はじめてのZINE制作
この夏、2種類のZINEを制作しました。
具体的にどのように手を動かしたか、やってみてわかったことなど、記録として残しておこうと思います。
執筆のあたらしい試みとして、今回のnoteはChatGPTを使ってインタビュー形式にしてもらいました。
これから創ってみたい方や、制作の過程を知りたい方、よかったらご覧になってみてください。
1. なぜ創ったのか
Q. ZINE制作しようと思ったきっかけ・背景について教えてください
A. きっかけは自分が棚主をしているこもれび書店さんが主催するイベント。以前からZINEを創ってみたかったので参加することにしました。
Q.実際に創ったものはどんなものでしょうか。
A.「findings」と「飲食展」というふたつのZINEを創りました。
Q.具体的に、どのようなテーマやメッセージを伝えたかったのですか?
A.「findings」はどこにでもあるような映え写真に価値があるのではなく、その人が「いい!」と感じる感性そのものがすばらしいのだと伝わってほしくて。
調べてみると、「感性」とは何かを見たり聞いたりしたときに心に湧き上がる感情を指すそうですが、まさにその瞬間やその感情の動きが財産なんだと伝えたい気持ちがあります。
飲食展は、売り物としての「飲食」以外の面に光を当てたかったのだと思います。食べるだけなら他にもいろいろあるんだけど、なぜ人は店に行くのかとか、そこに何があると繰り返し行くのかとか、そのケースは個別で千差万別だとか、自分が客側と店側の両方から得てきた考察をまとめたかったというのがあります。
Q.他のZINEやクリエイターの作品から受けた影響についても教えてください。
A. 影響を受けたものはたくさんあります。言葉ではあらわせない膨大な蓄積はどの人にも同じようにあると思いますが、世界観をしっかり伝えている紙モノという点では
などは強く印象に残っています。
自分自身、活動の目的として「合う人に出会って応援し合える関係をつくりたい」というのがあるので、世界観というと大袈裟ですが、何をみてどう捉える人なのかというところを示せれば、これから出会う人に向けても、理解を助ける材料になると考えました。
2. どう考えたのか
Q.ZINEのテーマはどのように設定しましたか?
A.普段から疑問に感じていることや考えていることはあるのですが、1冊の作品にするのに耐えうると思えたテーマを選びました。
耐えうるかどうかというのは実際のところわからないのですが、読んだ人に
「制作者がそのテーマを本人の問いや課題として、ある程度まとまった量を考えてきた」と感じてもらえるかどうか
については熟考しました。
自分の視点で言い換えると自分がそれをやる意味があると自分で思えるかどうか。だと思います。
もうひとつ、売り物としてどうか?というのも大事なポイントでした。
「自分ならほしい」というのとはすこし違って「他人にお金を払ってもらえる」かどうかもかなり考えました。
たとえば「findings」に関しては、スマートフォンの画面を撮ったものを集めた作品というのが調べても出てきませんでした。(日本語と英語での検索では)いま市場にないというのは、需要がないという見方もできるが、同時にやってみる価値があるとも言える。他にないのなら、ほしい人にとってはお金を払う理由になります。そんな感じで考えました。
「飲食展」は、アイディアが浮かんだ当初はコロナ禍で、お店を応援するような内容のものをイメージしていたんですが、今の自分だとこういう感じになるのか、というものができあがりました。笑
自分が働き手として見てきた現場のリアルが基盤にありつつも、過去にどこかでしてきた素朴だけど手触りのある体験が根本にあることで、毎日いろいろあるけど今も楽しく働けている。そういうところにも気がつくことができてよかったです。
テーマの設定は理屈よりも感情が大事だと思います。掘り下げる作業はそれなりに辛抱が要るので、そのしんどさと対峙するのには理屈の強さよりモチベーションの強さが役に立つと思うからです。
Q.ZINEの内容構成については、どのように考えましたか?
A.どちらも短いものなので、構成に複雑さはありません。ただ、両方とも冒頭にステートメントを入れることだけは決めていました。
あとは進めながら決めていった感じです。
Q.ビジュアルやデザインについては、どのように決定しましたか?
A.デザインに精通しているわけではないので、知識がないことが簡略化につながりました。使い慣れたCanvaで、素人だからこそ、シンプルなデザインを心がけました。
3. 何から始めたのか
Q.最初に着手したのは?
