作は、競技ダイビングに情熱を注ぐ若者たちの成長物語です。主人公の坂井知季(さかいともき)をはじめ、さまざまなダイバーたちが、自分の夢や目標に向かって努力し、葛藤しながら挑戦する姿を描いています。特に、2020年のオリンピック出場を目指す物語の展開が、作品の中心的なテーマとなっています。
この小説はスポーツの厳しさや美しさ、そして若者たちの情熱が描かれた感動的な物語であり、スポーツの力と青春のエネルギーに満ちた作品として、多くの読者に影響を与えました。小説だけでなく、アニメ化や映画化もされ、幅広い人気を誇ります。
オリンピック出場という大きな目標を追う若者たちの姿が、夢を持つことの大切さ、そしてそれに向かって挑戦し続けることの意義を力強く伝えています。スポーツを通じて夢を追いかける彼らの姿は、読者に前向きなメッセージを届けます。
放課後の音符
放課後の音符は青春と成長を描いた感動的な小説であり、放課後の時間を舞台に、主人公たちの友情や恋愛、夢への挑戦、そして自己発見の物語が描かれています。本作は、音楽をテーマにした物語が特徴で、音符が象徴するように、登場人物たちの感情や経験が旋律のように繊細に描かれています。友情や恋愛、青春期の葛藤が織りなす物語は、読者にとって共感を呼び起こす内容となっています。
音楽や友情、恋愛といった普遍的な青春のテーマが描かれているため、幅広い年齢層の読者が共感できる物語です。特に青春期の葛藤や夢に向かって進む姿勢は、読者に勇気や感動を与えてくれます。
音楽というテーマを通して、登場人物たちが成長していく姿が描かれており、音楽の持つ力や魅力が強調されています。音楽が好きな読者や、音楽に触れたことのある人にとって、共感しやすく、感動を呼び起こす内容となっています。
桐島、部活やめるってよ
桐島、部活やめるってよは朝井リョウによる青春小説で、2010年に発表されました。タイトルの通り、物語は桐島というバレー部の中心的な人物が部活を突然やめたことをきっかけに、学校内の様々な生徒たちの視点から織りなされる群像劇です。桐島自身は物語に直接登場しないものの、彼の不在が周囲の人々に与える影響や、そのことで浮き彫りになる人間関係が描かれます。物語の舞台は、ある地方の高校で、登場人物はスポーツ部員、吹奏楽部、映画部、文系の生徒など、さまざまな生徒たちの視点が交互に描かれる形式となっています。
この作品は登場人物たちが抱える不安、焦燥、自己肯定感や他者への依存など、青春期特有の感情をリアルに描いており、思春期の葛藤と成長を鋭く表現しています。映画化もされ、大きな反響を呼びました。
自分がどこに属し、何をすべきか、どう成長すべきかといった、青春期に誰もが向き合う普遍的なテーマが、桐島という不在の存在を通じて巧みに描かれています。このテーマは、現代の若者だけでなく、かつて若者であった読者にも深く響くものがあります。
風が強く吹いている
風が強く吹いているは三浦しをんによる青春小説で、2006年に刊行されました。この作品は、箱根駅伝を目指す大学生たちの奮闘を描いており、スポーツと友情、自己成長がテーマとなっています。物語は、個性豊かな10人の大学生が、無謀ともいえる挑戦である箱根駅伝を目指し、困難に立ち向かいながら、チームとして成長していく姿を描いています。箱根駅伝という過酷な挑戦が、彼らの青春のすべてとなり、強い絆と感動を生むストーリーです。
登場人物たちが非常に魅力的で、それぞれが抱える悩みや夢に共感しやすく描かれています。彼らが一つのチームとして成長していく過程が描かれており、キャラクターの変化や成長を楽しむことができます。
物語全体を通じて描かれるのは、友情と絆の力です。個々の成長だけでなく、チームとしての一体感や連帯感が物語の感動的なクライマックスへとつながります。仲間と共に挑戦し、互いに支え合うことで生まれる感動が読者に強い印象を残します。
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