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【日帰り】ほぼ18きっぷで関西から備後落合にいこう!&ついでに岡山観光も!

こんにちはこんばんはえだまめと申します。

 別にネタに困ってるわけでもないですがnoteのネタを旅行好きの友人に募集したらお題が「秘境駅」といただきました。はて、秘境駅ねえ…
 確かに私はいろんな地方に公共交通機関メインで観光しに行きます。でも秘境駅に行くことってそんなに多くはない。城とか庭とか展望台とかに行っておいしいごはん食べてばっかり。あ、そういえば去年の冬に最強の秘境駅と名高い(?) 備後落合までいったな。じゃあその話でも書こう、という感じでのんびりその時の記録でも書いてきたいと思います。



キング・オブ・秘境駅 備後落合とは


そもそも秘境駅とは。適当にWikipedia先生に聞いてみましょう。

鉄道駅のうち山奥や原野といった人里離れた場所(秘境)にあり、列車の停車本数が少なく、自動車や徒歩などでのアクセスも難しい駅を指す。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%98%E5%A2%83%E9%A7%85

 らしいです。わかりやすい。要するにやべー場所にある駅ってことです。その中でも備後落合ってのはその手の駅では非常に有名です。こいつはやべーんですよ。

 備後落合駅は広島県の山奥にあります。岡山県と島根県の県境に近いあたりですね。この時点で鉄道にそこまで詳しくなくてもある程度都道府県の場所が分かる人からするとすごい場所にあるってこと、分かってもらえると思います。一応Google Mapを貼っときます。

 この地図を各自拡大してもらったらわかると思うのですが、こんなところにあって2路線3方向に鉄路が延びる交通の要衝?なんです。昔は多くの列車と人が行き交っていたはずですが少子高齢化とモータリゼーションの影響か今ではすごいことになっています。2024年現在、なんとこの駅から発車する列車は11本しかありません。もう一度書きます。11本です。一方向あたり約3.6本しかないんですね…
 しかもここから伸びている路線はすべて大赤字。どれくらい赤字かを図る尺度に100円稼ぐのに何円かかるのかを示す営業係数というものがあります。それを使うと、数万~二十万という天文学的数字が示されます。つまり100円を得るために数万円かかるよ。そんな路線たちです。いつ廃線になってもおかしくない路線のジャンクション、それが備後落合という秘境駅なのです。
 


たまたま行くチャンスが来た。ただし日帰り。

 まあ、備後落合にいつか行けたらいいなーくらいに思ってました。興味はあるけど遠いし別に行けなくてもいい。でも行ける機会があるのなら行ってみたいな、という程度です。
 そんな中、去年の12月に転機が訪れます。友達から18きっぷという魔法の切符を貰いました。ざっくり説明すると1日あたり2410円でJRが乗り放題になります。但し特急や新幹線には乗れないというのがルールです。毎年春夏冬の年三回、5回綴りで発売されます。一人で5回つかってもヨシ、5人グループでつかってもヨシという旅好きにはよく知られた切符ですね。

 これをネタ提案者とはまた別の友人から「あとで3回使うから先に2回使ってくれない?」と言われて少し安くもらいました。やったね。
 しかし、2回を連続で使っている時間、ありません。日帰りを2回するしかできません。そのうち1回は行きたいところがあるからそこへ行くのに使って、さあもう一回の行き先どうしようかなと考えていました。そしたらさっきの友人がおかしなことを言ってきたんです。

「自分今度備後落合行くから先に行って来たら?」


 こいつは何を言ってるんだ。
というかそもそも日帰りで行けるのかな。詳しくは伏せますがここは大阪駅まで1時間程度の場所です。一旦調べてみようとなり、検索してみました。なんと普通列車だけで行けるんですねこれが。こうして行き先が決まり、念願?の備後落合へ行くことになりました。

 
でも調べると滞在時間は8分です。短い。始発から出て終電近くに帰ってくることになりますが滞在時間はわずかです。これの為だけに貴重な1日を割くのもなんかなぁ…せっかくなら岡山とかで観光がしたいところです。でもほかを観光してる暇はこのままだとなさそう。
 そこで私は裏技?邪道?ともいえる方法で岡山市内の観光地である岡山城、後楽園目的の秘境、備後落合を楽しむことにしました。それでは本編スタートです。


とりあえず西に行こう

大阪駅から行程始めます。大阪駅到着は大体6:40でした。

1本目 新快速 姫路行 大阪6:50→姫路7:55

画像はありません。新快速なんて乗り飽きました。あと真っ暗だったので写真撮ってもね… 捻り出して何か書くならこの新快速は神戸方面最初の新快速だったりします。とりあえず姫路まで行きますか。

姫路駅前、奥は姫路城です。(別日撮影)

