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僕の命はそこにある。
「僕の命はそこにある」
あの鳴き声はなに?
夜の散歩中に聞かれた。
あれはホトトギスだよ。
初夏になるとどこからともなく聴こえてくる。
姿は見えないし気配はないけど、いるんだね。
草むらを歩けば、足元には、無数の虫たちがいる。
小さくて見えないだけでね。
踏んづけてる?
たまたま踏んづけられてしまう命もあるだろうね。
笑いながら歩いたあの道でも、踏んづけてたのかな。
そういうことだってあるよ。
知らないうちにたくさん殺してるんだ。
知っていたって殺された命を食べるよね。
命は、命をもらって生きていくんだ。
葉っぱを食べればいいのかな。
葉っぱだって生きている。
葉っぱを食べたい虫だってたくさんいるだろう。
人間が育てた葉っぱについてる虫は殺してもいい?
なにも殺さずに生きるなんてことは、ほとんどの人にはできない。
そうだね…。
命を奪うことは少ないほうがいい。
それに、なるべく奪わないほうがいい。
でも、さも当たり前のように命は生まれて、死んでいく。
あまり大ごとに思うことはない。
なんか残酷な気もするね。
残酷すぎる現実に、人はドラマを見いだす。
僕たちは、命をいただきながら命を繋ぐということを粛々と営む生き物なんだろうね。
叫んでももがいても、そうであるってだけなんだね。
無数の命の屍の
上をひょろひょろ歩いている
僕の命はそこにある
命の森の中を歩く
"おしまい"
デビューアルバム「Sain'o O」から「僕の命はそこにある」について書きました。
記事を気に入ってくださった方はぜひ楽曲もご試聴ください。
https://soundcloud.com/roku-records-japan/uer0teiwmrqg
CD予約販売も承っております。
https://rokurecords.theshop.jp/items/27619360
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