![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173703909/rectangle_large_type_2_5bb2b55aef15ba2acefbe03f8a8b4ac3.png?width=1200)
好き がダダ漏れ
先日、セッションライブを聴きに行った。
赤坂にあるライブハウス。
ここは何度か通っているのだが、お店がコンパクトなのもあって、演者とお客の距離が 超近い。
席に案内されると、推しであるドラマーは わずか 2m先に居る。
ドラムなので、音もデカい。
大きい、ではなく デカい。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173704816/picture_pc_f6fd0c182913fee4cd9d2d22bc827fc4.jpg?width=1200)
私の目の前で
笑顔を振りまきながら
ドンガラガッシャーン
なドラムを叩いた
私は楽器で言えば 断然 ピアニストを推す。ピアノが好きだから。
けれど唯一、この人だけはドラマーだ。
フュージョンバンド T-SQUAREのドラマー 坂東慧 さん。
フュージョン(jazz fusion、fusion)は、1960年代後半から1970年代初頭に発生した、ジャズを基調にロックやラテン音楽、時にはクラシック音楽などを融合させた音楽のジャンルである[3]。ジャズの派生ジャンルとされている
T-SQUARE。
車好きならこちら。
車やレース関連の映像に よく当てられるテーマ曲になっている。
吹奏楽好きなら こちら。
『OMENS OF LOVE』
『宝島』と並んで、吹奏楽の定番になりつつある一曲。
フュージョン、てジャンル、知らない人多いだろう。どこかで 聴いたことあるよ、な人がいてくれたら嬉しい。
私はT-SQUAREの 40年来のファン。
バンドは メンバーの入れ替わりをしながら 45年以上の活動を続けていて、 坂東さんは 2004年に加入した 現在 41歳。
ピアノ好きな私が ドラマーを推すことになったのか。
それは 坂東さんの作る曲に惹かれたから。
ドラマーでありながら、彼から生み出される曲は、ドラムメインな曲ではない。曲の中に ドラムソロが出てきたり、拍の取り方にトリッキーなものがあったり。そこは さすがドラマーだな、はある。
だが、メロディのキャッチーさ、当ててくるコードのおもしろさ。
こんな書き方は 彼に失礼なことはわかった上であえて書きたい。ドラマーなのに、なんでそんな『クセのある魅力的な曲を書けてしまうのか』
私は最初、彼がドラマーと知らずに(気づかずに)ひたすら T-SQUAREのアルバムを聴いていた。
彼がバンドに加入した時期は 子育て真っ最中だったし、わざわざ東京へライブを聴きに行く、という選択肢はなかった。毎年 発売されるアルバムだけで T-SQUAREと繋がっていたのだ。
アルバムの耳からの情報だけ。今のようにインターネットにも疎かった。だからなおさら、曲に惹かれ、次第に どんな人なんだろう? 一度 ちゃんと ライブで 彼の演奏を聴いてみたい。
そんな気持ちが もくもくと湧き上がった。
そこが彼をその後 推していくきっかけになった。
ドラムなのに(というと語弊があるかも、だが) 音が綺麗なのだ。雑味もない。フロントタム、フロアタム、その音列も美しい。
こう書くと、へなちょこ弱弱なドラムを想像させる。
違う!
