マガジンのカバー画像

大学・大学院・教育・研究のあれこれ

120
運営しているクリエイター

#アドバイス

バックアップしとけよ.パソコンもプリンタも課題や論文の提出前に壊れるから.

唯一の仕事用マシン(デスクトップは持ってない)であるMacBook Proのdeleteキーが壊れて,突然,勝手に連打されて,書いた文章は全部消されるし,スライドは全部消されるしで,まったく仕事にならない.もうどうにかして欲しい. パワーポイントでスライドを作成していると,突然,スライドが消え始めて,60枚くらいあったのが瞬く間に消滅して,なぜか削除の取消もできなくなってしまっていて,それまでの作業が全部なくなる.前回保存した状態にまで戻らなければならない.そんな事態が頻発

プレゼンテーションの心構え

講演でも学会発表でも,プレゼンテーションの準備をしているときに,そしてプレゼンテーションの本番前に,私が強く意識していることがあります.それは,自分のプレゼンを聞いてくれる人達は貴重な時間を割いて聞いてくれるのだから,それに見合う以上の価値を届ける,聞いて良かったと思ってもらえるプレゼンをする,ということです.そういう想いがプレゼンの質を高めますし,自分のプレゼン技術を向上させます. もちろん,プレゼンの中身が重要であることは当然です.あなたがプレゼンする立場になったら,そ

私自身のプレゼンテーション

優れたコーチが優れたプレイヤーだったとは限りませんが,プレゼンテーションが下手な人にプレゼンテーションを教えてもらいたいとは思わないでしょう.ここまでプレゼンテーション・アドバイスと称して色々と書いてきましたが,私の言葉に説得力を持たせるためにも,少しこれまでの経験を書いておきます. 研究発表・プレゼンテーションのアドバイス プレゼンテーション・アドバイス(1):プレゼンが成否をわける プレゼンテーション・アドバイス(2):スライド作成の前にすべきこと プレゼンテーション・

プレゼンテーション・アドバイス(7):質疑応答で守るべきルール

最近の学生はプレゼンが上手だと感じます.もちろん個人差はありますが,一昔前に比べれば総じて上手になっていると思います.それに,ここで述べているようなアドバイスに従って,スライドと原稿を用意し,徹底的に練習すれば,それなりに上手なプレゼンはできるはずです.できないとしたら,それは準備不足が原因でしょう. 問題はその先です.質疑応答です.どれだけ上手に発表しても,質疑応答がダメだと評価は低くなります.口先だけで,内容を理解していないことが露呈してしまうからです.このため,質疑応

プレゼンテーション・アドバイス(6):発表本番時に守るべきルール

発表までに十分な準備をしてきました.いよいよ発表本番です.ここでは,発表本番で守るべきルールを示します. <発表のルール> 1) 発表原稿は見ない.もし持つなら工夫する. 2) 発表態度で好印象を与える. 3) 聴衆を見ながら話す. 4) ゆっくりと大きな声で話す. 5) 強調すべきところで強調する. 6) ポインターを振り回さない. 7) 時間を厳守する. このルールを守るだけで,拍手喝采を浴びるプレゼンにはならないまでも,目的を達成できいるプレゼンに近付きます.ここで

プレゼンテーション・アドバイス(5):原稿作成・推敲・練習・練習

前回,ようやくスライド作成まで漕ぎ着けましたが,発表本番までにすべきことが残っています.原稿の作成,原稿とスライドの推敲,そして練習です.今回はその重要性を説きます. 原稿を作成し,スライドと共に推敲する「スライド作成のルール」に従って,思い描いたストーリーに沿ったスライドができたら,発表原稿を作成します.「スライド作成前にすべきこと」を実行していれば,プレゼンテーションの目的は明確になっているはずですし,誰が聴いてくれるのかも把握できているはずですし,伝えたいことに優先順

データ解析や数学の理解にはイメージが大切

多変量解析であれ,機械学習であれ,データを解析する道具は数学で鍛えられている.数学というと,数式を見ると蕁麻疹がでるとか,生理的に無理とか,「日常生活で使うことはないから勉強するのは無駄(キリッ」とか,色々な感想があるだろうが,理解するために大切なのは,イメージを持つことだ. 例えば,線形代数や微積分.大学に入学すると,必修科目に指定されていれば,とりあえず履修する.δ-εがどうとか語る教員に,頼むから日本語で話してくれと思う学生もいるだろう.私もそうだった.数学の講義で,

