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「サステナビリティページ」のテキストコンテンツで重要な5つの視点
こんにちは!エディnote!編集部の堀田です。
昨年あたりから、「サステナビリティページ」の新設・リニューアルに関するご相談をいただく機会が増えてきました。
“持続可能”な社会を実現するために、環境問題・社会問題に対してどのような目標を掲げ、実際にどのような活動を行なっているのか。集客、投資、ブランディングなど、あらゆる価値に影響を与える重要なコンテンツかと思います。
当社でご依頼をお受けするプロジェクトは、大きく分けるとこの2つのパターン。
・サステナビリティページの新規コンテンツ作成
・サステナビリティページのテキストリライト
今回は上記のプロジェクトが立ち上がった際に、「サステナビリティページ」のテキストコンテンツで重要な5つの視点について解説。
「サステナビリティページ」関連の案件は、世の中の流れ的に今後も増えていくでしょう。広告代理店やメディア運営をされている方など、コンテンツ制作を扱う方はぜひ参考にしてみてください。
1.依頼が増えている背景を理解する
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まず、「サステナビリティページ」の新設・リニューアルに関する相談をいただく背景について整理しておきます。当社の経験則ですが、多くはこのような理由が挙げられます。
・情報が古くなってきた
・ESGへの取り組みを重視する投資家に向けた対策
・消費者、顧客、取引先とのコミュニケーション促進
当然ですが、投資・集客を目的に「サステナビリティページ」のテコ入れを考えられるケースがほとんどですね。
コンテンツの制作視点で考えると、「現在HPで開示しているコンテンツは形式張っていて、読み手に伝わらないのではないか」「情報を更新する必要はあるが、どのようにテキストで表現すれば良いか分からない」といった声もいただきます。
2.リニューアルの目的を明確にする
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クライアント、代理店、制作(ディレクター、ライター、デザイナー…etc.)など、プロジェクトに関わるスタッフ全員が共通の認識を持てるとベストかと思います。
・ESGに対する目標、取り組み状況を最新の情報にする
・SEOとメッセージ性を高めて、個人投資家へのアピールを強固にする
・商品、製品の安全性(安心性)を開示し、消費者のエンゲージメントを高める
上記は、目的や方向性の一例です。
サステナビリティ関連の情報を届けたい相手は「ステークホルダー(消費者・顧客や株主、政府、従業員、取引先など)」になると思いますので、それぞれの解像度を一段階でも、二段階でも上げた状態で設定できると良いですね。
例えば投資家にしても、「個人投資家」「機関投資家」「海外投資家」で表現やアプローチは違うものでしょう。機関投資家であれば「CSR報告書」「持続可能性報告書」といった年次の報告書を中心に分析するでしょうし、海外投資家に向けるのであれば翻訳作業も必要になります。
プロジェクトの目的や、ターゲットのペルソナによってコンテンツの立て付けは変わってきますし、取捨選択の基準もさまざま。「ステークホルダー全般に訴求したい」「ターゲットは20〜50代の男女」といった曖昧な設定にならないように、注意が必要です。
3.キャッチコピーを活用する
ここからはテキストコンテンツのテクニックになります。
まずは、キャッチコピーの重要性について。
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上記は、サステナビリティページでよくベンチマークに挙げられる日本マクドナルド株式会社のページ。コピーの構造としては以下になります。
・より良い未来の…=キャッチコピー
・毎日多くの…=ボディコピー
トップページにこのようなコピーを設けることはよくあるかと思いますが、日本マクドナルド株式会社は下層ページにも印象的な言葉を配置して、企業の価値観が伝わりやすいように工夫されています(いずれも、キャチコピー+ボディコピーの構造)。
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サステナビリティのページであれば「環境(E: Environment)」「社会(S: Social)」「ガバナンス(G: Governance)」でカテゴリを分けるパターンが多いでしょうか。できれば、それぞれの下層ページや詳細項目にまで、印象的なコピーを用いることができると、テキストの影響力はぐっと強まるかと思います。
4.分かりやすい文章で、具体的な情報を添える
丁寧すぎる言葉選びや、どこかで聞いたことのあるような表現を並べてしまうと、”伝わる”といった視点でイマイチな文章になってしまいます。
例えば、良い見本として株式会社資生堂のサステナビリティページを参考にしてみてください。
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文章には時事性が添えられ、具体的な目標数値と共に情報が分かりやすくまとめられています。企業として環境問題を真摯に捉えられており、未来に向けて信頼できるイメージが伝わってきますね。
一方で、「本文の分かりやすさ」はライターのリソースを100%引き出せるかどうかによって明暗を分けます。プロジェクトの目的、十分な資料、担当としての想いを共有しながら、適切なコミュニケーションを図ってテキスト化していくことが重要でしょう。
5.インタビュー・ヒアリング会を通じて情報にエモーションを加える
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最後に、情報収集に関するコツです。
「CSR報告書」「持続可能性報告書」などと同様に、サステナブル関連の情報は通常、複数部署にまたがって更新されていきます。情報をひとつ確認するにも、「あっちの部署にも確認しなくてはならないし、この担当者にも聞かなきゃいけない…お手上げ!」というパターンもしばしば。
しかし、できる限り各部門の管理者やメンバーを巻き込んで、インタビュー・ヒアリング会を実施することをおすすめします。
単純に「サステナブルページ」のテキストを制作するのであれば、年次の報告書や更新部分のデータの支給で構築することはできるでしょう。しかし、「企業の想いを代弁するキャッチコピー」「合理的かつ分かりやすいボディーコピー」は、そこで働く当事者との会話から生まれてくるもの。
最終的に人を動かすには、人の想いであるはずです。
実際に当事者の方にインタビュー・ヒアリング会をさせていただくと、「自分たちのビジネスで、環境問題・社会問題をなんとかしたい!」という、熱い声を聞かせてもらえることも。そういった想いに感化されると、ライターは喜んで「良いコピーを作ろう!」と前のめりに取り組むはずです。
6.さいごに
今回は「サステナビリティページ」の新設・リニューアルに関する、テキストコンテンツについて考えてみました。エディマートとしてご案内できる実績もいくつかたまってきていますので、興味のある広告代理店や制作会社の方などはお気軽にご連絡くださいね。
また、ライターさんでサステナブル関連の知識に弱い方は、時間ある際に参考書を買って勉強しておくと良いですよ!今後も新たな考えや潮流がどんどん出てくる分野なので、取り残されないように注意です!
それでは。