パワフルでダイナミックな演奏も聴かせてくれるのだ。
演奏ジャンルもフュージョンに限らず、J-POP 、ジャズ、ファンク、ソウル、ロック…。
彼の師は、今は亡き菅沼孝三さん。
手数王と呼ばれたドラマー。
国外でも活躍しており、ジャズ・ロックなど幅広いジャンルで数多くのミュージシャンとの共演歴を持つ。
昭和音楽大学講師[1]、音楽学校メーザー・ハウス講師、キャットミュージックカレッジ専門学校非常勤講師[2]を務めていた。
菅沼孝三ドラム道場』を全国6カ所で主宰(2021年9月現在)。 プロ・アマ問わず、また初心者にも門戸を開いており、菅沼孝三が厳選した講師陣によるレッスンを受講することが出来る[23]。 また、一部の教室では菅沼自らがレッスンを行っている。同スクールから多くのプロ・ミュージシャンを輩出している。
主な出身者
坂東慧(T-SQUARE)
坂東さんは孝三さんのスクールで、ドラムの才能やテクニックを開花させていった。
セッションライブは終演後、ミュージシャンと話ができたり 写真を撮ったり、な時間を取ってもらえることがある。
この日も いつも持っていくサイン帳(昭和なひびき)に サインを いただき 少しお話もさせてもらった。
T-SQUAREの今年のアルバムが 5月に発売予定と バンド公式から発表されている。
その前に アーティスト写真やジャケット写真を撮るのだが、それが近々あるらしい。
撮影に向けて『髪 切りに行かないと』と言った坂東さん。 確かに いつもより長いな、とは思っていた。
あー、心の声が ここで出てしまった。
「あ、じゃあ、もっと かっこよくなっちゃいますね」
「そのままでも かっこいいけど」
私は普段、彼に対して 「かっこいい」とか「好き」とかは 絶対言わない。言うとしたら「曲が かっこいい。」「演奏が好き」 または 彼がとった行動や 人柄などに対して 言う。
彼そのものを対象とした言い方はしない。したくない。しちゃいけない。
だって
彼はアイドルではなく 音楽家だから。
私は彼と、人情のようなものではなく、音楽で繋がっていたい、音楽家として 尊敬していたい、そう思うから。
なのに つい、気がついたら先の発言をしてしまっていた。
…しまった…。
尊敬はするけど、やっぱり好きなものは好きなんだ。
今に始まったことではない。
彼のライブで『これは聴きたい』な内容のものだと、北海道だろうが 九州だろうが 聴きに行くではないか。
そして それは彼も知っている。
彼のSNSの投稿に 私がコメント入れることもある。また、聴きに行ったライブで、北海道や九州の話題になることもある。『あの時は◯◯でしたよね』など。
あえて口で言わなくても、気づけば ダダ漏れしていた。
彼の中で
「ファンはそれ以上でも それ以下でもない 存在」
自分も、もちろんその一人、なのも 重々わかっている。
割りきれる。
だから 堂々と 推し、と言えるんだと思う。
この日 共演した 大高清美さんが
『坂東さんの凄いのは 「機材に文句を言わない」「会場にある楽器で 縦横無尽に叩けるところ」』と言っていた。
大髙 清美(おおたか きよみ、女性、10月18日 - )は、日本のオルガニスト。個性的な作曲やジャンルにとらわれないオルガンスタイルで、ミュージシャンへの楽曲提供、テレビ出演、新製品デモソングの作成、スタジオワーク、出版物の執筆、アレンジ、オルガン指導など多方面で活動している。
ドラムは 会場によっては 自分のドラムセットを持ち込むこともあれば お店にあるドラムセットを使うことになる。
お店のセットだと 自分の意にそぐわない 音で 演奏をすることもあるのだろう。だが 坂東さんの音は いつ何処で聴いても 坂東さんの音、に仕上がる。
チューニング、音の質感。まるで 自分のセットを叩いてる? くらいにする。
ドラムなんて どれも同じ、誰が叩いても同じ、なのではない。
以前、たまたま、同じライブハウスの同じドラムを、坂東さんと 違う人と、で 近い日にちで聴くことがあった。
聴き比べると 全く違う。
こうも違うのか、と衝撃だった。
大高さんの発言を受けて
『孝三先生に 「言い訳をするな」と言われてきました』と坂東さん。
その日の演奏の出来不出来を 楽器のせいにしてはいけない、そんな 孝三さんの思いが あったのだろうか。
師匠の教えを守り活動する。
これこそ かっこいい。
坂東さんのライブには、時々足を運んでいたが、この日はなかなか いいお話を聞くことができた。 推しのエピソードのこういう内容を聞くことは嬉しいものだ。
そんな思いから、この記事を書いてみたくなったのだ。