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#17【やってみよっ対話型鑑賞】アウト?セーフ?君に送る熱視線!

オンラインで、絵画作品をおしゃべりしながら30分程度じっくりみていきます♪
作品情報は鑑賞の最後に紹介します。


メンバー

今日のファシリテーターはてるみが担当♪

鑑賞スタート!

皆さんでまずはじっくり見ていただけますでしょうか。1分ほどお時間とります。お願いしま~す。

はーい!(じっくりみる)

そろそろ皆さん良さそうでしょうか。もうちょっと見たいという方など大丈夫そうですか。はい。 それではこの絵を見て感じたことですとか、思ったこと、感じたこととか見えていること、この絵を見て起こってるなと思うことなどなど。どんなことでも結構ですので、どなたからでもご発言お願いします。はい、遠藤さんどうぞお願いします。

はい。黒い服を着た女性が、何か双眼鏡のようなものを覗いているように見えています!

ありがとうございます。双眼鏡のようなものということなんですが、それはどのあたりからそのように思われましたでしょう。

何を見てるのかな?

う~んあまりはっきりとは描かれてないので、黒い塊っていうふうには見えてるんやけど、とはいえでも、目元に当ててる黒い塊ってなんだろうって考えた時に、まぁ双眼鏡とかオペラグラスとかなのかなっていうところですかね。

はい。ありがとうございます。他の方いかがですか。今、黒い服を着た女性が双眼鏡かオペラグラスかを覗いているということなんですが。はいしずかちゃんお願いします。

私はこの場所が気になっていて。なんだろう。2階席なのか、3階席なのか。とりあえずこの座席のところで、オペラハウスとか歌劇場とか、シアター的な場所の観客席側にこの人が座ってるのかなと思いました。

ありがとうございます。観客席というか、そういうシアターではないかなと思われたのは、どこからっていうのはありますか。

この、さっき遠藤さんが言ってくれた女性の左側のところが、ちょっとこうカーブになってて。で、もうちょっと上のところも。これ向こう側にも人が座ってるので、こう緩くカーブになってて、向こう側までそのカーブが続いていて、何かこう舞台を囲むようなそういう観客席なのかなって。少し装飾もありそうな感じじゃないですか。下の辺とかも。やっぱり、ここはあんまりはっきりは描かれてはいないんですけど、少し模様が入ってたりとか、ちょっと凝った作りになってるので、そういう華やかな舞台とか、シアターとかそういう場所なのかなと思いました。

豪華だね

はい、ありがとうございます。シアター、劇場のようなところで、女性がオペラグラスを覗いているんじゃないかというような感じですが、いかがでしょうか。きーぼーはいかがでしょうか。

そうですね。僕もなんかオペラを見てるのかなって最初思いました。あと、左下の人が赤ずきんちゃんに見えてますw

 

はいw 赤ずきんちゃんっていうのは、童話の赤ずきんちゃんですか?w

童話の赤ずきんちゃんですw

 

なんかシュールですねw童話の赤ずきんちゃんが突如いるwはい。赤ずきんちゃんと思われたのはどの辺りというか、やっぱこの辺の赤いのかぶってるから?

おおかみはどこ?w

そうです。赤いのかぶってるふうに見えるんですけど、なんか顎の下辺りの方まで伸びてて、ごめんなさいこれなんだろうって思って。あんまりこういう会場に、ちょっとはっきりは描いてないけど、こういう色で、こういう被り物ってあるんだろうか?僕は知らないなと思って気になってました。なんだろう。本当に赤ずきんなのかなって。

その、観客がこういうものを被っているのはおかしいのではなかろうかという?

なんか赤ずきんに見えてて。子供っぽいイメージ。幼稚な感じっていうのかな。この上品な大人な世界の雰囲気とはなんか違うなって気になりました。

うん、なるほど。この赤ずきんちゃん以外は、その上品な大人の世界だと見えているということのようなのですが。その辺、もうちょっと詳しくお聞きしても大丈夫ですか?

ああ、そうですね。でも、他のところはそういう違和感みたいなのは。違和感?場に合わないみたいなのはあんまりないかなって思う。

うんうん。はい遠藤さん、お願いします。

場に合わない要素が他にはないんじゃないかってきーぼーは今言わはったんやけど、2階席の上の方にオジがw明らかに舞台じゃなくてこっちを見てる…!!w こいつ、違和感!!!!