2本目 普通 岡山行 姫路8:01→相生8:22

普通・快速列車のみで大阪駅から乗り換え一回で岡山駅って行けるんですよね。なんか不思議。でも今回のミソは相生で降りることです。まあ姫路からでもいいけどできる限り節約します。


3本目 こだま 博多行 相生8:32→岡山8:48

そうです。新幹線課金です。ああそうです、何か悪いですか。
 というのもこの区間(姫路-岡山)、在来線だと1時間と少しかかります。しかしながら新幹線をひと区間挟むだけで1時間程度短縮できるのです。もちろん18きっぷでは乗れないので特急券と運賃、合計で3000円くらい持ってかれますが…

 でもこれだけのお金をかける価値は十分にあります。まず前提として、そのまま普通で岡山行っても乗り継ぎの関係で1時間くらい岡山滞在が可能です。実は本当に備後落合だけに行くのなら新幹線ワープしなくたって十分可能なんですよ。しかし1時間しかないと観光にはちょっと心もとない時間です。私はがっつり鉄オタという訳でもないから観光したい。そこで時間をおカネで買って、時間を増やして観光しようと。そういう作戦です。

え?タイトル詐欺だって? もう一度タイトル見てごらん。"ほぼ" だから。

岡山着いた!岡山観光のターン


もーもたろさん、もっもったろさん♪

 岡山着きました。なんとここで9時前。岡山大学って関西からでもでもギリギリ通えそう観光施設がちょうど空き始めるいい時間です。次の電車は11時過ぎ。とりあえず歩いて岡山城と後楽園にいってみよー。

・岡山城

かっけぇ...!

という訳で岡山城。この向きだとなんかのっぺりしてる感じ。黒に金色が目立って美しい…!一応復元天守にはなりますが迫力満点でそんなに入場料も高くないのでおすすめです。後楽園とセットでどうぞ。

 裏側からみるとお城っぽさがアップ。面白いのは天守台が不等辺五角形になっています。岡山城に来たら見るべきポイントです。基本的に天守台というのは四角形が殆どでこういう変な形にはまずしません。日本だと安土城と岡山城だけだったと思います。これでいて2層目以降は長方形になっているってのも面白い形をしています。

・岡山後楽園

なんか淡路島みたいなカタチ

 岡山城の隣にあるのが日本三大庭園が一つ、後楽園です。ちなみに残り二つは水戸の偕楽園と金沢の兼六園ですね。偕楽園だけ行ったことないな。梅の時期にでもいこうかな。行った時期は12月なので別に何かが見頃ということもないけどもともとお庭好きなのですごい楽しい。いろんな植物を眺めているだけで幸せです。

 流石は日本三大庭園。手入れが行き届いている。目に飛び込む風景は冬の薄曇りの日でも鮮やかに飛び込んでいきます。時間ギリギリで40分程度の滞在でしたがまた機会を狙って来たい。


いよいよ備後落合へ。


じつは実は朝の写真です 急いでた…

4本目 普通 新見行 岡山11:14→新見12:46

 結構時間ギリギリでした。危ない。まあ新幹線を使った恩恵がフルに生きているともいえます。気を取り直して普通列車に乗って備後落合行きの車両が出る岡山の山奥ターミナル、新見に行きます。途中の倉敷駅から山側に入り高梁川に沿って北上していきます。結構きれいなんですけど写真がない。残念。とりあえず新見に行くなら進行方向左側の景色がgoodです。
 他に道中おすすめの車窓と言えば、井倉駅周辺は石灰石の産出する鉱業の街です。工場とかあったりして結構面白い景観だと思います。いつか井倉で降りて井倉洞っていう鍾乳洞に行ってみたいとか思ったり。

5本目 普通 備後落合行 新見13:02→備後落合14:28

左のやつが備後落合行きです

 新見着。ちなみに帰りに新見市内にも寄ります。なんか古き良きな感じでいい駅です。中国地方ってこういう雰囲気の駅舎やホームが多くて「なんだか旅してるなぁ」という感じがします。
 ココには列を成してない列車がたくさん来ています。写真に2本も写ってます。ちなみに右側で見切れている黄色い電車がさっき乗ってきた電車です。ちなみにちなみにこの1両の車たちは電車ですらないです。車と似たような原理では走る汽車、またの名をディーゼルカーといいます。
ではここいらで時刻表を見てみましょう。ドン。

こちら目的の備後落合方面へ行く車の時刻表です。1日6本。少ない。
 
しかも半分の3本は途中にある東城という駅で終わりです。目的地である備後落合へ行くのは快速の5:17発、今回乗る13:02、終電18:25の三本のみ。すごい世界です。勿論乗客も観光客か18きっぷ使用の鉄道ファンが多い…と思いきや地元民と思しき人が数名いらっしゃいました。座席は大体埋まる程度って感じ。思ったより乗っていることが想定外です。さあ、準備もできたんで備後落合に行きましょう。


着いたべ、備後落合


感動…!

