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3連休で歴史観ひっくり返るの巻

3連休は読書三昧

今回選んだのは、NHK「3カ月でマスターする世界史」のナビゲーター岡本隆司先生の著書3冊。アジアから見た世界史観が「目から鱗」レベルだったので、思い切って「世界史序説」「世界史とつなげて学ぶ中国全史」「中国史とつなげて学ぶ日本全史」を購入。少し深入りしてみたところ、学校では学べなかった知識がわんさか出てきたので、記憶にとどめるため、ほんの一部を紹介することにした。

中国史とつなげて学ぶ日本全史

この1冊を読んで、「嫌韓」「嫌中」の感覚が吹っ飛んだ。「愛韓」「愛中」には至っていないが、読書からの学びを簡潔に要約したい。慎重に記すつもりだが、世界史音痴の素人ゆえ、書き漏れがあればご容赦願いたい。

歴史の変わり目に気候変動あり

寒冷化に伴う遊牧民族の大移動が歴史を大きく動かしてきた。フン族の移動によって居住地を押し出されたゲルマン民族の大移動が西ローマ帝国を滅ぼし、匈奴、モンゴル、チベットの移動が中国史に多大な影響を与えた。そういえば、「鎌倉殿の13人」の終盤はずっと雪景色だったなぁ。

後半のハイライト(実朝、絶体絶命!)

琉球(沖縄)の二重外交

史実を遡ると、中国の領土だった琉球に薩摩藩が手を出し、実効支配したようだ。当時の清国を刺激しないよう、琉球も薩摩藩も江戸幕府もその事実を隠ぺいしていたが、隠しきれなくなって、欧米仲介のもと、琉米修好条約を締結して諸外国に認めさせたとさ。結構、エグイことやるね、日本。

慶賀使(琉球から江戸への使節団)

対馬と朝鮮王国の関係

朝鮮王国と日本の貿易の窓口になったのが対馬。朝鮮王国への対馬の態度は実に恭しかったとか。日本に国王の概念がなかったため、将軍(大君)と天皇(君子)の関係をうまく説明できず、朝鮮王国側に「対馬は朝鮮のもの」という誤解を与えた可能性あり(これは私見)。

再現された船朝鮮通信使

泥沼の戦争に突入

知らない間に琉球を強奪された清国が「次は朝鮮半島か?」と訝しがるのも当然。さらに満洲の領有権も争い、なおかつ、大国を巻き込んで、日清戦争、日露戦争、世界大戦へと発展していく。海を隔てて、日本が朝鮮半島や満洲を管理することは不可能に近いのに、あの頃はタガが外れてしまったようだ。第55代総理大臣・石橋湛山のみ、「日本は(日本)列島の支配に専念すべし」と主張していたとのこと。ジャーナリスト出身とは言え、先見の明が凄すぎる。何とか、蘇ってもらえないものか…

再来を願望!石橋湛山先生

政冷経熱

だからと言って、尖閣諸島や竹島などへの介入が許されるわけではないが、日本人としては既成事実として知っておくべき。少なくとも自分は教科書でも参考書でも習った記憶はなく、「不都合な真実」として消去されたのかなと勘ぐってしまう。そんな中で今も続く「政冷経熱」(政治の関係は冷え切っているが、経済関係は熱い)。古くから、日本・中国・朝鮮間の貿易は密であり、政策によって鎖国が導入されるたびに、3国とも大打撃を受けてきた。現在のK-POPしかり、日本のアニメしかり、中国人による爆買いしかり、こういった関係性が続いていくのは良いことだ。過去の歴史を忘れることなく、文化交流については、さらに密接な関係を構築したいものだ。


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