ぎゃー!!!!

wwww

はい、今、ちょっとこの方に着目していただいたんですが、この人もなんかあんまはっきり描かれてないんですが、オジっていうことなんですが、おじさんだとご判断かなと思うんですがw、おじさんがちょっと明らかに舞台じゃない方を見ているんじゃないかというあたりですが、その辺、なんかどんな風に見たかというか。

そうですね、ハゲてる感じがしてるのと、片方の手を肘ついて、その縁のところに。で、手前の女性と同じように、オペラグラスか何かを持っているような、ちょっと黒い塗りつぶしみたいなのが目元に大きく見えてて、オペラグラスを持ってるのかなっていう気がしてて。オジの左手は、隣の女性なのかわかんないけど、妻なのかなんなのかわかんないんですけど、椅子の背もたれに手をかけて、「うちの妻ですけど?」みたいな感じの、“俺の所有物”みたいな感じのテリトリーを彼の中で作っている感じがしています。

はい、その妻と思ぼしき人と一緒にいるけれども、ちょっと舞台の方には体は向いておらずというところなんですが、他の皆さんもなんかその辺。

はい。ちなみに遠藤さん、オジだと思ったのはどっからなんですか?

あ、ハゲハゲ

あ、この髪の毛。こんなにぼんやりしてるのに?

うーん、なんかあと、なんて言ったらいいのかな。態度がでかいw

あーごめんなさい、勝手にそれかなって思ってしまいましたw 態度がでかいのとハゲているのではないかということから、この人はちょっといわゆる若年層ではなかろうということで、なるほど、されております。今だいぶこちらの周りの方の人にも着目はしていただいてますが、最初に遠藤さんおっしゃっていただいた一応1番大きく描かれてる女性についてもちょっと話できたらなとは思うんですが、皆さんこの人にとってはあまり興味ない感じでしょうか?w

www そんなことないよwww オジにしか注目してないわけではないですよw

どうしても気になるオジの存在感

え、じゃあ。はい。この女性についていいですか?w

 

これについてちょっと見ていきたいなとw はい、しずかちゃんお願いします。

なんかさっき後ろのこっち向いてる人がおじさんってことだったんですけど、手前の人はおばさんではなさそう。もっとなんか若い感じがします。手前ってこのおっきい女の人ね。皺もないし、なんだろう、肌とかもなんか透明感があって、なんかこう若そう。20代とかそんな感じがします。でもその割には結構なんか険しい顔してるなと思ってて。

どの辺りですか。

まず、なんか口元が。なんだろう、すごい真顔じゃないですか?真剣に見てるのか、この周りの人たちのちょっとカジュアルな雰囲気と比べて、この人すごい一心不乱に何かを見つめてる感じが。なんかこう、この場に慣れなくて、そわそわしてちょっと楽しい、きゃっきゃっ♪みたいな感じじゃなくって、すごい凝視してる感じがちょっと年齢とって言っちゃうとあれですけど、少しアンバランスな感じがします。

なるほど。その凝視してる感じは、さっきおっしゃった、その口元とかですか。

真剣な眼差し…!

うん、口元と真顔で、なんか少し顎を引いて、なんかこうまっすぐ前を見るみたいな感じ。この構え方とかも、サバンナで遠くの獲物を探しているようにも見える。ちょっと険しさがありますね。

www

 

はい、ありがとうございます。表情というか、まずは年齢のことに触れていただいて、若い女性じゃないかっていうことと、ちょっと表情は険しいというか、もう真剣に舞台を見てる感じがするなっていうことでおっしゃっていただきましたが、他にこの女性から何か。はい、きーぼーお願いいたします。

ちょっとまたちゃうとこですけど、結構最初から気になってんのが2つあって、耳のピアス、アクセサリーが、キラッと白くそこだけ光ってて、綺麗だなって。あれ、なんだっけ、『真珠の耳飾りの少女』みたいな感じのなんか綺麗さだなって思ったのと、手首の静脈がすごい隆々としててw

私これレースから紐が出てるのかと思ってたw 静脈なの?

