鹿島学園 春季茨城大会2024全データ
鹿島学園=中根
投打の大黒柱、中根健太郎を擁する鹿島学園。不動の4番中根がチーム打点のほぼ半分を稼ぎ、投げても2度の先発で安定した結果を残した。
打っては高校通算17発を誇る左スラッガー、投手として最速143kmを計測するドラフト候補の左腕だ。
春季高校野球茨城大会準優勝
今大会決勝は、ライバル常総学院に迫った。昨秋と同一カードの決勝戦、鹿島学園は大差負けからのリベンジマッチになる。
惜しくもあと一歩のところで及ばなかったが、秋から確実に成長できたことを大一番で証明してみせた。
今まで同様「中根のワンマンチーム」に変わりはないものの、チーム全体の底上げに成功した点はかなり大きい。
鹿島学園戦績(全5試合)
決勝戦● 3-4 常総学院
準決勝◯ 9-1 水戸一(7回コールド)
準々決勝◯ 3-1 土浦日大
3回戦◯ 8-3 守谷
2回戦◯ 7-0 取手松陽(7回コールド)
鹿島学園チーム成績
一目瞭然で打のチームではないが、鉄壁守備という訳でもない。
茨城大会では好機での小技と足攻を絡めた得点シーン、あるいは頼れる主砲中根に回す形で得点に結びつけている。
チーム盗塁数は常総学院の15を抜いて茨城トップ。常総学院も1・2番コンビを中心によく走りまくったが、鹿島学園は1~5番までが走っている。
関東大会に向けて
ちなみに
機動破壊の健大高崎が群馬大会で決めた盗塁数は11。健大高崎も鹿島学園と同じ5戦だ。
この調子で鹿島学園が関東大会を勝ち進み、健大高崎戦でバンバン盗塁を決めれば、逆に相当なチームアピールになる。
近年の健大高崎は、世間が言うほど実は走っていない。特に今年の場合は打力のチームなので積極的に足攻を使う必要はない、でも走ろうと思えばいつでも走れる。これが健大高崎野球の神髄だ。
ハナから機動破壊の野球を目指していたのではなく、将来を見据えた戦術として兎に角インパクトが出せる走力に磨きをかけた。そして効果は時を経て覿面。
健大高崎=機動破壊は今や全国区、塁に出たら「必ずやってくる」イメージを植え付けている。走っても走らなくても、相手チームが勝手にそう思い込む。
こんな立派な武器はない。何もしない強力な武器、それを手に入れたのが今の健大高崎だ。使い方も狡猾なまでに熟知している。
先のセンバツでは、敢えて4番の箱山を走らせる機会が2度あった。
結果は2度とも失敗に終わったが、大会を通してチーム全体で盗塁を試みたケースは3回。成功したのは足に自身がある佐々木貫汰だ。
相手チームからすれば佐々木の盗塁は想定内で、決して普段からガンガン走ってくるタイプではない箱山はノーマークになる。
なら安打を多く放っている出塁率の高い箱山に走らせよう、という使い方が何もしない強力な武器によって繰り出せる。
健大高崎がセンバツで記録した盗塁数は、佐々木のたった「1回」のみ。
まったく機動破壊ではないが、これも健大だから成し得る応用版機動破壊だ。またの名を印象操作とも言う。
つまるところ鹿島学園は、やっと脂が乗り始めた健大高崎の知名度を利用しない手はない。両校とも関東大会を順調に勝ち進めば、決勝で激突する。
健大のお株を取るには最高すぎる舞台だ。昨秋のリベンジマッチが決勝とあれば、ただでさえ関心は高まる。
健大高崎が敢えて足攻を使ってこない今、先手必勝で鹿島学園がバンバン盗塁を決めれば、試合の行方もかなり面白い。
聞こえは悪いが、逆売名行為でチャンスを掴むチャンスだ。
実は
昨秋の関東大会では、のちにセンバツ王者となる健大高崎と接戦を演じている鹿島学園。健大優勢の下馬評フラッグが大半を占めたなかでの接戦だった。
健大注目のダブルエース、石垣元気を相手に8安打5得点と打ち込んだ。
主砲中根は無安打に抑えられるも、主軸に座る鳥羽山樹己と下級生スタメンの井上心大は共に2安打ずつ放っている。
結局最後は佐藤龍月に三振の山を築かれ惜敗したが、当時リードオフマンを担った原研徳が唯一の安打と気を吐いている。
注目は投手中根を擁するクリーンナップ
成長の観点で言えば、やはり投手中根、今大会は交互に出場する形で5番を務めた鳥羽山と井上、3番打者として定着した原の4人に注目だ。
鍵は代打の切り札「3人衆」
キーマンは2年生左打者の田野球司朗。準決勝の水戸一戦で、満塁から走者一掃のタイムリー3ベースを放っている。
鹿島学園は中根以外の長打が滅法少ないだけに、田野の存在は貴重だ。しかも田野はこの試合サードの守備でも光るものを見せ、ポテンシャルの高さを伺わせている。
この田野にしろ鳥羽山にしろ井上にしても、今大会はレギュラーに定着していない。関東大会は代打の切り札として、この3人衆からの魔物発動チャンスが必ずあるぞ。
チャンスをモノにできるかは、また別の話だ。
春季茨城大会2024投手成績
エース東原大和(2年)MAX138km右腕
中根健太郎 MAX143km左腕
須藤仁 MAX132km左腕
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