【あの鈴の音とは】 大河ドラマ 「鎌倉殿の13人」 第25話
のっけから「頼朝に、死が迫っている」の予告から始まるとか、盛大なオチバレ回でありました。
人は死ぬ時に走馬灯のように自分の人生を振り返ると言いますが、それを思わせるほど、主要人物全員集合な回でもありました。
特に北條一族なんて、今まであまり出てこなかった娘婿や、お孫ちゃんまで登場です。でも、団欒もこれが最後。ここから先は、丸餅丸めている暇なんてありません。
なんなら、丸餅を丸くするスキルを磨く暇があったら、寝首をかくスキルを磨いた方がいいことになりそうな気がします。
これまで、人を信じる力が強い人からどんどん退場していったけれど、今回は人を信じられない人が退場するのかと思ったら、最後の最後で、「甘んじて受け入れようではないか。受け入れた上で、好きに生きる」なんて言っちゃうから、お迎えがきてしまうのです。#こんな解釈する私の根性が一番ひん曲がってる
佐殿とちゃんと心を寄り添わせていた藤九郎が、最後にちゃんと労われて良かった。
女好きで、疑心暗鬼で、妙なこだわりがある、ものすごく多面的な頼朝像が最後の最後まで貫かれていて、良かった。
巴ちゃんが幸せそうで本当に良かった。
落馬は直接の原因ではないようだけれど、死因が何であってもおかしくない描き方で、それはとてもリアルだった。
史実的にも色々な解釈がある事柄が、まんま色々な解釈ができる演出になっていた。
サリエリ景時へのこの言葉が、どうにもこうにも引っかかる。本作での生真面目で、ある種潔癖で融通が効かない景時は、これをどう消化するのだろう。
さて、あの方が急に亡くなった後、北条はどうなるのか。流れを作る主体は、女性たちに移っていくはず。
そこが今までの大河と違うところな気がします。
これまでの大河で、女性が脚光を浴びるのは、女性主人公のお話(直虎、八重の桜、篤姫、等々)だったけれど、今回の主人公は男性です。でも、主人公以上に女性が暗躍するお話になりそうな気がします。考えすぎかな。それは、年末の振り返りのお楽しみ。
三浦の暗躍をつつじちゃんの件で示しつつ、比奈ちゃんは姫であることもさらっと入れつつ、でもでも一番気になるのは…
義時だけに鈴の音が聞こえなかったこと。
政子とオーベルシュタイン大江以外は粛清されていく人々の耳に鈴の音が聞こえていたようだけれど、それは即ち、心が真っ直ぐな人たちにしか聞こえなかったと言うことかしら。だとしたら、北条一族には聞こえなくて当たり前とも言えるのか?
明日も良い日に。