わぁ

そう、なんか紐みたい。なんか太い紐ぐらいにも見えますよね。静脈やと思うんですけど、すごいなと思いました。

なるほど。この静脈がこんなに出てるっていうことから何か思ったことはありますか?w

でもね、これ多分、いや、本当に不思議なのは、心臓より高いと思うんですよ、この手の位置。でも、さっきしずかちゃんが言わはったように、すごいずっとじっと見てそうな感じだから、静脈凹んでそうなのに出てるっていうのがなんなん?うそ~って。本当にこんな出てたんかな?って思う。

ね。ちょっと不思議な感じですね。他の人もこれは静脈だという理解でしょうか?w はい遠藤さん、お願いします。

うん。真剣さの話でいくと、ちょっと血管が浮き立つっていうぐらい真剣なのか、あるいはちょっと前屈みになって、肘を台の上に乗せている状態みたいな感じなので、体が硬直する?いや、違うな。なんて言ったらいいんですかね、血の気のない腕の色もしている気がするので、なんかずっとこの位置で固まってるのかなっていうような、ちょっと病的な感じの腕にも見えてくるなと思って。あともう1個、ちょっと比較で申し訳ないんやけど、ちょっとオジをまた出すんやけどw、この手前の女性は 一心不乱に前を見つめるために前に身を乗り出している。目的のために身をのり出してるんやけど、オジも身を乗り出してる。その一心不乱にこっちを眺めるっていう、なんか2人とも一心不乱なんやなっていうところは共通してるのかなって思いましたw

一心不乱に見る V.S 一心不乱に見る

この女性とおじの共通点を見出していただきましたw なんかこう、真剣に何かを見ている病的なぐらい見ている。この彼女は一体何を見ているのかとかはなんか想像されたりはしますか。皆さんどうですか。

オペラじゃないかな~って思ってる。

オペラを見ている。オペラを凝視している。

その他の発想はない。僕の中に。

いや、多分普通に考えたらオペラなんですけど、この状況でこの双眼鏡を持ってるっていうのが。でもなんかオペラ中にこんなに、やっぱオジが、ほら、こんなに見てる人オペラ中にいたらマジで結構ちょっとやばい人じゃないですかwww それは隣の妻もなんか言うんじゃないかって思うんですけど、もしかしたらこの人がこんなに自由に振る舞ってる感じとかを見ると、開始前とかでこの女性もオペラじゃないものを見ているっていう可能性もあるのかなと思ったんですよ。

なるほどなるほど。そういうことね。

そう、開始前なんじゃないのかなって思ったのは、結構ね、外が明るくて。始まるとやっぱ客席ってもうちょっと暗くなる気がするんですけど。まだこの客席までというか、下の方まで光が当たってる感じが、開始前というかまだみんなが入ったり出たりしてる時間なのかな~みたいなことも少し思いました。

なるほど。そうするとなると、開始前にあんまり見るものないかなと思うんですけど、舞台上にw

いや、だからちょっとうがっちゃうんですけど、この右手を双眼鏡に当ててるじゃないですか。で、なんかオジが見てるのも右側からじゃないですか。なんか、ちょっと視線を避けてるみたいな、そういう手みたいなふうにも見えなくないなと思って。

あ~~~~~~!涙

 
やだ…!こっち見ないで…!

おじさんはこの人を見ている。

そう。それになんとなく気づいてるから、なんかあんま見られたくなくて、ちょっと手でカモフラージュするというか。

なるほど。突然物語めいてきましたが。なるほど。これは開演前で、実はこう、舞台に誰もいないない状態だけど、オペラグラスを構えてるとするならば、このおじさんからの視線を避けているのではないかという推論が今、展開されましたが、

でも、なんかおじさんに気づいてるかどうかってのはちょっとね、わからない。今のところ絵の中からは、うん、まだわかってはないですそこは。

でも彼女はこうやって手で隠したい何か事情がありそうだということですか。

 

イヤでしょうwwwww こんなに見てくる人www

はい。その開演前みたいなのが明るいっていう話からも出てたんやけど、最初赤ずきんちゃんみたいなっていう話もあったように、他の観客の人たちを見てると、みんな結構だるだるな感じに見えてて。真剣な感じ、身を乗り出して見てるっていうのはオジとこの女性だけで、それ以外の人たちは結構なんか視点もどこにあるのかもわからないし、なんか左上のボックス席みたいなのは立ってる人が奥にいるような気もしてるし、で、この黒い手前の女性の右側の隙間?そこにもなんか立ってる、足元の靴が黒いヒールのところが見えてるような感じで、廊下に人たちが立ってるみたいな感じにも見えてくるし、これが本番中かって言われると、やっぱそうじゃないのかな。休憩中だったりとか、開演前とかなのかなっていう風に私も思いました。