A.まず、ざっくりコンセプト決めを行いました。イベント参加を決めたのが6月10日くらい。会期は7月12日からなので準備期間はちょうど1ヶ月です。
紙にざっと創りたいもののイメージを書き、それからZINEとはそもそも何なのか?形や例を調べて、取り組むテーマに対して適切なのは、小冊子なのかペライチなのか考えたり、製本についても少し調べました。
Q.素材とツールの準備について教えてください
A. 写真も文章も、日常的に撮ったり書いたりしてきたので素材自体に困ることはありませんでした。写真の選定はGoogleフォトやカメラロールから、調整はLightroomで行いました。
文章もはこれまで記録してきたものから膨らませて。
英訳はChatGPTを使用。
Q.初めてのドラフト作成はどのように進めましたか?
A.まず写真をCanvaのテンプレートに当てはめていき、大枠を作りました。
findingsは、膨大な素材から実際に使う写真と言葉のピックアップ、
飲食展のほうは、写真と文章のバランスを先に決め、写真はコラージュ風にしてエッセイは3本に絞りました。同時進行で手が動くところから進め、悩む時間を減らしました。
4. メインの作業
Q.文章の執筆と編集について具体的に教えてください。
A.文字数を見ながら書けるので、noteの記事執筆画面で下書きをしました。
両方とも、全体の7割程度、レイアウトや執筆の作業を7割ほど終えたところで編集後記を書きました。細かい編集はその後何度も行いました。
Q.デザインとレイアウトの仕上げはどのように行いましたか?
A.仮レイアウトを組んだあと、デザイン的にも、市場を広げる意味でも英訳を併記したかったので、ChatGPTを利用して翻訳しました。それからコンビニで試し刷りを行い、ビジュアルをチェック。
当初は各10部ほどをコンビニプリントで仕上げる予定で、仕上がりも悪くはなかったのですが、写真が核となるZINEなのでクオリティアップのためにプロに頼むことにしました。
Q.印刷と製本のプロセスについて教えてください。
自転車で通りかかって見つけた「京都こぴい」さんという印刷会社に問い合わせ。メールでやりとりしながら、わからないことは都度教えていただき、最終的には依頼を決めました。流れはこんな感じ。
締め切りギリギリだったので、引き取ったその足で街のカフェに入り綴じ作業を行い、そのまま書店さんに納品しました。
(今回は綴じ作業を自分で行い、費用を抑えました)
作業タイムラプスはこちら。
5. 最後に
Q.ZINE制作を通じて学んだことや得たスキル、制作過程での課題について教えてください。
A.改めて学んだことは、「どれだけ考えても、やってみてどの程度のものが仕上がるか予測するのは難しい」ということ。経験がないからです。
ただ、思うようにいかなかったとしても、そこからの学びは必ずあるという価値観がトライのモチベーションになりました。
得たスキルは、あえていうなら「セレクト」でしょうか。
写真も文章もすでにストック自体はありましたが、それらを企画に合わせて選び、絞り、組み合わせ、まとめるというプロセスを一手に引き受けて形にできたという経験は他のことにも役に立つので、実践を続けたいです。
課題は、今回英訳のためにChatGPTに課金をしたのですが、Chat GPTは英訳だけでなくさまざまなタスクをこなすようなので、どんどん使ってAIに関する知識を得ていくことです。
Q.最後に、これからZINEを制作しようとする読者へのメッセージをお願いします
A.今回制作のきっかけをもらったイベントには、想像以上に多様な作品が並んでいました。正解がないからこそ自由に取り組めると思うし、自分の温めてきた問いやテーマがある人、すでに素材を持っている人は、その表現の文脈を設定して企画書だけでも創ってみてはいかがでしょうか。
今回の記事では、自身が取り組んだZINE制作について、インタビュー形式で体験をシェアしました。
お読みいただきありがとうございます。
私が棚主としてお世話になっているこもれび書店さんのサイトはこちら。
私個人の活動はこちらにまとめています。
制作したZINE、もし欲しいという方がいらっしゃれば各SNSのDMでご連絡ください。その他お問い合わせもDMにて。
よろしくお願いいたします。
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