東京百景【ピース又吉直樹の原点!】
私はエッセイが好きで、中でも作家やお笑い芸人が書いたものを読むことが多いです。
今回はその両面を併せ持つ又吉直樹さん(ピース)の原点とも言える、東京での生活を書いたエッセイをご紹介します!
〇著者
又吉 直樹
・2015年『火花』で第153回芥川賞受賞
・お笑いコンビ「ピース」のボケ担当
今では芸人よりも文学のイメージの方が強い方もいるかもしれませんが、キングオブコント(コント日本一決定戦)準優勝、M-1グランプリ(漫才頂上決戦)ファイナリストで、お笑いの実績もバリバリ!
〇ジャンル
エッセイ
〇あらすじ
現在は芥川賞作家である又吉直樹さんが、お笑い芸人になることを目指して上京してからの東京での思い出を綴ったエッセイ。
〇感想
・想像力(妄想も含む)が凄まじくて、普通の人ならサラッと流してしまう景色の中にも物語を見出しています。
・自らのことを「自意識過剰」と表現する場面が何度か出てきます。自意識過剰は、「自分が周りからこう思われてしまうのではないか」と、過剰に考えてしまうことだと私は思うのですが、裏を返せば、それだけ想像力が豊かということにも繋がると思います。
・私はオードリーの若林正恭さんのエッセイがとても好きですが、彼も自分のことを自意識過剰と言うことがあり、ある意味、エッセイは自意識過剰の人が書くと、より面白いくなるのかもしれません。
・『東京百景』というタイトルは太宰治の『東京八景』からも影響を受けていますが、その名の通り、各話には東京の地名などが入っていることが多いです。自分にゆかりがあったり、知っている場所にちなんだ話だと何だが愛着が湧き、そういった楽しみ方もできます。
・著者は一見すると、暗くて人と群れることを嫌いそうな印象があるかもしれませんが、このエッセイを読むと、決してそんなことはなく、内なる情熱のような熱いものも感じます。同時に、根底に優しさも感じます。
・エッセイ自体はもちろん面白いですが、どちらかと言うと、染み渡っていく良さがあります。ページを急がずに、ゆっくり味わいながら、何日もかけて読む方が楽しめると思います。
・相方の綾部祐二さん(現在はアメリカに滞在)との関係性も、他のコンビとは少し違い、ピースの2人ならではという感じがしました。
・女優である「のん」さんとの朗読動画も最高でした!
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以上です!
又吉直樹さんの小説やYouTube『渦』、編集長を勤める第一芸人文芸文部の『本ノじかん』も、とても面白いのでオススメ!