ぼやぼや外野

はい。ちょっとなんとなく、状況が段々つかめてきたっていうかなって感じですが、とにかく今は開演中じゃないのでは。はい、きーぼーお願いします。

えっと、そうですね、開演中じゃなくて、これ見てるっていうことで。だとしたら、この女性も誰か他のお客さんを見てる可能性もあるのかなって思って。で、なんかね、最初から僕これ『見る』っていうのがすごい交錯してるなって思ったんですよ、最初の印象が。この女性は向こうを双眼鏡で持って見てるし、向こうのおじさんはなんかこの女性を見てる感じがして、で、この状況を見てる画家の目があって、 で、この絵を見てる僕たちの目があって、なんか『見る』っていうのがすっごい交錯してて、それが面白いなって。で、僕たちがこうやって見てるのも、どこっぷで記事に書いて、誰かに読まれるっていうw

読んでくれてありがとう♡

めっちゃメタwwwメタメタのメタみたいなwww

そうですね。入れ子構造になっている感じがw

すご~いと思います。

うんうんうんうん。なんかもうこれで鑑賞終わってもいいんちゃうか。

いやいやいやいやwww もうちょっと見ようや。

 

まだまだwww

 

今、画家の視点っていうところも出てきて面白いなと思ったんやけど、それ、画家がもし隣にいるんやとしたら、結構至近距離っていうか、画家もすごく遠くから見てるってわけじゃなくて、まるで隣にいるぐらいの距離にいるかなっていう風な視点で描かれてるなって思って。それってどういうことなんやろうって。オジに見られてる彼女・・・。もしかしたらこの人物が画家本人なのかもしれない。この女性本人が。で、その自分がオジに見られた時にの風景を客観視して描いてるのかなってちょっと思った。

あ、なるほどね。今ちょっと入れ子構造、見るが交錯してる入れ子構造っていうところから描き手の話が出ましてね。この、この女性自身が、というか画家なんじゃないかということなんですが、このシーンを描こうと思ったのはなんでなんだろ。

なんかやっぱりオペラとかこの時代の多分そういう劇場って、社交場みたいな役割があったから、そういう「いい女の人いないかな」みたいなことが、多分普通に日常茶飯事に行われてたと思うので、それに対して、キレてるwww

もう真剣な顔でw キレているw なるほど。

え、でもそうやとしたら、なんか僕、逆にじゃないけど「こうやって見られるぐらい美人なのよ」って感じもちょっとする。私のことをこうやって見る人がいるのよっていう。

どっちなんだろう。はい、しずかちゃん。

そうね、なんかちょっとやっぱり私は、女性の表情に真剣味とやや怒りみたいな、なんかやっぱ、口元がぎゅってなって、目もなんだろう、すごい力が入ってる感じがして、やや怒りみたいなものも感じるとすると、やっぱり多分、時代的に男性が女性を選ぶみたいな、男性が女性を探すっていう行動が多分当たり前な中で、「私は女性だけど、男を探してやるわよ」みたいな、そういう強さもちょっと感じる。「私はおじさんの言いなりにはならないわ」みたいな。なんかそういう強さもちょっと感じるなとも思います。見る。「私も見てやるわ。」みたいな。

命がけの「見る」攻防戦が今ここに

なるほど、すごい。いろんな想像が出てきましたが、ちょっと強い女性なんじゃないかなっていうところもありつつ、「でも私、美しいのよ」ってちょっとした自慢もあるということですが。はい。遠藤さんいかがですか。

衣服を見るにかなり地味なんよね。全身黒ずくめで。他の人を見るとちょっと赤ずきんちゃんってのもいたけど、色もないし、なんかフリフリもあんまりついてないし、レースも控えめやし。だから結構、オタクの部類に入る、どっちかって言うとヒエラルキートップの、なんかブリブリした女の子たちとかじゃなくって、真剣にこの劇場での公演を楽しみに来ているオタク女子みたいな感じの立ち位置なんかなっていう風に思ってて。だから、「私は今からちゃんと見るの!」みたいな、そういう「私は真剣です!」っていう感じをアピールしてるのと、あとオジにキレてるっていう感じがする。

