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食品交換表を完璧に覚えている患者さんの話

病院で働いていたころのお話シリーズです。

たくさんの患者さんとお話ししてきたので、いろんなエピソードがあります。その中から、何か少しでも役立ちそうなものをお伝えします。

本日は「本を暗記してるけど実践できない」患者さんのお話です。



📚糖尿病の食品交換表をご存じですか?

糖尿病患者さんの栄養指導の際に紹介していたんですが、この「糖尿病食事療法のための食品交換表」をご存じですか?

日本糖尿病学会編・著:糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版

食品を栄養の6つのグループに分け、80kcalに相当する量(g)を掲載した本で、栄養バランスを整えつつ、ざっくりした計算で献立が立てられるように考えられています。

でもこれ、栄養素人さんにとってはそう簡単なものでもなく、栄養士の間でも長年、この本を使う使わないで論争があるくらいです💧

👉栄養計算は栄養士ができたらいい話ってね💫

とはいえ、何らかの指標がないと患者さんも毎日の献立に困るじゃないですか?
なので私は使う派です。目安としてね。

でもいきなりこの本を買ってもらうのではなく、代表的な食材だけを交換表の考え方でまとめ、プリントして使っていました。
これについて来れそうな人にだけ本を紹介する感じです。

⬇️交換表について、詳しくはこちらに記載しております。


📚すごっ!全部暗記している?!

もちろん栄養士は患者さんに説明しないといけないから、交換表を理解しておくことは必須。
ただ、全部覚えてるかっていったら、そりゃ無理やろ~🤣

80kcalあたり何が何グラムかなんて全部覚えられるわけがない!

よく使う食品は覚えてますよ。でも献立を立てるときに調べるのがこの本であって、覚えるもんではない。(ちがう?)

でも、これをほぼ全部覚えてる患者さんがいたの😮💧
めっちゃすごいことよ。
魚にしてもお肉にしても、ものすごい種類があるというのに。

ただね・・・
数字をまる暗記してるだけで、全く実践できていなかったのです😭

📚実践が大事です💧

頭はすごくいいのですよ。
高齢女性だったんだけど。

でも全然血糖値が改善しないから、繰り返し栄養指導が言い渡される。

厄介なのは、本を1冊まる暗記しているから「できる」という自信を持ってしまっていて。
実際は栄養のグループ分けも1日の量も、知ってか知らずか全く無視なの💧何も活かされていない・・・

栄養指導中は「それ、1単位〇〇gでしょ?」って話の腰を折る。
覚えてるアピールね。
でも聞いちゃあいない💧
「大事なとこ聞いてくれよ~😭」って思うのだけど、自信がある人を注意したら逆効果なこともある。
「わかってるわ💢」ってなってしまったら、もう来なくなるかもしれないし。

このような場合は「〇〇さん、すごい!全部覚えてる!」と褒めつつ、「あとは使い方マスターしたら完璧やん💗」とか言って、できていないことを責めずに話を聞いてもらうしかないのです(笑)


📚まとめ

数字だけをまる暗記して、食事療法には全く活かされず、実践できていない患者さんのお話でした。

この患者さんが悪いのではなく、私が上手に話を持って行けなかっただけかもしれません😭

結果としましては
繰り返し家族も交えて指導を繰り返し、少しずつ理解してもらえた症例です。

本を読んだり講義を受けたりして何となく身についたつもりでも、全く実践できてないってこと、私もあります💧

やっぱり、実践してなんぼ。
人に説明できるくらいにならにとダメですね🐻
そんな学びもありました。

栄養士、がんばります✋


最後までお読み頂き、ありがとうございました💗

また「こんな栄養のお話しが聞きたい!」というのがございましたら、教えていただけると嬉しいです💗

今後とも一緒に考えていけるような身近な情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いします
🌿



みんとのプロフィール🐻





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みんと🎈漢方養生栄養士
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