マーベル・コミックを原作とする映画で描かれた原爆投下 − 長崎と広島
(※ 二つ前の記事
の末尾に羅列した引用の一部を分離しました。)
歴史を振り返れば、広島型原子爆弾や長崎型原子爆弾(広島・長崎級原爆)の開発・製造に繋がる核分裂反応は1938年に実験室で確認され、水素爆弾の開発・製造に繋がる核融合反応は1933年に実験室で確認されたそうです。
これらの重要な発見は驚くべきスピードで兵器に応用されました(1945年に広島と長崎に原子爆弾が投下され、1952年にエニウェトク環礁(マーシャル諸島)で水素爆弾の実験が行われました)が、核分裂反応による発電が実用化されたのは1951年・商用化されたのは1954年であり、核融合発電による発電は未だに実現していません。
さて、広島と長崎に原子爆弾が投下されて以来、劇場映画やテレビドラマやドキュメンタリー作品のために原子爆弾が投下される様子は繰り返し映像化されてきましたが、市場が小さく予算も少ない日本においては、CG全盛期を迎えても、控えめな表現にとどまっています。
公開中の映画『オッペンハイマー』で被爆地と被爆者に尺が割かれていないことに批判的な意見もあるようですが、比較参考のため、潤沢な予算で制作された他の映画の中で映像化された原子爆弾の投下シーンの中から二つ引用します。
ウルヴァリン:SAMURAI(2013年)、エターナルズ(2021年)、共にマーベル・コミックを原作とする作品ですが、日本から見ると、被爆地と被爆者への感情移入は足りないかもしれません。
尚、エターナルズについては、脚本家が思いを込めて描いた場面を、監督が死守したそうです。
二つの作品が積み残した課題については、以前の記事
でもふれたように、二重被爆に関する書籍の映画化権を十数年前に取得しているジェームズ・キャメロン監督に期待したいと思います。