家族としてサポートするということ
私は病院で管理栄養士さらには糖尿病療養指導士として働いていたので、様々な形で患者さんやその家族と関わる機会がありました。
最初は患者さん本人も相当なショックを受けておられますが、家族も同様です。そのショックの矛先が様々で、自分の食事が悪かったせいではないかと自分を責めてしまう方もいれば、受け入れることができず、あなたが悪いんだから勝手に治療してくださいと言わんばかりにそっぽを向いてしまう方もいます。いくらお願いしても全く来てくれない家族もいるので、一緒に病院に来てもらえるだけでもまだ恵まれているんですけどね。
私も相当ショックを受けました。管理栄養士の夫が糖尿病?!って、別の意味でもショックでしょ?
でも、受け入れるしかない・・・
糖尿病の治療はこの先ずっと続くので、やっぱりどうしても家族のサポートが必要です。
糖尿病になった本人からは言いづらいこともあると思うので、今回は糖尿病の患者さん家族の目に留まり、ぜひそんなことを知ってもらえたらと思います。
家族としてやってあげたい4つのこと
①糖尿病を学ぶ
最初はやはり、一緒に病院について行ってあげることかなと思います。大きめの病院で、糖尿病についてしっかり教えてもらえるところでないと意味がないのですが・・・
家族も糖尿病についての基礎知識を一通り勉強しておきたい。
いま何をするべきか、放っておいたらどうなるのか、合併症についてなど学んでおくことで、この先のことも少しは想像できるので。
また、一人じゃできないということ、サポートが必要だっていうことも理解できると思います。
糖尿病療養指導士や糖尿病看護認定看護師などは患者本人はもちろんのこと、家族の心理的サポートも行っています。家族も困ったことや不安なことを相談できるので、病院と関係を作っておくのも大事です。(そんな病院を選んでください)
②見守り
家族としてできるお手伝いの一つとして、「見守り」があります。
ガッツリ関われないという方も、「薬飲んだ?」とか「今月ちゃんと病院行った?」とかちょっとした声掛けだけでもしてもらえたらと思います。
忘れてしまったり、億劫になりかけている患者さんを救えます。
気にしてくれていると思うだけでも、嬉しいじゃないですか。
③一緒に頑張る
できれば同じように生活する。
食事について「糖尿病になったら別メニューにする」って考える家族が意外に多いのですが、みんな同じにした方が良い。
糖尿病食って「健康食」であって、制限食ではないんですよ。
家族みんなで健康になれたら、こんないいことないじゃないですか?
特に子供さんがいる場合、遺伝だけでなく同じ食習慣であることも関係して糖尿病になる確率が高くなるから、みんなで改善した方が絶対に良いと思う。
うちも子供の好みが夫と同じなので、すごく心配で。まだ小さいですが、食事には気をつけています。
美味しいものを食べるときもみんなで分け合って、食べ過ぎないようにしています。お父さんだけ「無し」って可哀相だから(笑)
一緒に出かけて歩いたり体を動かしたり、制限と考えずに楽しく過ごしています。
④心の支えになる
わかってあげることも一つ。
ずっとこれから療養生活を続けていく中で、時には挫折を味わうこともあるだろうし、会社のストレスだってあるだろうし。
気持ちがしんどい時って誰にでもありますよね。
療養を続ける気になれないときは、そんな気持ちもわかってあげて、少し休んで、励まして・・・乗り越えていけたらいいですね。
私も時々クドクド言っちゃうんですけど。本人だって頑張っているんだってことを忘れないようにしないといけませんね。(頑張ってないようなら注意しますけど。)
家は息抜きできる場所でありたいと思います。
わが家のおはなし
私は糖尿病のことをよく知っていることもあり、夫の病院には呼ばれないので付き添っていないのですが、いつでも一緒についていくよと言っています。
必ず病院の結果は細かく確認して、心配しているってことも伝えています。
妻が管理栄養士だと先生に言っちゃったみたいで、食事指導はしてもらえなの(笑)・・・他の栄養士の話も聞いてみたいんだけど。
食生活は以前から病院食みたいな食事を作っているので、ご飯の量をしっかり量るようにしたくらいで特に変更はしていないです。
朝食は食欲がないというので今まではトースト半分と自家製ヨーグルト(無糖)だけだったのですが、栄養バランスを整えるために、サンドイッチを作ることにしました。私たちは前からそんな朝食だったから、増えても全く苦はありません。
そもそも食欲がないのは夜食を食べるからなので、夜食は控えるようにしてもらっています。
お昼のお弁当も作ることにしたのですが、手間は増えたとはいえ、私の分も用意しておけるので、自分のお昼が楽になりました。
その程度のサポートです。ついでにみんな健康じゃん!ってポジティブに考えてます。
でも夫は恵まれた特殊な環境なんだと思いますが。
知識があるだけに厳しくなってしまわないよう、気も使いながら寄り添っています。
まとめ
「糖尿病」家族としてサポートするということについて考えてみました。
本人が一番ショックだとは思いますが、家族もこの先のことを考えたら不安でいっぱい。
まずは家族も病院について行って、糖尿病を学び、一旦受け入れるということをしないといけないかなと思います。
その上で、無理なく自分にできるサポートを考えていく。
声かけや励ましだけでも心のサポートになります。心配していることも伝えてあげてください。
一緒にできることがあれば、自分のためにもやってみる。
目指すは家族で健康です。
私が全部できているというわけでは決してありませんが、この記事が少しでもどなたかのお役に立てたらなと思います。
食事療法についての詳しい記事も書いています↓
気にある方はぜひ読んでみてください。(後半は有料となっていますが、大事なところは無料で読めるのでぜひ)