プレゼンテーション・アドバイス(4):スライド作成時に守るべきルール

スライドを作成するにあたって,守るべきルールを示します.ルールと言っても難しく考える必要はありません.聞いてくれる人の立場になってスライドを作ればいいだけです. <スライド作成のルール> 1) 各スライドに簡潔なタイトルを付ける. 2) ページ番号を書く. 3) 単色の背景にする.模様やグラデーションは使わない. 4) 文字色と背景色にコントラストをつける. 5) 24ポイント以上の大きな文字を使う.複数の図を1枚にまとめる必要があるなど,文字を小さくしたい場合でも,18ポ

プレゼンテーション・アドバイス(3):スライドの枚数と構成

発表本番を控えて,まず,誰に何を伝えるためにプレゼンするのかを明確にしました.内容には優先順位を付けて,どのような順番で話すかも決めました.そこまでできてから,スライドと原稿の作成に取り掛かります. 大事なのは中身最も大事なのはプレゼンの中身です.伝えたいことです.当然のことなのですが,重要なことは確実に伝えないといけないので,書いておきます. 大学で,卒業研究や修士論文の発表会が近付いてくると,希にですが,それほど凝ったスライドを作成する時間があるなら,もうちょっと研究

プレゼンテーション・アドバイス(2):スライド作成の前にすべきこと

上手にプレゼンテーションする方法というと,つい,見栄えするスライドの作り方に目が行ってしまうかもしれません.しかし,聞いて欲しいこともないのに綺麗なスライドを作っても虚しいだけです. みんなにこれを伝えたい,どうしても伝えたい,そういう情熱と伝えたいことがあれば,人を惹き付けるプレゼンテーションに近付けます.あなたの熱い想いが聞き手の心を掴みます.伝えたいことに関心を持ってもらえます.綺麗なスライドや上手な話し方は,伝えたいことと情熱があってはじめて意味を持ちます. 伝え

学生/技術者/研究者向けアドバイス一覧(随時更新)

noteに書き連ねてきた記事の中から,私自身が有用だと思うアドバイスらしきものを集めて,ここに整理しておきます. 進学・キャリアのアドバイス大学新入生に伝えた(い)こと 大学の講義は面白くない? 機会を見送る人と活かす人 大学院入試に向けた活動指針 ー 他大学も視野に 博士課程進学という決断:青年の大成 - 学生に読んでおいて欲しい本 人生最適化の目的関数と制約条件 勉強のアドバイス20歳代が学問する絶好機 大学や大学院で身に付けておきたい力 素直に学ぶこと

プレゼンテーション・アドバイス(1):プレゼンが成否をわける

プレゼンテーションが上手でないばかりに損をしている人は少なくありません.伝えたいことが伝わらない.うまく説明できない.研究成果の凄さが伝わらない.提案プロジェクトの重要性が伝わらない.自分のアイディアの方が優れているのに採用されない.就職活動がうまくいかない.様々な場面で,プレゼンテーション能力が結果を左右します.だから,プレゼン能力を高めておくとお徳です. ここでは,学会や講演会での発表を念頭において,良いプレゼンテーションをするために知っておくべきことや実行しておくべき

論文執筆アドバイス(5):査読に対応する

晴れて論文原稿が完成して,ジャーナルや国際会議に投稿すると,査読の洗礼を受けることになる. これまでに述べてきたように,論文には書き方がある.論文として成立するための必要条件がある.その条件を満たしていないと,査読者の評価が低くなり,ジャーナルや国際会議で発表する価値がないと判断される.つまり,リジェクトされる.あるいは,もっと酷い場合には,査読者に評価してもらうまでもなく,エディター(編集者)の判断でリジェクトされる. 研究内容が優れていることは言うまでもなく重要だ.し

論文執筆アドバイス(4):英語で書く

多くの日本人にとって,英文を書くのは困難な作業だ.一昔前には,英和・和英・活用/連語(Collocation)・類義語(Thesaurus)・英々辞典を用意して,気合いを入れて英訳しろ!あるいは英文を書け!と言っていた.しかし,機械翻訳の性能が急速に向上しているので,ひとまず翻訳は機械翻訳にさせて,それから手直しするという手順でいいのかもしれない. DeepL翻訳とGrammarly文法チェックこの記事を執筆している2020年5月現在,評判の機械翻訳は DeepL翻訳 だ.