見出し画像

そこには、それぞれの人生が泊っている 【ホテルローヤル】

「ホテルローヤル」
関わる人たちの人生の煌めきがある・・・

【本の基本情報】
〇ジャンル:小説
〇本の種類:文庫本
〇著者名:桜木 紫乃
〇出版社:集英社文庫

■「ホテルローヤル」のあらすじ

北国の湿原を背にするラブホテル。
生活に諦念や倦怠を感じる男と女は”非日常!を求めてその扉を開く―――。
恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。
貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。
アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。
ささやかな昂揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。
人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。
第149回直木賞受賞作。
※裏表紙より引用

■関わる人たちのそれぞれの関係と人生

本書は、「ホテルローヤル」というラブホテルに関わる人たちの、それぞれの人生を描いた作品です。

タイトルだけ見ると、ラブホテルを利用するカップルの官能的な内容を描いているのかなぁなんて思う方もいるかもしれませんが。
本書は、そっちの方向の内容ではありません。

ホテルローヤルを普通に利用する人、ホテルを経営する人、ホテルに営業に来る人といったふうに
ホテルにいろんな形で関わる様々な人が登場してきます。

1つのホテルを舞台に、そこに関わる人たちのそれぞれの人生を楽しく、寂しく、悲しく7編の作品で描いています。
現実でもそんなことあるだろうなぁと思えるような様々な人間模様が描かれています。

■「ホテルローヤル」を読んで!まとめ

本書は、ホテルローヤルというラブホテルに関わる人たちの、それぞれの人生を描いています。

ホテルと色んな関わり方をしている人たち。
実にリアルに感じるような設定で、人が関わっています。

釧路湿原を望む高台に建てられたホテルローヤル。
ひっそりと建っているそのラブホテルは、その中の1部屋1部屋で繰り広げられる、それぞれの大切な関係や人生を包んでいます。

ホテルローヤルを中心に、いろんな人の人生が関わっています。

本書を読んでいると、そのホテルの1部屋1部屋で繰り広げられている人生を見ているような気がします。
それぞれの部屋で、それぞれの違った人生があり、ただ単に愛を交わすだけの場所ではなく、人には色々な事情や人生の過程があり
そのホテルでは、人の本音がこぼれてしまう。
その本音を実にうまく描いている作品だと思いました。

本の中の世界だけど、現実でも実際に起こっているような
とても人間的な、人生模様が7編書かれていて、そしてそれらがまたうまく絡んでいる。

それぞれの人の事情。
親しみやすい作品であったと思います。

なんだか人生がうまくいっているのか、うまくいってないのか・・・
人って色んな人生があるんだなぁ・・・
なんて感じてみたい方はぜひ読んでいただきたいです。

ホテルローヤル_記事TOP


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集