 1時間半くらい汽車に揺られ、着きました。最果ての地、備後落合です。途中の駅での乗降はやっぱり地元民だけでした。というかほぼ全員途中の東城で降りていきました。そのくらい東城という町は意外と大きいんです。ざっと3000人くらいは住んでいそうな規模です。なんかここで半分折り返すのも納得できる感じでした。ちゃんと東城駅も写真撮っとけばよかった…

駅の中は過去の栄光がびっしりと。

 駅舎もちゃんとあります。なかには写真が飾ってあったり駅ノートとかもしっかりありました。でもなんか秘境駅っぽくないよね。というのも備後落合、有名になりすぎて人がいないタイミングってのが少ないです。大概だれかいるくらいには賑わっています。まあ、汽車がいったらまた山奥の静かなターミナルに戻るので待ちましょう。そういうわけで秘境を楽しむために猛者はわざと一本汽車を逃すんだとか。なんと私を備後落合に勧誘した友達はそれを正月にやってました。おいおい正気か?

こいつに載ると島根に行ける。日帰り不可。

 この時間は3方面の乗り継ぎができるので相変わらず列を成してない車と都会の客、田舎の空気が一堂に集結。一応ここがターミナル駅であることを示してくれます。こんな感じでラッピングトレインなんかも走ってたり。

紫の彼は広島方面、同じく帰れなくなる。乗って来たオレンジに乗るしかない。

帰宅の路、ついでに街ぶら。

6本目 普通 新見行 備後落合14:36→新見16:02

 以上備後落合でした。ここまで滞在時間8分。今日のメインは儚く終わってしまいました。すごく短かったけど夢みたいな時間。ありがとう18きっぷ、ありがとう備後落合。さあ帰りの車内で周りを見渡します。おや?この帰りの車の乗客はなんか見たことある顔ぶれ。…さては同じこと考えているやつばっかりだな?とか思いつつ、ここからはほぼ同じ道を戻ります。あ、帰りは新幹線使いません。急いでいないので。

ザ・地方都市の玄関☆

 行きと同じ時間かけて到着です。もう夕方になっちゃった。ちなみに新見と備後落合の路線距離は多分51.0km。あれ、ここに1時間半かかるのってよく考えたらやばくない?
 次の電車まで時間があるので少しだけ街ぶら。観光地行きたいけど時間的に無理なので近くのスーパーで地酒だけ買ってきました。酒カスですいません。地酒はお土産ってことで後日いただきました。三光というお酒でしたがなかなかにいい酒です。他にも中心市街地をなんとなく歩いて民家に葺いてある石州瓦を眺めながら日本海が近いことを感じつつ駅へと戻ります。駅外観も一昔前の雰囲気を残していてやっぱり素敵。

7本目 普通 三石行 新見16:52→岡山18:26


今は亡き特急車両(車両詳しくないから何系かは知らん)

帰りは急がないのでもちろんこの特急には乗りません。特急乗ったら不正乗車。乗れたら楽だなぁとか思いながら特急やくもを見送ります。引退しちゃったんですよねこの車両。まあこの後2月に乗れたので後悔はないです。

そうそう、こっちこっち。

 はいこの黄色いのです。この子が岡山からやってきたので折り返しに乗ります。途中からすっかり暗くて何も見えぬ。冬に旅行すると活動時間が間接的に短くなるのでそこがネックだな。とか思いつつ大都会岡山に戻ります。


帰りは新幹線なし。

岡山着いたら少しだけ乗り換えで余裕出来た。駅の商業施設に入ってるお店の夜ごはんを食べつつすぱすぱと帰っていきますよー

8本目 普通 姫路行 岡山19:17→姫路20:40

9本目 新快速 野洲行 姫路20:41→大阪21:43

 暗いので写真は無いです。ここが乗っている時間が長いので結構地獄。もう修行ですよ。まあ乗らないと新幹線使う羽目になるのでおとなしく乗りましょう。今日は行きで新幹線ワープしたんで。揺られること2時間半、特に事故とかもなく大阪駅に無事到着してそこから自宅まで帰ったとさ。


まとめ

 以上、備後落合日帰り旅行記でした。これで交通費約5000円。安いよね。その分時間はかかるけど車窓とか楽しんでたらプライスレスです。
 ちなみに少し書きましたが備後落合に行くこと自体は全然18きっぷのみでも可能です。でもせっかくならそれ以外にいろいろ楽しみたかったので新幹線に課金しました。そういう旅もありだよね。
 というか気づいたら「秘境駅」ってお題でなんとなく始めて6000文字近く書いてたのがびっくり。最後までご覧頂きありがとうございました。

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