
【映画】2021年に観た映画ベスト10【新旧無差別・簡易版】
メリークリスマス。先日の記事↓のように、今年観た映像作品は新旧ごった煮で130本くらい……今数えたら125本でした。
新しくは今年12月公開の古田新太が仮面ライダーに変身する映画から、古くは1949年の拳銃の腕はよいが撃たないと決めた男と引き金の軽い女の犯罪逃避行(『拳銃魔』、面白いッスよ)映画まで。さほどの量は観れてませんのでチャチャっと順位付けとコメントを添えました。まぁトップ10の作品ならば何かしら、どこかしらの凄さは感じていただけるのではないかと思います。
①リヴァイアサン(2012年 ドキュメンタリー)
深夜の遠洋漁船、網は無数の魚を孕んで上がり、漁師たちはザクザクと魚を切り不要部を捨てる。流れる血。小型カメラは時に海にブッ込まれ、レンズを渦巻く波、乱れる海が襲い、曇天に鳥が舞い、船の舳先と横腹が迫り来る。ここは地球の果てか。黙示録の光景はこれに似ているのかもしれない。圧倒の映像体験。
②落下の王国(2006年)
腕を折って入院した少女は、両足を折ったスタントマンの男と出会う。人生に絶望している男は少女に「おとぎ話」を語りはじめるのだが……。完成された映像と美術で語られるのは「物語の力」、それはすなわち「映画の力」でもある。こればかりは観てもらうしかない作品。
③八つ(2016年)
Amazonプライムで配信中。精神にヒビの入った女性の起床からの「家を出る」までのルーティンを、気の遠くなるほどに執拗に、しかし切実に描く「正しき」長回しムービー。これを面白いと書いてしまうのはちょっとアレな気がするくらい真面目な逸品です。弱っている時に観るとものすごくやられるので気をつけてください。
④ブルータル・ジャスティス
間延びしたような場面と冷めた暴力描写が格別。150分に粘り気とどんよりした空気で膨らんでいて、この長さに必然がある。
⑤復讐 運命の訪問者
遠くから撮られる暴力、時に理屈を越える場面や台詞。黒沢清と高橋洋のコンビも強いが、哀川翔がこれほどの役者とは思わなかった。
⑥ラルジャン
題名は「金」の意味。痩せ枯れた老人の達人芸の如き、何気なくやっているようでいて無駄がない、の極致。映画はおそろしいものだ。
⑦アオラレ
キレた危ないオッサンから、問題を抱えたシングルマザーが追われる恐怖譚。シンプルかつ現代的な味付け。エスカレートする暴力がコワイ。
⑧AWAKE
将棋盤を挟んでの男と男の勝負、巨大感情の物語。単純な強者対弱者の構図に落とし込まない脚本と考え込まれた演出構図の見事さたるや。
⑨Mank/マンク
名画『市民ケーン』裏話、実話ムービーに堕さない、モダンな手つきによる神話の解体と再構築が素晴らしい。痺れるほどに挑発的。
⑩歓待(2010)
「奇妙な同居生活」モノだがやって来るのが怪人と外人。するりと入りこまれ弱味を握られ家を乗っ取られる笑えぬ喜劇/笑える悲劇。怖い!
【次点のみなさん 順不同】
マリグナント 狂暴な悪夢:勢いとパワー!
ザ・ハント:お前ら! 仲良くしろ!
ホラーエクスプレス ゾンビ特急地獄行:爆破!地球!完!
ある脅迫:優れた映画は70分あればよい
あのこは貴族:階層を越えた女子の紐帯
swallow スワロウ:女はいつだって「呑み込んで」生きている
トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン:心療内科映画の最高峰。ラストで泣く
バクラウ 地図から消された村:俺たちを舐めるとこういうことになる
透明人間(2019年):アップグレードされた見えない恐怖はDVの暗喩でもある
Mr.ノーバディ:白人中年ファンタジーアクション。暴力は「ムカつく」で振るってヨシ!
羅小黒戦記:中国からやってきたモノスゴアニメ。かわいくカッコよく素敵で全方位◎
【私、脱いだらすごいんです賞】
『モータルコンバット』(2021年)
リュウ・カン(ルディ・リン)
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来年も、よい映画にめぐり遭えますように……それよりまず健康かな…………。
とりあえずのっけから、『スパイダーマン ノーウェイホーム』(1月7日公開)のネタバレは踏まないよう気をつけねばならないッスね。オモチャとかグッズとか、YouTubeのトップに出るオススメ動画とかが危険ですよ。みんなも「ジャン=クロード・ヴァンダムは出演していない」などのネタバレには気をつけて…………
●おわり●
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