やっぱりキレてるんだw

そうそうそう、オジに対して「こっち見てんなよ」ってw 「私は舞台に真剣に取り組もうとしてるんだ」みたいなw

誰か観客のなかの男性を探してるっていうよりは、舞台を見にきたと。あれですね、ちょっとこれいつの時代に描かれたかわかんないですけど、こう、推し活の始まりみたいな。

あ~そうです!はい、そうですw

でもなんか面白いですね。今のそのオタクっぽいみたいなのと、舞台に集中してるみたいなところと、確かに服装が地味で、見られる服装じゃない。で。だから、なんか推し活で自分が目立つんじゃなくて、やっぱりなんか推しを見に来ているとか、ちょっとそのストイックさみたいなものも感じるので、なんか自分の世界みたいなものを、他者によって浸食されたくないみたいな、なんかそういう真剣さみたいな、そういうキレっぷりみたいなもの、確かに感じるなと思いました。

なるほどなるほど。ね。そうですよね。何を見てるかとか理由はあれど、とにかくキレてるというか、何かちょっと怒りとか、強い意志を感じるっていうところは共通しているのかなと思いつつ・・・ごめんなさい、私この人でも普通に未亡人かなと。

未亡人だとなんか変わります?ストーリー。てるみさんの中で。

うん、なんかこう悲しみに耐えながらなのか。

全然違う話始まるwww

全然違う話しが始まるんですけどw 悲しみに耐えながら、何か凝視してるふりをしているみたいな。

傷つかないようにみたいな。

最後言ってもいい?きーぼーの入れ子の話、面白くって。どうして入れ子に見えるかっていうと、オジもこの女性も、その2階席、高低差がなく同じレベルのところに、レベルっていうのは高さね、同じ高さのところにいるっていうところが、どっちが上とか、どっちが下で見下しているみたいな関係性っていうよりかは同列みたいなふうにも捉えられるのかなっていうところで、なんかその回りまわって、私たちもこれを同列に見ているからこういう鑑賞をしているしみたいな、なんかちょっと、そういう高さが揃ってるっていうのも、ちょっと1個、今、最後思いました。なのでオジへの怒りも、もし未亡人だとしたら失った哀しみも、オタクだったら推しへの愛や楽しみも全てが同列にあるような、拮抗してるようなそんな絵なのかな。

うんうん、ありがとうございます。引いた目で見た時の入れ子構造っていう話からいろいろ見て取れましたね。周りの人たちについてもお話したかったところではありますが、ちょうど30分ぐらいたったかなと思うので今日の鑑賞はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。

ありがとうございました!

今回鑑賞した作品

メアリー・カサット《桟敷席にて》1878年、油彩・カンヴァス、ボストン美術館蔵
The Hayden Collection—Charles Henry Hayden Fund, 10.35. Photography
© 2015 Museum of Fine Arts, Boston

アフタートーク

なんかでもやっぱこのおじさん、ちょっと変な感じがするね。結構なんか下品に描かれてますよね。きーぼーが言ってたこのパールのピアス、イヤリングとの対比が、凛としてる女性とすごい下品なおじさんみたいなそれもすごい感じた。

さっき、男女差別みたいなことだったり、男尊女卑みたいなことがないような位置関係の話をしたけど、私は完全に女性の味方で今この作品を見てるんやけど、どういうふうにこれを隣で見ればいいんだろうっていうのは、ちょっとなんかモヤモヤしちゃった。

隣でっていうのは、画家の視点に立つとってこと?

うん。自分がこの黒い女の人になるんやったら、すごく理解できるんやけど、いざ鑑賞者の視点、あるいは画家の視点でこれを見ようとすると、なんかモヤモヤしちゃう。

それは、どうしたらいいんだろうっていうモヤモヤですか?

何だろうな。「おいオジやめろよ!」とか声をかけることができない気がする。

なんか成敗したい気持ちになるってことかな。このおじさんを。

そうではなくて、女の人の方が我慢してる感じがするから、しずかちゃんが言ってくれた“隠してる”っていうのがやっぱすごいしっくりきてて。ただただオペラグラスで先を覗いてるんじゃなくて、多分遮ってるんやろうなって思うと、ちょっとこの子固まってるっていうのも、怖いっていうのも、ちょっとあるんやろうなと思って。見られてることに対しての恐怖感みたいな。ただただ、その意思の強さだけで歯向かってるっていうだけじゃなくて。で、隣でそんな状態になってる子がいるのが、すごい、なんかどうしようってなっちゃってる。

 

