詩|陰る君へ
心から愛しいと思える人に出会うことは
その愛をいつか失ってしまうということ
永遠に気づかないふりをしていたかった
残る君へ
私が死んでも悲しまないで
そう思っても貴方はきっと
涙を流してしまうでしょうから
せめて貴方の傍にいたいと
祈りながら死なせてほしい
陰る君へ
泣きはらしたような朝焼けが
涙で覆われた瞳にうつるとき
喪失の予感は、確信へ変わり
私の心は貴女であふれる
貴女を失った悲しみで…
光る君へ
貴方を失って空っぽ同然の
心にどうにか残ったものを
必死になって、かき集めるのは
何かが生まれる予感のため
筆をとる事しかできない私
私の後ろへ、そっと忍び寄る、あなたは誰
それは喪失の影
私の夢の中で、そっと呟いた、あなたは誰
それは生還の兆
私の心を震わせるものはなに
それは千年続く物語が
今この瞬間、生まれる予感