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どしゃ降りの雨をぬけ 晴れ間に会えたとしても
行く先を決めかねて
佇む一人の曲がり角
さすらう風の小耳にそっと
行き先たずねてる
うつろな今日
昨日の大雨の中、歩いて3分の整形に行ってきた。
傘あるのに、ずぶ濡れになった。
荒天の時は、このお年寄りの溜まり場みたいな医院は空いてると見込んだら、予想通りで、すぐ診て貰えた。
腱鞘炎。
安静。
塗り薬。
最短2ヶ月ほどで良くなるだろう、手は使わないように、来週からまでに少しも回復してなかったらギプスだから、だと。
なんかなー。
病院勤めしてたからよくわかってるが、医者ってのは、安静って言いたがるよな。
安静が出来りゃ、基本的に病院には来ねーよ。
またしても気持ちがざわめき、心がささくれだち、発作的に自傷行為に走ろうとするのを、北の買ってきてくれた焼きそば眺めて、踏みとどまる。
こんな時は、自分を傷つけるとわかっている本を読もう。
新しい本は、ちょっとリスクが高すぎるので、古い本を出してきた。
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シリーズは、真夜中の鎮魂歌まで持ってるのかな?
朝日のあたる家は途中で投げた。
真夜中の天使より、この、翼あるもの下巻は、私には響く。
誰にも求めれず、意味のない人生を歩んできた主人公を、はじめて自分を価値あるものと見てくれた人は、この世で一番憎んでいる人間を愛してしまった、と言う話。
これだけ書くと、なんて陳腐な物語だろう。
しかし、陳腐で何が悪いとも思う。
私は常に、実験的な作品より、わかりやすく、感情移入しやすい作品ばかりを好きになってきた。
人を好きになり、人を憎み、結ばれ、別れ、そんな当たり前の日常を書いてある作品が好きだ。
ミステリーも、例えば江戸川乱歩の理由のよくわからん殺意よりも、横溝正史のわかりやすいベタな動機の方が好きだ。
何度裏切られても、たった一度の抱擁で全てを許すとまで、人を愛してしまった主人公。
愛を知らず、憎悪の中でだけ生きていたら、もっと楽だったろうに。
誰かに求められたい、愛されたい、と繰り返しても叶わないなら、自分で全てを壊すしかない。
その気持ちを、淋しさを、最後まで見届けれないのなら、はなから見捨て置いてくれたらよかったのにね。
中途半端な優しさは、それに飢えてる人間には、猛毒だ。
毒だとわかって飲み干してしまう衝動も理解出来る私は、何に飢えてるのだろう。
キツいな。
わかって読み返したのだけど。
北に支えられて、友人は優しく、雨音のする中、ゆっくり本を読める環境で、私は何に渇き、求め、縋りたいのか。
誰にも埋められない孤独を後生大事に抱えて、馬鹿みたい。