うん、これでもなんか止めようがないよね。見られるっていうのって。なんかボール投げてくるとかだったらなんかかわしようがあるけど、視線って確かに止められない。遮ることができないから、それってなんかね、見られてる嫌な気持ちになってる人が隠れたりとか、その場から出るしかみたいな感じっていうのは、確かにすごい理不尽な感じがするね。

そうそうそう。で、なんか隠れるのもさ、こっちが負けた気になるやんw

だって推し活に来てるのにねw

 

そうそうそう。で、この子はすごい頑張ってさ、多分私は負けませんっていう感じで前のめりになってすごい頑張ってるんやろうなって思うけど、やっぱり「見る」っていうことの暴力性みたいなのがすごく強く感じられる。ただただ「見る」っていうことだけなんやけど。

強いね。見るってね。本当。

ほんまやな。しずかちゃんの言ってくれた通り、なんかアクションでも起こしてくれたら怒れるんやけど。「ただ見る」しかもこんな遠くからw なんかね、どうしたらいいんやろうw

そう、そういう意味では、これこの女性が見られてることの証拠写真みたいな感じですよねw

 

画家なのかなやっぱりこの女性が?

 

この絵の作者自体は、メアリー・カサットっていう女の人だね。

なんかでもこういうふうに、女性はこんな意図せぬ暴力の中に囲まれて生きてるんだよみたいな、そういう告発的な要素なのかなって、今のその女性の画家みたいなの聞くとね。

あー、すごい。なんか今までその美術史の中の「見る」って、やっぱ男性視点の作品ばっかりやったから、その「見る」っていう観点で言うと、すごく新しいというか、「女性が見られることに対してどう感じてるか」っていうところの新しい視点やんなこれは。こう見られているんだよっていう私たちって。面白いですね。

いや、面白いね。なんかこんなおじさんみたいな不躾な視点を投げてくる女の人っている?w きーぼー感じたりしたことあります?

なんか自分にも責任があるなっていう時にはあるけれどw 全然知らん人とかじゃなくて、なんか怒らせることをしてすごい見られるっていうのはあるけど、でも、今話にあったような、その「見る」っていう暴力性とかみたいなのは考えたこともなかったです。だから結構今話を聞いてて、なるほど、そういう感覚になるのかみたいな。

あ~~~!!!へ~~~!!うんうん、面白い

ね。そうそう。だから、なんかやっぱり女性とちょっと見るとこがちゃうんやろかっていう感じはした。でも話聞いてると、あ~わかるって。隠そうとしてるっていう感じも、今の雑談タイムですごい感じたし、あ~なるほどって思いながら見てた。

女性の方が敏感なのかもね。こういう視線嫌だなとか、本当にやめてほしいみたいな。

遠藤さんがもし画家の立場やったらって言ってくれはったけど、僕は迷いなく「何見てんねん」って思ってあのおじさんを多分ずっと見るんですよ。なんかその辺もそっかって思って悩むんだなって。

あーでもそうかも。カッ!て睨み返したりはすぐにはできないかも。

うん、そうやね。それは絶対そうやろうなと思いますよね。怖いからね、本当怖いから。

そうですよね。

 

そうやって思うとさ、見られてない人たち気抜きすぎじゃない。って感じもしない?w ちょっと面白いね。この見られてる人はすごい顔も体もこわばってたけど、下の段のおばちゃんたちはすごいダランって。

わかる。左上の方はなんか黄色い婦人みたいな感じの。両脇に男性がいるように見えてる。立ってる人も男性。あそこはあそこでちやほやされてんのかな。なんなんやろ。

あの人は見られたいんじゃない。この黄色は。

なるほど、視線を浴びたい女性もいるか。確かに黒ってもうシャットダウンの色やもんな。隠れさせてください、集中させてくださいって。

それもなんか気になる。なんか向こうの男性も黒と白じゃないですか。でもこっちの女性の黒と白となんかニュアンスがちゃうなって。こっちの受け取ってるニュアンスが。

てるみさんが未亡人みたいな感じって言ってたけど、女性の黒って、質素とか謙虚みたいな、男性のフォーマルな黒とは違うイメージあるよね。

うん、面白い。きーぼーが思ったよりもそういう視点にあんまり晒されてきてないんだみたいなことですごい気づきがあった。話してくれてありがとう。

 「見る見られる」について勉強になった!ありがとう!

 

うん。僕も勉強になりました!

たかが見る、されど見る

おわり

最後までお読みいただきありがとうございました!

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次回は10月27日(日)ごろにUP予定です。またぜひ読みにいらしてください♡

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