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忙しい外科医が実践する睡眠法

睡眠は十分?

忙しい日々の業務に追われる生活のなかで、十分な睡眠をとれていると感じているでしょうか?また、睡眠時間を十分確保しても日中に眠たいと感じることはありませんか?

日中に眠気を感じる方は、いくつかの対策を知るだけでで解決できるかもしれせん。対策を考える上で重要な睡眠の要素は、睡眠時間と睡眠の質ですが、忙しい現代人にとって十分な睡眠時間を確保するのは難しいと思います。つまり、現代人にとって睡眠は「質」に依存しています。

質の高い睡眠の効果

質の高い睡眠を実現できれば、日中のパフォーマンス向上、記憶力向上、免疫力の向上、意欲の向上、ダイエット効果、高血圧の予防、脂質異常症の予防、その他さまざまな病気の予防にもなります。

睡眠のしくみ

睡眠はREM睡眠とnon-REM睡眠の2種類のフェーズで構成され、それが交互に起こります。まず、深いnon-REM睡眠から始まり、次に浅いREM睡眠へと移行します。このような2種類のフェーズを1セット(約90分)とし、朝起きるまで3回から6回くらい繰り返します。したがって、睡眠の質を向上させるには、最初のnon-REM睡眠をどれだけ深くするかが鍵となります。

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睡眠の質を上げる方法

・体内リズムによる睡眠

 ①朝日を浴びる

 朝起きたらすぐに朝日を浴びて下さい。強い光が目に入ることで脳内の体内リズムがリセットされます。朝日を浴びなければ体内リズムは徐々にズレが生じ、眠気がでる時間も遅くなっていきます。朝日を浴びるためにカーテンを開けて寝るのもいいと思います。寝るときに外の光が気になってカーテンがないと寝られない方はカーテンを自動で開閉してくれるデバイスを使ってみてはどうでしょうか。


 ②有酸素運動をする

有酸素運動には睡眠に関わる二つの大事なホルモン(セロトニンと成長ホルモン)の分泌を促進させる効果があります。セロトニンは心の安定をもたらすホルモンであり、睡眠にも強い関連があります。セロトニンは主に午前中に作られるため、セロトニンを増やすためには午前中の有酸素運動が推奨されます。また、セロトニンが減少することはうつ病の原因にもなり得ます。成長ホルモンは睡眠を深くする上で最も重要なホルモンです。non-REM睡眠の間に多く分泌されますので、冒頭でお話しました寝始め90分の睡眠を深くするために重要な物質です。忙しくて時間がとれないという方は、5分のウォーキングからでも効果がありますので始めてみて下さい。また、最近では24時間営業のジムも増えてきましてのでご自宅付近で探してみてはどうでしょうか。


 ③ルーティンをつくる

寝る前、同じ時間に同じ行動(ルーティン)を毎日繰り返すことで勝手に眠気がでてきます。できる限り同じ時間に夕食を食べ、同じ時間にお風呂に入り、同じ時間にベッドに入るようにしてみて下さい。

・体温調整による睡眠

 ①寝る90分前にお風呂に入る

睡眠と体温には深い関係があります。深い睡眠は体温が低下したときに起こります。したがって、お風呂に入り一度体温を上昇させ、その反動で体温が下がったタイミングで入眠することが深い睡眠を生み出します。寝る90分前にお風呂に入るのは、一度上がった体温が下がるのに約90分かかると考えられているからです。体の末端から熱を放出させ体温を十分に下げるためにも、寝るときは靴下を履かないことをおすすめします。また、お風呂で十分に体温を上昇させるためにも湯舟に浸かることが推奨されています。


・食事

 ①寝る前には食べない

睡眠の最中に食べ物の消化が活発に起こると睡眠の質を低下させます。寝る2時間前までには食事を済ませることをおすすめします。また、遅い時間に食事をする際は消化の良いものを選択して下さい。

 ②バランスの良い食事

有酸素運動の説明でもありましたが、セロトニンは睡眠と深い関係があります。セロトニンは脳内で合成されますが、アミノ酸の一種であるトリプトファンやビタミンなどが必要です。セロトニンを合成するという側面からもバランスの良い食事を心がけましょう。フルーツや野菜を朝食に加えてみて下さい。

・睡眠のための環境

 ①夜は部屋のライトを暗くする

強いライトの光は脳を覚醒させる作用があります。寝る前の寝室は暗いライドで過ごすようにしてみて下さい。

 ②寝る前に寝室の換気を行う

寝る前に寝室の換気を行うことで室内の二酸化炭素の濃度を減らすことができ、睡眠の質が向上することが報告されています。


眠れないときに使う睡眠導入テクニック

・4-7-8 呼吸法

この方法はアリゾナ大学医学部教授のワイル博士が考案されたリラックス法です。具体的な方法は、4秒で吸って7秒息止めをし、8秒で吐くだけです。副交感神経が優位になりリラックスをもたらすことができます。誰でも気軽にできる方法ですので試してみて下さい。

・シャッフル睡眠法

この方法は、サイモン・フレーザー大学のリュック・ボードワン博士が開発した睡眠法です。具体的な方法は、何か一つ単語を思い浮かべて、その単語の一文字目から始まる別の単語を思い浮かべます。その際に関連がない単語を選ぶようにして下さい。次に、一文字目から始まる違う単語を思い浮かべることを繰り返します。思い浮かばなくなったら二文字目に進んで同じことを繰り返し、また思い浮かばなくなったら次の文字に進んで下さい。すべての文字が終了したら次の単語を探して同じことを繰り返して下さい。




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