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【第4回】授業で学生の注意(関心)を引き出すには?④困ったことの具体例から考えたこと
~看護教員から、教育学者へ~
西野先生からいただいたアドバイスを読み、メンバーで集まり意見交換をしました。その中で、私たちが抱えている具体的な困りごとがいくつかあがりました。今回は、その困りごとについて、私たちなりに考えたことを含めて梅澤が書いていきます。
1.「手術を受ける患者の看護 ~術前訓練~」の授業タイトルを考えてみた
酒井先生は、自分が担当する授業「手術を受ける患者の看護 ~術前訓練~」について、学生の興味・関心を引き出すようなタイトルにしたいと思って考えてみたそうです。しかし、いくら考えてもこれ以上に授業内容を端的に表現できているものは思い浮かばなかったとのこと。そこで、「術前訓練の目的」を踏まえてタイトルを考えることにしました。
~術前訓練の目的~
手術は健康回復のために行われます。反面、意図的に身体に損傷を加える治療法であり、様々な侵襲を伴います。そこで、手術により生じた身体侵襲から少しでも早く回復するため、また手術による合併症を起こさないために、手術後に何をすればいいのかを、手術前に患者さんに説明したり、回復するための方法を練習していただいたりすることが大切です。術前訓練には、このように“身体面への看護”という目的があります。しかし、それだけではありません。手術に対して患者さんは多かれ少なかれ不安を抱いています。そこで、術前に十分な説明をして訓練をしてもらうことで、不安の軽減につながります。このように、術前訓練は“精神面への看護”としても大切なのです。
以下が、私たちが考え出した新しいタイトルです。
①「手術はやっぱり怖いよね ~患者の安全を守るための術前訓練~」
②「患者の安心、安全を守る術前訓練」
③「未知との遭遇を既知にする術前訓練」
この3つのテーマを並べてみて、気づいたことがあります。
(a) ①と②を比べると、①は患者さん寄りの表現になっており、②は看護師の目線で表現している。
(b) ①はネガティブ、②はポジティブな印象を与える表現になっている。
(a)と(b)については、どちらがいいのか、そもそもそういうことではないのかを含めて、私たちの考えたタイトルについて、先生の感想やアドバイスをいただけると嬉しいです。ちなみに、もし先生がつけるとしたらどんなタイトルをつけますか?
2.「発問」あるある!こういう場合、どうしたらいい?
良い発問をするためのヒント、ありがとうございました。その中でも、“+1の発問”はやれる気がします。早速試してみたいと思います。ここで、少し具体的な私たちの悩みを聞いて下さい。発問に答えられない学生への対応についてです。
ケース1: 教員の発問に対して、固まってしまい無言になる学生がいます。わからないから答えられず黙っているのか? 答えが合っているか自信がないから言わないのか? 緊張して言葉がでないのか? 実際のところはわかりません。私たち教員は、沈黙に耐え切れず、答えを伝えてしまうことがしばしばあります。こういう場合、どう対応したらよいでしょうか。
ケース2:発問に答えられない学生に、違った角度から発問を繰り返し、そもそも何の発問だったのか? という状態になってしまうことがあります。少しでも学生に考えて答えを出してほしくて、手を変え品を変え発問をするのですが、今度は辞めるタイミングを逸してしまいます。効果的ではないことはわかっているのですが・・・。
3.学生から疑問を出してもらうために「予習」をしてもらうことを躊躇する私たちがいます。
探求心を喚起するために、学生から質問や疑問を出してもらう方法の1つとして「友達同士で予習して一緒に疑問を出すことを推奨しても良い」というアドバイスをいただきました。これはとてもいい方法だと思いました。しかし、早速やろうというようにはいかず、躊躇してしまう私たちがいます。
「予習」は大事です。でも「復習」も大事です。比べられるものではないかもしれませんが、看護の専門学校のほとんどは修業年限が3年間であり、カリキュラムとしては過密だと言われています。学生からは「今日の授業後の課題は・・・」というと「え~っ」という声があがることがあります。また、過去にある学生から「課題が多すぎで、取りあえずやるっていうか、やっつけになってる」と言われたこともあります。「友達同士で疑問を考えてきてくださいね」と言ったところで、どれだけの学生が考えてきてくれるんだろう、と学生を信じられない自分が情けないですが、そんなことを考えてしまいます。
カリキュラム全体を踏まえながら、課題をどのように出していくかというマネジメント的な視点も必要だとは思います。「予習」「復習」「事前・事後課題」このあたりを、どのように考えていったらよいでしょうか。話がズレてしまいましたが、切実な悩みです。
4.悩んだときはみんなで考えることが大切
普段の授業づくりはひとりで考えますが、今回は酒井先生の授業タイトルをみんなで考えることができました。ひとりで悩むのではなく、みんなで考えることで発想が広がり、より学びが深まりました。今後もできる限り、メンバーで集まり話し合う時間を設けていきたいと思います。