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私の辞書にミント色はない

最近私は、写真を撮りたい欲に駆られています。今までの人生で初めての衝動なので、どう対処したらいいのか分からないでいます。もともと写真を撮ることも、写ることもあまり好きな方ではなかったのに何故急にそうなってしまったのでしょうか。

最近の自分の生活を振り返ってみたら、どうやら二つのきっかけがあったことに気がつきました。

一つはこの本を読んだことです。

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私はライターでもなんでもないのですが、noteをやっていることだし、素敵な文章が書けるようになりたいと思っていました。
そこで、仕事帰りに数日に渡り、駅前の本屋さんでこの本をちょこちょこ立ち読みをしていたのですが、500ページ近くもびっしりと字が書いてある本なので、なかなか進まないうえに、数日間毎日のように同じ本を立ち読みしているので店員さんの目も気になっていました。
それに、ある日に至っては、本屋さんに到着したのが閉店間際だったようで、ちょうど本に集中し始めたあたりで「早く帰ってくださいと」電気を消されてしまいました。

そんなこともあり、これはちゃんと買って読まねばならないと思い、次の日に購入しました。

そして私はライターという仕事の大変さと、文章を書くことの難しさと、取材の大切さを学びました。(もちろん学んだことは他にもたくさんあります)
その上で、今自分にできることはなんなのか。そう思った時に私が出した答えは、当たり前に過ごしてしまっていた時間を意識して過ごすということでした。

たとえば、家から職場までの道のりをボーッと歩くのではなく、何か面白いことはないか、自分の心を動かすものはないかと、目を光らせておくということです。
そして、それを見つける事ができた時は、それが自分の心をどう動かしたのかという事を、さらっとやり過ごしてしまうのではなくて、ちゃんと記憶に留めておきたい。

そう思った私は、その一瞬一瞬を忘れないように写真に撮っておこうと思ったのです。

これが一つ。


そしてもう一つは、先日の休みの日の朝にシャワーを浴びて、そのままお風呂掃除をしようと思った時のことです。

我が家は、お風呂掃除の時に使う洗剤が浴室ではなく、脱衣所に置いてあるのですが、それを取るためにわざわざ体を拭くのが面倒だったので、近くにいた五歳の娘にとってもらおうとしました。

「その青いボトル取ってくんない」と私が言うと、娘は「えっ、どれ?青いボトルなんてないよ」と言ってきました。私は「その緑っぽいやつだよ」、娘は「え、緑なんてないよ」と、まるで噛み合いません。「だから、その青と緑が混ざったみたいなやつだよ」と私が言うと、娘は「ねぇ、これはミント色って言うんだよ」と的確な指摘をしてきました。

「なんと素晴らしい表現力」と娘に感心するのと同時に、普段から仕事でミントに触れていながら、ミント色という言葉がこれっぽちも浮かばない私は、やはり日常に対してすごく無意識に過ごしてしまっていたんだろうと思い知らされました。

どうやら、私のまぶたのシャッターは開きっぱなしのようです。

そんなこともあり、無意識に過ごしてしまっていた日常の一部を切りとって、そこに意味が見出せたら素敵だなと思いはじめ、まずは写真でも撮ってみよう思ったのです。


これが二つ目です。


そんなこんなで写真を撮りたい欲に駆られてはいるものの、気持ちだけが先行型の私はまだ全然写真が撮れていません。

なので、とにかくまずは行動だと思い家にあるもので写真を撮ってみました。


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この写真を撮った瞬間、私の心が動きました。

「いったい何をやっているんだろう」と。



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