何度も汚しては洗ってるシーツみたいな2人の時間に
俺たちみたいだな、と北が言って教えてくれた曲。
結局、離れようとしたって、何かあれば北を頼ってしまうしかない弱い私に、北は気長に付き合ってくれる。
何を話したいわけでない。
空虚を埋めるための電話に、昨日も出てくれた。
私は何がしたいんだろう。
しなくてはいけないことではなく、何がやりたいんだろう。
毎日の家事や運動や、勉強に不足があるわけではない。
やりがいもあるし、整えられた家で、美味しく淹れたお茶を飲みながら勉強して、運動ノルマをこなして、満足なはずなのに、何か足りないと思ってしまう。
仕事を始めたら、通院をやめたら、痩せたら、これが出来たら…
実際、北が体重をこれ以上落とす事に反対してるので、ダイエットを今のペースでするかは悩んでいるし、そうしたら、運動時間も減らさなきゃいけないだろう。
その分、何を足せばいいのかな。
1日を隙間なく予定を組んでないと、自分がまた、落ちるところまで落ちそうで怖い。
余分な薬は捨てたけれど、そんなもの、またためてしまうかもしれない。
北は、私が何を悩んでいるかは本質はわかっていないようだ。
なにしろ、本人が何を悩んでいるかわからないのだから。
立ち止まるな立ち止まるな、とうちからの声に従って生きてきて、倒れて、廃人になったのだから、焦るな急ぐな、今は立ち止まれ、と自分に言う。
祖父の生きていた時のように、ぼんやりと愛だけに包まれて、おっとりとのんびり屋さんで生きたいのだけど。
(どうでもいいが、自治会費の集金があまりにこなくて、私、自治体から外された?と不安になり班長さんのところに行ったら、「僕、のんびり屋さんなんで、まだどなたのお宅も伺っていないんですー」と言われた。あのくらいになりたい)
血のつながった母とはやっぱり分かり合えず、弟は好きだけど、一緒に暮らしたことがないから、北よりも遠い存在。
北も、父親が毒親で、だけど母親はとても出来た人で素晴らしい人だと認識しているらしいが、
「まあ、いい人なのは確かだよ。だからって、ウマが合うとは限らないし」
と言っていた。また、
「愛してくれてるんだろうとは分かる。でも、それは俺個人というより、息子、という記号を愛してるような…この言い方自体、厨二病っぽいんだけど」
お互い、厨二病だから気があってる部分があるので、そこは理解してる。
生きづらい部分が近いところがあるから、そばにい続けることが出来るのだろうか。
なんとも息苦しい、やり場のない、救いのない関係だ。
今は仕方ないのか。
何かしら、自分に対して、許しを、答えを見つけるまでは、こうやって足掻いて、北を巻き込んで、毎日を過ごさなきゃならないのか。
今日もまた、答えは出ない。
答えのないまま、夜が明ける。