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耳鳴り潰し238(アナ雪2のダム、奇跡の軌跡、幼く高い声)

 また「アナ雪2」を観ていた。同じところで子どもたちが笑う。私は別のことを考えている。しかし目の前の映画には関連したことだ。その辺りの思考法についてはこちらを参照。

退屈を価値に変えるライフハック ストレスを減らし、日常を楽しむ思考法:

 今回の場合は「つまらない映画」ではなく、「繰り返し観ることになってしまった映画」の場合だが。

 アナたちの祖父が建設したダムについて考えていた。森の精霊たちの力を弱める目的で作られたダムは、かなり大がかりなものであり、相当の時間と労力と資材が投入されているように見えた。電気やガスが通っている世界観でもないのに、よくここまでのものが、と思えるくらいに。

 ダム建設の背景を調べてみると、ノーサルドラのモデルとなった少数民族、サーミの元で実際に建設されたダムがモデルとなっているようだった。

 ファンタジーの中で異様な存在感を放つダムには、現実からの影響があったわけだ。

 そんなわけで今週のメンバーシップ様向けの記事には、5年前、娘と映画館に「アナ雪2」を観に行った時のことを書いた「Into the Unknown」を追加。5年前の子どもたちの様子を読むことができた。

 そして「青春小説集」に「軌跡の地球」追加。「アクターダーク」を書くつもりが、先日の懇談からの流れのいろいろを、掌編小説にまとめた形となる。

 私を形作っているのは、これまで経験してきた出来事、誰かと交わした会話、読んできた本、観てきた映画、誰かと過ごした時間、などだ。それらの軌跡は何気ない日常の積み重ねのようでありながら、実はどの出会いも、どの瞬間も、奇跡のようなものだったのだと、今では思う。あの時の何気ない会話で始まった交流がなければ、その後の友情は築かれなかった、あの時観た映画の何気ない台詞が、自分の一生に影響を与え続けている、ということがしばしばある。息子も私と同じように、女の子たちとよく遊んでいる。この記憶が一生の宝物となるなんて、今では想像できないに違いない。からかったり冷やかしたりせず、私はそっと見守ることにする。

「言ってて悲しくならないの?」と娘が言う。
「過去は変えられない。だけど記憶を書き換えることはできる」と私は主張する。
 前述の1兆分の1やら、記憶を書き換えようという話などを娘に語っていた。
「認めたら? 自分には青春時代はなかったってことを」

山下チンイツ「青春小説集」内「軌跡の地球」より

 息子と人形を使ったごっこ遊びをする。息子が手にするのはプチブロックシリーズを集めて作った「僕の考えた最強のロボット」である。バレンタインのチョコを何万個も貰っている。そのロボットに対して、モテない人形たちが教えを乞う、という形でごっこが進む。

 ロゼゴクウブラックが来て以来、格付けが一段落ちたジードやベリアルを操りながら、私はモテない悩みを打ち明けていく。

「僕は勉強も運動も苦手で、背も小さくて、女の子と話せる自信がないんです」
「まずは勉強を頑張ってみましょう」とロボットは答える。

「僕は苦手なこととかないんですけど、昔から女の子と接する機会がなくて、女の子の前に出るとうまく話せなくなるんです」
「モテたいとか、女の子の前でいい格好したい、とか考えると逆に引かれるよ」

 それらの回答を聞きながら、新たなkindle書籍のアイデアをいただいた気にもなる。自然に女性と接することのできる人をAIに演じてもらい、それに悩みをぶつけての回答集などを……。

 私が「優しさ」を強調しようとすると、モテたことのないパパは黙っておいて、といった反応が返ってくる。その通りだ。

 娘の携帯のメモリがいっぱいになっていたので、昔撮った動画のいらないものなどを整理する。その際に一、二年前の子どもたちの動画を観ると、今とは声の高さが違うことに気が付く。笛も小さい方が音が高いように、成長するにつれ声帯が太くなる、声が低くなる、ということだろう。幼い声色に戻ることはない。そういえば息子は最近時々自分のことを「けんちゃん」ではなく「僕」と言うことがある。寂しさもある。

 今日の一枚「宇宙ガニ」

宇宙ガニとは、宇宙にいるカニのことです。


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泥辺五郎
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