※ 重要な大道具・小道具として『東京原発』に登場するMOX燃料の輸送に関連した記述は一つ後の記事『【付記】「東京に原子力発電所を誘致する」東京原発に登場したMOX燃料輸送船・平成ガメラ第1作(1995年公開)に登場したプルトニウム輸送船と巡視船』へ分離しました。
震災が発生した元日から4週間が経ちましたが、有史以来稀な規模の地震で被災した住宅や水道や道路の復旧作業は捗らないようです。心よりお見舞い申し上げます。
少し前の記事『珠洲原発(計画凍結)と志賀原発』でもふれましたが、原子力発電所で重大事故が発生した原因が自然災害(特に地震)である場合、避難計画等は絵に描いた餅に過ぎない(避難経路や避難予定先も被災し、屋内退避も困難になる)ことが東日本大震災以来、十数年ぶりに露見しました。
念のため書き添えますが、大都市圏へ電気を供給するために建設された福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所、柏崎刈羽原子力発電所や福井県に所在する多数の原子力発電所とは異なり
元日に震災が発生して以来、度々話題に上る志賀原子力発電所(計画された当初の名称は能登原子力発電所)は北陸電力管内(60Hz)へ電気を供給するために建設されました。
さて、大きな地震が起きる度に発電所の一覧図を眺めますが、大量の電気を消費する大都市周辺には原子力発電所は存在しません。危険でなければ、東京湾岸や湘南海岸や九十九里浜の地盤の強固な場所にも原子力発電所がありそうなものですが、誰も危ない橋は渡らないようです。
元日以来続くマスメディアの偏向報道(?)や原子力発電に反対する様々なインターネット上の発信を目にして怒り心頭に発していらっしゃる右派の論客の方々も原子力発電所を大都市圏に建設して、送電ロスを削減しながら、電気を地産地消する(排熱も有効活用する)ことは考えていらっしゃらないようです。
週末に、ふと思い出して、『卓球温泉』で知られる山川元(やまかわげん)監督が脚本も担当し、物語の大半が都庁の会議室(のセット)で進行する低予算映画『東京原発』(2004年公開)を久しぶりに観ました。
東日本大震災が発生し福島第一原子力発電所が事故に見舞われて以来、日本中が原子力発電所や放射性廃棄物に詳しくなった結果、公開から20年近くを経た作品の内容には若干甘い部分もありますが、広瀬隆氏、他によって展開された活動のエッセンスを日頃社会問題に関心のない市民にもコメディータッチで届けた歴史的意義の大きい作品です。
お時間があれば、是非、配信サービス等でご覧ください。(また、この映画は東日本大震災が発生した8ヶ月後に劇団むさしの座によって舞台化されました。公演の様子は YouTube で公開されています。)
尚、広瀬隆著『東京に原発を!』と同様に、東京原発の中では新宿中央公園が建設候補地として挙げられています。