確執のある親との別れ 毒親に手紙を書こう(2)
下記は私が父が脳梗塞で倒れる一年前に送ったものだ。何か妙な予感がして「今書かないともう(父の頭がはっきりしているうちに読んでもらう)機会はない」と感じたのだ。母は「こんなもの送ったら、お父さんが怒り狂っちゃう。お互い傷つくだけだから、やめなさい」と言ったが、私は断行した(何度も推敲してソフトにはしたが)。
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お父さんへ:
これは私からお父さんへ書く最初で最後の手紙になるかもしれません。
これを書くまでは、いろいろな気持ちの逡巡、葛藤がありました。耳が痛いことも述べるかもしれませんが、我慢して読んでもらえれば幸いです。
まずは、私が独立するまで養ってくれてありがとうございました。
お父さんは、幼い頃にお母さんを亡くし、貧困の中から立ち上がり、東京の大学を出て大企業に就職しました。
きっと想像を絶するような苦労があったことでしょう。でもそれにより、「失ってしまった」ものもあったかもしれない。
会社時代のお父さんは、常にイライラしていて、周りのほぼ全ての人を日常的に傷つけてきました(家族、お母さんの親族、猫のxxまでも)。私は小さい頃は、お父さんのお気に入りだったので被害は少なかったですが、それでもお父さんの周りの人々への心ない態度に深く傷つくことが度々ありました。きっと全然気づいていなかったと思いますが、私達は毎日お父さんを怒らせないよう、薄氷の上を歩くようにびくびくと暮らしていたのです。その結果起こった一連のこと- お姉ちゃんの自傷と入院、お母さんのパニック障害、私の鬱病は、直接原因とはいわずとも、お父さんの(他人への)共感力に欠けた言動・行動の影響があったことは間違いありません。
もちろん一家を支えるという責任と、会社のストレスがあったことでしょう。でも、お姉ちゃんや私が精神的に立ち直るまで、どんなに苦しみ、時間がかかったことか(お母さんはお父さんを配偶者に選んだ本人なので言及しませんが)。正直言うと、お父さんのような人は、家族(特に子供を)持つには向いていなかったのかもしれません。お父さんは自分を愛せず、他人も愛せず、世の中のほとんどのことを呪っていたようだったから...。
もし「来世」というものがあるのなら、お互いに「愛し・愛される」ような人間関係を築ければ、と思います。
緑内障の進行が治療で止まるよう、この先も健康でおられるよう、海の向こうから祈っています。お母さんを大事にしてください。
E
追伸1. 私は今(一応)幸せに暮らしています。信頼できる夫と犬がいて、好きな仕事をしています。いろいろと苦しいこともあったけれど、これまで出会った全ての人々のおかげ(もちろんお父さんも含まれます)で、ここまでたどりつきました。これからも感謝と愛を忘れずに、少しでもいい人間になれるように、努力していきたいと思います。
追伸2. お父さんに関する唯一のいい思い出は、昔お父さんが海岸から砂を運んできてくれて砂場を作ってくれたことです。すぐ猫の公衆トイレ(?)になってしまってあまり遊べなかったけれど、あれは本当に嬉しかった…。
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