台北ヴィーガンぶらり旅①台湾は本当にヴィーガン天国なのか実際に行って確かめてみた。
台湾におけるベジタリアン・ヴィーガンの割合は、全人口の13%前後(推定330万人)で、インドに次いで世界で2番目に多いと言われています(台湾留学センターーwebsite より)。わたしも「台湾はヴィーガン天国だよ」という噂を前々から聞いていて気になっていたところ、台北在住のヴィーガン活動家の友人が案内してくれることに! 台湾ヴィーガン事情をリサーチしに、いざ、台北へ足を運んできました。
(文責 深沢レナ)
出国〜到着
7月9日。朝6時過ぎに家をでて成田空港へ向かいます。
第3ターミナルって成田空港の駅から結構遠いこといつも忘れてしまってギリギリに到着してしまうんですよね。でも無事に間に合って9時過ぎにジェットスターへ搭乗。
先月から家のWiFiが壊れてレンタルのポケットWiFiを持っていたので、台湾でもこれ使えばいいやと持ってきてたんですが、調べたら、ポケファイは海外用のじゃないと使えないんですね。といっても、空港でSIMカード買えばいいだけなので特に困らない現代。大学生のとき(10年以上前)とかは海外旅行の度に迷子になってWiFiエリアを必死に探していましたが、今ではどの国に行くにしてもSIMカードさえ買えばネット事情に困らなくなったので、格段に海外旅行しやすくなったなぁと思います。
台北メインステーションへ
11時過ぎ(台湾は時差がマイナス1時間)に予定よりも三十分早く到着。あっという間です。
現地に降り立つと、沖縄より南ということもあり、やっぱり湿度が高い!
入国審査をすませ、荷物を受け取り、空港の銀行で現金を両替し、SIMカードを買います。
ふらふらしてたらタクシーのおじちゃんが声をかけてきたけど、台北市内までだと5000円ほどかかると言われたので、やっぱ電車で行く、といったら、あっちだよ、とMRTの方向を教えてくれます。
電車だと運賃は150元。入場切符(コイン)を買います。かわいいー
プラットホームのこと「月台」って書くんだね。
構内は清掃が行き届いていてとてもきれいです。
車内もきれい。
近代的な建築物の景色がつづきます。
数十分で台北車站駅(メインステーション)へ着きましたが、とにかく広いのでわけがわかりません。近くの売店の店員さんにホステルへの行き方を尋ねます。
地上へ向かう途中で、"VEGETARIAN BURGER"の文字を発見! 昼飯用にバーガーを買います。新しいお店だそうです。
なんとか地上へ脱出〜! ホステルへと向かいます。しかし日差しが殺人的にやばい。
ホステル〜カフェVEGAN AMORE蔬慕
友人のモナはすでにホステルについていました。モナ(龍緣之さん)は、台湾出身の哲学者であり、各国で潜入調査などもしてきたバリバリのアクティビストです。あとでインタビューも掲載予定だよ。
モナに「迷わずこれた?」と聞かれ、「めっちゃ迷ったー!」というと、台北メインステーションは広すぎて使いづらいから後で違う駅を教えるね、とのこと。
チェックインを済ませて、むしゃむしゃバーガーに食らいついていると、モナが「お腹減ったでしょ」とウェルカムお菓子をくれました。
あ、やべ。おみやげ買ってくんの忘れた・・・。わたしいつも旅行するとき出発間際バタバタしててお土産買い忘れるんだよね。仕方がないので、機内食用に持っていたマクロビ派ビスケット(食べかけ)をプレゼントしました(ごめん)。
ホステルのすぐ近くのモールにおいしいヴィーガンカフェがあるからよかったら行こう! というモナの提案で、二人で向かいます。
「台北駅周辺にはホームレスの人も結構いるの?」と聞くと、多いとのこと。また最近では海外から働きにくる人も多いけれども、彼らは劣悪な労働環境を強いられていて社会問題になっているんだって。日本の技能実習生と似た問題だろうか。
モールに向かいながら、「彼氏と別れたばっかなんだよね」「どうして別れたの?」「皿洗わない奴だったんだよね」・・・など話してると、あっという間に3階のヴィーガンカフェ蔬慕に到着です。
メニューは若干台湾風のモダンなカフェという感じ。パスタとかバーガーもあって、どれも美味しそうです。
台湾のソイミートは、日本のソイミートとはちょっと歯応えが違うんだって。そんなことを聞いたら試さずにはいられません。唐揚げっぽいソイミート料理を頼みます。
ピーナツバターのようなマイルドなソースがかかっていて、揚げソイミートとの相性抜群です。
このお店は若干いいお値段でしたが、ヴィーガンの食費は日本と似た感じだそうです。やっぱり完全ヴィーガンのお店にいくと他のお店よりはちょっと高い。でも台湾の場合は普通のお店にもヴィーガン用のオプションがあるので、その便利さは違うといいます。
スイーツもいろいろあって迷ったけどティラミスに!
アイスのようにみえるけどアイスではないよ。甘すぎず上品な味わいでした。
のんびりおしゃべりしてたら、突然、轟が!! 「・・え、地震!?」と思ったら雷だそうです。この時期は雨季で、ほぼ毎日スコールがあるらしい。でもすぐ止むって。ただし傘は持ち歩いていた方が無難です。
台湾の#MeToo事情
次のお目当てへ向かうため、お店を出て、台北メインステーション駅へ行きます。
モナに通訳してもらい、72時間使えるカードをゲット。ただしチャージはできません。
ガムを噛もうと口に入れた瞬間、モナに慌てて止められました。電車内や駅構内は飲食禁止とのこと・・・! そういわれてみれば至る所に飲食禁止のマークがある! しかも罰金7500台湾ドル(≒約35000円)ってやばくない!? 危なかった・・・!
