見出し画像

視点の自由研究No.95「視点_広告業界はカタカナがお好き」

クリエイティブ、コンテンツ、パーパス、コピー、デザイン、プロデューサー、ディレクター。とにもかくにもカタカナが溢れる広告業界。最近では他業種でも役職にカタカナを用いたものが使われていたりもします。そうした環境でありながらも広告業のカタカナ好きは最たるものだと思います。

今回はなぜ広告業はカタカナが好きなのかを独断と偏見で書いてみたいと思います。

個人的な想いに耽るのをご了承くださいませ。

「外来語」

広告業で仕事をしていると、みな一度は過去の巨匠たちが生み出した作品を目にする機会に出会うと思います。電通本社の地下フロアには広告博物館もあり、私もそうした広告の歴史を見るためだけに足を運んだこともあるくらいです。

そうした過去の広告物を振り返った時に戦後の日本の広告の欧米化には驚かされるものがあります。日本が近代化していく中でアメリカを中心とした広告デザインを取り込み、時としてそれを日本化していく様を追いかけていくと広告業はとにかく新しい表現方法を取り込むのに長けた世界だなと感じています。

広告業世界最大の祭典も「カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル」であり、海外が中心です。そこで最新の広告技術やアイデアが生み出され、それを迅速に取り込んでいく日本人の姿勢は素晴らしいなとも思っています。

「日本語という特殊性」

思えば日本語も漢字、ひらがな、カタカナと言語として考えたときに三つのエリアの影響を受けているとも感じています。すなわち大陸から伝わった中国語である漢字、日本古来のひらがな、英語を中心にした音そのものを表記しやすいカタカナ。諸説はあるでしょうが、一個人としてこうした感覚を覚えるのは、広告業という外来語好きな世界を経験したせいかもしれません。

使っている言語である日本語自体が世界の文化を、意味の解釈を違えずに自国の文化へと取り込む姿勢は、ひょっとしたら日本人の大きな特性なのかもしれません。

日本人は欧米に憧れて自国文化に誇りがないなんて話も聞いたことがあります。それはひょっとしたらこうした言語プログラムにも現れているのかもしれないなと妄想しています。

「新しい情報を求めて」

さて広告業。看板などの街頭広告、紙のグラフィックに始まり、テレビというメディアの中のCM、インターネット以降のバナー広告、Youtubeに挟み込まれるWEB CM、今はアルゴリズムを介してより生活者に最適な広告を提示する世の中になりました。テクノロジーの発展にこれほど適応してきた業界もそうないのではないでしょうか。人々が目にするすべての媒体に広告は適応していきます。

こうしたテクノロジーは今、日本発で見ることができません。Google、facebookなど未だ欧米を中心にした世界からのテクノロジーで動いています。そうした世界の流行にいち早く適応し、日本に持ち込む時にやはりカタカナというツールは最適なのでしょう。時に「よくわからないビジネスワードで人を煙に巻いている」なんて言われたりもしますが、「新しさ」という魅力で人を引っ張っていくのが広告業なのかもしれません。

「古びない“新しさ“」

過去の広告を見ていても時に古さを感じさせない今でも通用するようなものも存在します。私の感覚でしかありませんが、歴代のキューピーのクリエイティブには今の世の中にも通じるものがあると感じています。

自分も目標の一つとして耐久力のある丈夫な広告映像を作りたいと考えています。特にWEB映像ではアップロードされると3〜5年単位で使われることが普通になりました。

映像も今の流行や新しいカタカナワードを取り込む業界ですが、いかに丈夫な作りをしていくかも大きな課題だと思っています。

自分達を信頼し、お仕事を一緒にするクライアントがその映像を長く使っても大丈夫だと思ってもらえるような、古びない“新しさ“を今日も試行錯誤しています。




映像でお困りの方、静岡で撮影されたい方、ぜひ一度お声掛けください。