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大人こそ赤ちゃんを見習おうという話
ことさんはよく泣く。
赤ちゃんはそれが仕事だものね。お腹が減ったとき、気持ち悪いとき、眠いとき、なんだか不快なとき、きっと泣かなくても良いときも、泣く。
よくよく考えてみると、これってすごいことなんじゃないか。自分の状態に集中して、助けが欲しいときにちゃんと助けを求められるというのは。
だんだん歳をとっていくと、ほとんどの人がそれを忘れてしまう。自分のこともほったらかしにしがちで、人の迷惑とかも考えちゃって、なかなか「助けて」って言わなくなる。言えなくなる。
だけど、大人だって、もっともっと言って良いんじゃないか。
私の大好きな海外ドラマで、嫌なことがあったときに登場人物がやることはただ一つ。人に話すことだ。我ら日本人のアイデンティティにはなかなか組み込まれていない速度で、人に話す。怖い顔した、いかにも何も語らなそうなおじさんも、すぐ人に話す。モヤモヤを打ち明けると、気分は軽くなって、心はしなやかになって、人は強くなれる。多分そうなのだ。
きっと、私たちだって同じだよね。不幸や悲しみは、分かち合うことで楽にできる。昔から伝わる諺めいた言葉の中にもちゃんとそうあるでしょう。
助けが欲しいときには、ちゃんと「助けて!」って言おう。泣き叫ぼう。
それは成長の証でもあるんだろうけど、できたことができなくなるのはやっぱり寂しいから、たまには自分に集中して、必要なら周りに伝えてね。赤ちゃんを見習って。
「助けて」
世界を変えるそんな一言を。