台湾のメトロは、トイレも改札内外にあるし、充電できるところも多いし、とてもきれいです。トイレには全然困らないですみそう。
國父紀念館駅へと到着。出口へと歩いていると、野球のスタジアム(台湾ドーム)が見えます。モナによると、台湾では政治界で#MeTooが相次ぎ、昨年にはスポーツ界でも野球の女性審判が過去に他の審判から性暴力を受けたことを告発したそうです。
実はモナもセクハラの被害者。わたしと同様、大学院で指導教員からセクハラを受け、その後、実名で告発をしています。
*モナによる告発文の原文はこちらから読めます。
でも、メディアはインタビューにもきてくれなかったって。「ショックじゃなかった?」と聞いたら、「はじめから期待してなかった」って。そこはまだ日本の方がマシかなぁ・・・。
わたしが「性暴力の被害者です」という話をすると、今まで、本当に驚くほど多くの女性が「実はわたしも…」と語り出すのを聞いてきました。どれほど多くの女性が性暴力のせいで力を削がれているのだろう、と思うとやりきれなくなります。
本屋さん(松山文創園区)のヴィーガン事情
駅から少し歩き、このあたりで一番大きい本屋さんの入っている松山文創園区という施設へ。もともと倉庫だった場所のリノベーションだそうです。
ヴィーガンのレシピ本がたくさんあったよ!
台湾の本は単行本でもビニールで包装してあるものが多いです。湿気が高いからだって。パラパラ読めるものもあったよ。
動物倫理系の本もそれなりにありました。
日本語学習本や日本観光ガイドがたくさん置いてあってびっくり。英語や中国語の本より全然多いです。
モナによると「今では台湾を旅行するよりも、日本に旅行したほうが安いから人気だよ」とのこと。日本政府観光局の調査だと5人に1人の台湾人が日本を訪れている計算になるそうです。
「台湾は親日」というのはよく聞くけど、日本は植民していたという過去を考えると、喜んでいいのかよくわからない居心地の悪さも同時に感じます。台湾統治時代、日本は言語政策にも介入して、日本語を「国語」として強制したので、「日本語世代」といわれる層が生まれました。歴史をテーマにした台湾映画を見ていると、急に日本語が使われたりするシーンがあったりしてびっくりすることがありますが、そういう過去も日本に住んでいると学ばずにすんでしまうよなぁ(*この辺の事情は内田樹さんの『街場の中国論』が参考になります)。
モナの本置いてるかな、と2人でうろうろ。「社会運動は一番人気ないトピックだから、きっとわかりづらいところにあるよ」とモナ。社会運動が人気ないのは日本と変わらないのね。
店員さんに聞き、モナの本が社会トレンドの棚にあるのを発見。
モナの本は、まだ原文(中文)しか出てないんだけど、英語でレビューが読めます。『動物のユートピアをさがして』。ぜひ英語でも日本語でも翻訳が出てほしい!
同じ棚にあった、この雑誌はすごくいい雑誌だって。
フェミニズムの本はあるかな、とぶらぶらしていたら、特設コーナーがありました。「厭女」とはミソジニーのことらしいです。
上野千鶴子は台湾でも大人気。
レベッカ・ソルニットも。
入門書のなかには、学校におけるセクハラについて解説してる本もありました。
カフェ 植日生手作蔬食
本屋を出ると、もう空が暗くなっています。次のお店へ夕飯を食べに、また歩きます。
お目当てのお店、植日生手作蔬食に到着! こじんまりとしたかわいいお店です。
腹が減ったのでがっつり食べようと、わたしは串焼き、スクランブルエッグ、炙り野菜を頼みます。シェアでたこ焼きも! もちろん全部ヴィーガンです。
モナが頼んだのは、ヴィーガンチャーシュー丼。「台北で一番おいしいヴィーガンチャーシュー丼だよ」と聞いて、一口もらったら、確かにチーズと一緒に炙ってあってめっちゃくちゃおいしかった!
目玉焼きもヴィーガンだよ。
ゴマプリンのように見えるが、たしかゴマではなかったはずだが、なんだったか忘れてしまったプリン。
全品美味、雰囲気もまったりで、大満足のカフェごはんでした。
初日の台湾を終えて・・・
帰りは南京三民駅から地下鉄に乗ります。
モナによると、台北メインステーション駅よりも、台北病院駅の方が小さくて使いやすいよ、とのこと。この後はずっと台北病院駅を利用し、迷子にならずにすみました。
台北病院駅につくと、性暴力撲滅の広告が。
このあとモナにコンビニを案内してもらって、コンビニでゲットできるヴィーガン飯情報を収集したのですが、長くなってしまったので別記事にまとめてあります。こちらも合わせてどうぞ。
そんな感じで、台湾ヴィーガン旅1日目を終えたばかりですが、すでに台湾のヴィーガンフレンドリーさに感動し「移住しようかな」という気が起こってきました。以前、大阪&京都にヴィーガングルメ旅に行った際も、ヴィーガン飯が充実しすぎてて、なかなか東京に帰れなくなる事件が勃発(*こちらの記事参照)したのですが、今回、わたしは無事に日本に帰って来れるのか・・・初日から不安が募るのでした。
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