春を味わうたけのこごはん
春の山菜、そしてたけのこごはん
今までたけのこは下茹でしてあるものしか使った事がなかった。スーパーで売っているあの水煮タイプ。自分でやるとなると米ぬかで茹でたり面倒なのでずーっと横目スルーしてきた。
私は関西でも奈良、京都の田舎の出身なので山菜やたけのこはこども時代からけっこう食べている。都会と違って近所の人や知りあいがたけのこがたくさん採れたから、といってタダでよくうちの母はもらっていた。
田舎の人はみんなたけのこが好きだった。母はよく若芽と生節でたけのこの煮物を作った。意外とたけのこごはんはそういえば食べたことがなかった。煮物も悪くないけど手作りのたけのこごはんのおいしさをもしかしたら知らないできてしまったかもしれない。
それでこの春にやってみたかったのは春にしか出会えないものをさらに味わうということ。
春の夜、香り高い優雅なたけのこごはん。
去年は逃したかもしれない。春の山菜とそしてたけのこ。さっそくたけのこを茹でる下準備からチャレンジした。
もうイメージは出来上がっていた。
香り高い木ノ芽を贅沢にたっぷり使いたかった。
たけのこごはんを格上げしてくれるのは木ノ芽。ステキな和ハーブ。そしてまるであつらえたかのようにイケアの竹製の重箱に盛る。
たけのこの下茹では¥50の米ぬかを買ってきてオレンジページの飛田和雄さんの茹で方を参考にした。昨日の夜に茹でて1日置く。これでしっかりアク抜きができる。
山菜、たけのこの目利きになる。
たけのこの選び方はこれはもうカンでたくさんある中の¥580のわりと小さめの物を選んだ。カンで実がしっかりしてやわらかそう?だと思えるモノを直感で選ぶ。皮に包まれているし、今まで調理したことがないので迷うところだけど。
まず先端を切る時にあまりのかたさに驚く。少し下目に切ってもまだまだかたい!そして皮を剥くと現れた!たけのこ。
米ぬかのお湯でじっくり1時間茹でた。そして今夜、
昆布と酒、藻塩と醤油少しでこれもなんとなくこう切るとおいしいかも?と思いながら自分で下茹でしたたけのこをカットした。
ちょっと感激。スーパーで売ってる水煮たけのこではなく生たけのこを自分で完全に料理する。いうのもなんだけど木ノ芽もしっかり見た目カンで選んだ。
部屋中にふんわりなんともいえないたけのこと昆布のやさしい香りがひろがる。時間にあわせてこれも旬のあさりと生は今しか手に入らないあおさで磯の香りがするあさりのあおさ汁を作る。
炊き上がりの自分でイチからすべて作った感慨深いたけのこごはんを竹の重箱に盛る。そしてなんともいえない芳香を放つ木ノ芽を散らすとき、私は今夜春をあじわう!
オーガニックのロゼワインに桜の塩漬けをお湯で塩抜きして浮かべて添える。ロゼの中でゆっくり桜の花びらがひろがる。
失われた春のたけのこごはんのときよ!
ひとくち食べるとこれはたぶん私の家の味。
自分でいうのもなんだけど茹で加減のたけのこのやわらかさも極力シンプルな味つけの野生的な風味もオリジナル。
時短で帰ってきて作りたてたけのこごはんで今夜の春の夜はふける。
また寝落ちしそう。
まだはやいのに。
saloonfreak