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1年経っても渡れない橋

 泥棒猫です。

 noteを始めたきっかけ。

 それは1年前の今日、デート中に車で追跡されこの先の修羅場を思うと記録しておかなければ、と思ったから。

 ブログを一度もしたことがなく、どこで始めたらいいかと検索していて、たまたまnoteを見つけた。私でも始められそうなシンプルな機能だったし。

 結果、正解だった。

 本当にnoteで良かった。

 自分の名前はすぐ決まった。「泥棒猫」だ。というより、「泥棒猫」という名前でブログを始めよう、って思い立ったのが先だった。

 名前=書くテーマ。

 1年、noteを続けられたのは名前とテーマがあったからだわ。


 あの時追跡したのは彼の奥さんだと思っていたけど、実は彼の元カノで、それから奥さんに怪文書を送られてバラされ、本当にいろいろあったのに私はまだ彼といる。

 あんなに怖い目に遭ったのに。危険なことに巻き込んだ彼のことを今も好きでいる。彼の愛しき共犯者でいつづける。この先も。


 あの日、恐怖で膝が震えてそれでも必死で運転して逃げた橋を渡るルート。1年経った今でも私はあのルートを避けて暮らしている。いや、一度通ったかな。昼間だった。記憶がフラッシュバックして、やっぱりもう通るのはよそうと思った。特に橋を渡る時、また少し膝が震えた。夜はライトがとても綺麗で、未来チックで、滑走路みたいで、あの橋はかつては大好きだったな。

 いつも彼を降ろして、自分のうちまで帰るとき。あの橋のあたりで「今日も会えて嬉しかったよ。安全運転で気をつけて帰ってね。」と、さっき別れたばかりの彼からメッセージが届くの。彼も私が家に着くまでゆっくり歩いて、同時ぐらいに帰宅するよう調整してた。私が「ただいま」ってメッセージを入れたら、「俺も今、帰ったよ」って。それが毎回だから、どうしてか聞いたらそう話してくれた。


 あれから1年経ったんだから、とも思うけど私はまだあの橋を渡るつもりはない。

 渡れない。

 平気で渡れるようになったら、それは彼と離れて彼のことを忘れてしまう時だろう。

 橋なんて渡れなくてもいいから、今はそんな日が永遠に来なくていいって思っている。


 1年前の今日、1年後にこんな風に考えてるなんて想像もできなかったよ。あの橋が、私の中で恐怖の象徴になるなんて。ね。そしてあの頃よりもっともっと彼のことが好きだなんてね。

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泥棒猫/ing ing ing
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