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耳鳴り潰し225(ニューシネマパラノイア、トゲトゲゴムボール、神と黒蟹県)

 青春小説集に「ニュー・シネマ・パラノイア」追加。
 昨日ここで書いた映画論から映画館デートにまで持っていくまでの話。「*」などを使わないことで、日常と虚構を地続きにしていく試み。

 最近映画をよく観るようになって、昔の映画渉猟期を思い出している。父がレンタルビデオ屋で様々な名作を借りてくれていた時期、深夜に放送されていたマイナーな映画を録画して観ていた時期、図書館のLD(レーザーディスク)視聴コーナーに通っていた時期など。しかし映像メディア自体から長く離れる時期も多かった。

 昨日やっていた、トゲトゲゴムボールでのキャッチボールを、息子は帰宅後すぐにやりたがった。その前に自分から宿題に取り掛かっていた。昨日は「ドッジボールの練習として」と言っていたが、この日の体育の授業で隣のクラスとドッジボール対決をしたようだ。隣のクラスに強い子が多く、思いっきり投げてくる子がいたので、ドッジボールを嫌いになってしまったそうだ。娘と同じ道を辿っている。


 しかし家で使っているゴムボールは当たっても痛くない。その後妻と娘を交えて、家の端から端までをめいっぱい使ってのキャッチボールが始まる。娘が見当違いの方向へボールを投げる。息子がしっかりとした勢いで正確に私の元へ投げてくる。何も壊れず、誰も怪我もしなかった。

 息子のクラスで体調不良者が相次いだそうで、頭痛が酷くてその後吐いた子、具合が悪くて早退した子がいたという。いろいろ流行っているそうだ。キャッチボール後に私もかなり限界が来ていたが、あまり表には出さなかった。

 絲山秋子「神と黒蟹県」を読み始めた。そういえば上記「ニュー・シネマ・パラノイア」の後半にも蟹を出した。一時、絲山秋子作品を集中的に読み漁った。一年くらい前の話だったかなと読書メーターを見てみたら二年前のことだった。時間の感覚が一年程ずれているのか。学生時代はいつでも五、六年前の感覚なので、こちらは数十年ずれている。

雉倉さんは「ここは串カツが旨い」と言いながらカレーを注文した。凡がわかめそばを頼むと「そんなんで大丈夫なのか」と少し悲しそうな顔をした。

絲山秋子「神と黒蟹県」収録の「黒蟹営業所」より

 こういう箇所を読むと、ああ、絲山秋子作品を読んでいるのだ、と実感する。

 今日の一枚「ありえない量の宿題をこなす小学生」


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泥辺五郎
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