小説紹介⑥ ✎𓂃さみしい夜にはペンを持て
▶︎書くってね、自分と対話することなんだよ
#さみしい夜にはペンを持て #古賀史健 #ポプラ社
自分に自信がなく何をやっても上手くいかないタコジローが、公園で出会ったヤドカリのおじさんから「日記を書く」ことを学び、成長していく物語。
この本を読んで最初に思ったことは自分が小・中学生の時に出会いたかった!でした。
小・中学生の時に出会えていたなら、読書感想文が苦手なんて子どもではなかったかもしれない!自分の考えを言葉にして伝えるというとても大切な力が養われていたかもしれない!と悔しく思ったくらいです。
大人になっても、自分の考えていることを言葉にして伝えるなんて、うまくできる人はなかなかいないんじゃないかな。
今でこそ、日記や手帳ブームで『書く』という行動がフォーカスされたり、自己啓発本には毎回と言っていいほど『ジャーナリング』なんて言葉が出てきるようになりましたが、私が小さい頃日記をつけている子が何人いたでしょう。
少なくとも私の周りには1人もいませんでした。(きっと恥ずかしくて隠して書いていた子はいたと思います)
この本は、日記をつけることがいかに大切なことか、日記をつけることでどんな能力が身についてどのように自分の役に立つのかが物語形式で描かれています。
『書くことの意味』なんて考えたこともなかったけれど、こういうことを求めて私たちは『書く』という行為をしていたんだなぁと改めて実感します。
小学生・中学生のお子さんがいる方は、ぜひ読ませてあげてほしい!
とにかくこの一言に尽きます。
もちろん大人になってから読んでも学びがあって、物語としても面白い本なのですが、1番読んでほしいのはやっぱり多感な子どもたちです。
普段本を読まない子でも読みやすい物語なのでそこも心配ありません。
本って人によって何を感じるかは様々です。何も感じない人ももちろんいます。でも、その時に何も感じないからと言ってその読書体験が無駄になることは絶対にないと思うんです。
何年も経ってから、ふと「あの本なんだっけ?」ってなって読み返して感動したり、たまたま昔読んだ本に再会して「今の私が求めていたものはこれだ」って思ったり。
読書って本当に自由ですよね。
ちょっとこの本の内容からは逸れちゃいました。