「鳥の目」で教育課程をみる
物事をみるとき「鳥の目」と「虫の目」でみることが大切だと言われる。「木『も』見て、森『も』見る」ということだ。
教育課程についても同様のことが言える。
例えば、行事の内容そのものだけをみるのではなく、教育計画全体を俯瞰的に見て、その行事をどの時期に、どのように位置付ければ、学校の教育目標の達成につながるのかということを考える必要がある。
しかし、若い頃の私は、教育課程を「鳥の目」でみる視点はなく、授業や行事、学級経営という、教育課程の「点」にし力を入れていなかった。点と点がつながっていることや、関連していることなど理解していなかった。
「社会に開かれた教育課程」の実現のための手段として、カリキュラム・マネジメントが重要視されている昨今においては、若いうちから教育課程を「鳥の目」でみることが大切だ。
市内のある学校は、①から④の作業を毎年、12月に2時間ほど実施しているという。
①学校の教育目標の具現化と共有 ➁①つながる教科等の学習内容や特別活動などの教育活動の洗い出し ➂洗い出した教育活動の関連付け ④➂をもとに年間計画への位置づけ
たった2時間であるが、職員全員で、最上位の目標を確認・共有したり、行事等との関連を考えたりすることを通して、教育課程をみる視点が獲得されるという。教育課程編成の際には、若い先生からも様々な意見が出されるようになったということだ。
教育課程により、子どもたちに身に付く資質・能力は変わってくる。教育課程はただの「紙」ではなく、人づくりの理念を実現するための地図であることを考えると、全職員が教育課程を「鳥の目」でみる機会をつくるのは、とても意義あることである。