5月:湿熱を鎮静して、気圧に負けない身体を作るレシピの作り方〜料理編
蒸し蒸しジメジメして世間も身体も重だるくなる梅雨の季節。下半身だけでなく、顔まで浮腫んでいると、気持ちまで重くなってしまいますね。
アーユルヴェーダでは、梅雨の時期は大気中のドーシャ(生命エネルギー)のうち、水(kapha)と火(pitta)そして風(vata)全てが増えやすくなり、その影響で、こもった熱と余計な水分が蓄積しやすくなるのでした。
空は雨模様でも季節は着実に夏に向かっています。今の時期にこもり熱と余計な水分を溜め込むと、夏の食欲低下・消化不良や肌荒れにつながってしまうので、今のうちにリリースするのがコツ。
というわけで、今回はジメジメ鬱々した梅雨の間も美味しく食べられる爽やかな料理のレシピをお届けします。
食事でも、風通しの良い身体を意識しよう
余計な水分が溜まり、熱もこもったような気がする梅雨の季節は、そもそもvata(風)を乱すようなアンバランスな食・生活習慣が原因になっていることが多いと暮らし編でお伝えしました。
飲食物を消化する食道〜胃腸の消化の道以外にも、栄養や酸素を運ぶ血管、老廃物を流すリンパ管など、私たちの身体の中を走る道をアーユルヴェーダでは一言で「スロータス」と言います。この道をとおりながら様々なものを運ぶのは、主に運搬が仕事のvataの役割。
大気中の風そのもののように、ささいなことで不安定になりやすいことが厄介なエネルギーですが、裏を返せば様々なことを安定的に行うよう留意すれば良く働き、心地よく暮らしていくことができます。
規則正しい就寝・起床以外にも、食事の摂り方なども含めて風通しの良い身体を保った上で、こもり熱や余計な水分をリリースていくことができるよう、料理でも工夫してみましょう。
空腹を感じる時間を一定に
・毎回の食事の前に空腹を感じていますか?
・食べるたびに、美味しいと感じて食べていますか?
これはアーユルヴェーダセッション(カウンセリング)の際に私がよく聞く質問です。
自信を持って「はい」と答えられる方は意外と少なく「そういえば、食事の時間だと思ってなんとなく食べている」「惰性になっていて、美味しいと感じているかどうかわからない」という方も多くいます。
消化の時間は、その人の消化力にもよりますが、健康的で運動をよくしており、消化に重すぎない食事に留意している場合で平均的に5〜6時間かかります。
ところが、朝8:00にたっぷり一汁三菜を食べて、12:00になったら昼ごはんだ、とパスタセットなどを食べて、夕方におやつとコーヒーを摂り、夜19:00にはお酒を飲みながらおつまみ...
といった食事をしていたら、お腹が鳴る暇もありません。
消化されたのを待ち、空腹を感じてから食事を摂ることは未消化物を作らないようにするためにとっても大切なこと。消化のサイクルがうまくいっていると睡眠の質も良くなり、理想的なターンオーバーがかなって元気に起きることができます。
空腹を感じていないのに食べてばかりいるかも?と思う人は、まずは次に空腹を感じるまで食事をお休みしてみましょう。夕方や夜中など、変な時間に空腹感を感じてしまったなら、そこは軽めに済ませます。
また次に空腹を感じるタイミングが朝や昼であれば、そこでその時のお腹の調子に合った重さの食事を摂り、また空腹を待つ。
こうして、空腹を感じるタイミングがリズミカルになってくると、風通しの良い体のベースができあがってきます。
水分排出効果のある食材を使う
足だけでなく、身体全体が重だるくなりやすい梅雨の時期。余計に溜まった水分は、陽の当たらないところに溜まっていく水溜りのようなものです。どろどろと余計なものを溜め込んでしまうので、溜め込んでいけないのは脂肪と同じ。
むくみの自覚がなくても「最近太ったな」「ちょっと重たい感じがする」という時はたいてい水分が溜まっているので、水分排出効果の高い食材を意識して食べてみましょう。
おすすめの食材はこんな感じ
○瓜系の食材(冬瓜・ズッキーニ・きゅうりなど)
○緑豆
○ハトムギ
緑豆はアーユルヴェーダで最もよく使われる「ムング豆」のこと。台湾などでも緑豆を煮て果物や寒天と合わせたスイーツが食べられたり、様々な地域でよく使われています。
緑豆は煮たらその煮汁を捨てずに、ちょっとお茶として飲むこと。あずきと同じようにデトックス効果が高いです。飲みすぎると身体が冷えるので、湯呑み一杯程度にしておきましょう。むくみがひどい時や飲みすぎた翌朝などに良いです。
一方、おすすめではない食材は、スロータスを詰まらせやすいもの。
○小麦粉や砂糖で、特に精製されていないもの
○アイスクリーム
○お餅やおまんじゅう
スロータスを詰まらせやすいものは、身体を冷やすものが多いです。出口がない感じの上に、冷えて代謝まで落ちてしまっては回復するものもしなくなってしまうので、梅雨の時期はできるだけ控えましょう。
湿熱を鎮静して、気圧に負けない身体を作るレシピの作り方〜食べた後さっぱりとした気持ちになるワンプレートを作ろう
ジメジメ、うつうつしがちな時期におすすめのスパイスはカルダモン。eatreat.のお店でも白湯に入れてお出ししていますが「いい香りでホッとする」「いつもの白湯より美味しい」と好評です。
カルダモンは「スパイスの女王」と言われる方向の高さが特徴。高級なスパイスなので、購入するときはケチらず、緑色が綺麗で粒が大きく、香りが上品なものを選びます。
カルダモン
V↓K↓
味:辛、甘
効力:冷
味覚を良くする。消化力増進剤、心臓に良い、呼吸困難・咳・肺結核・排尿困難・腺腫・痔核・吐き気に効く。芳香剤、解毒剤。子宮の浄化。
今回は、メインのトマトのスパイスご飯でこのカルダモンを使っていきます。というわけで、今月のメニューはこちらです。
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【レシピの作り方】身体と心を整えるアーユルヴェーダ料理
eatreat.で月に1度開催する料理教室のオンライン版。「胃腸を休めるレシピの作り方」などテーマに沿って生活と食事のレシピを動画付きでお…
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