ブランドとの接点はブランドタッチポイント
私たちは何かを購入したり、利用したりするとき、実は様々な経過を経てその決断をしています。近くの店舗で商品を買うとき、家族でレストランに行くとき、入学する学校を選ぶとき、海外旅行をしようとするとき……、私たちは多くの情報に触れ、それを自分なりに処理しています。
例えば、飛行機で旅行をする場合を考えてみま しょう。
テレビ・新聞・SNS などで広告を見た
➡ 飛行機での旅行をしてみたいと思う
➡ ネットで調べる
➡ いくつかの航空会社のホームページを調べる
➡ 比較する
➡ 航空会社を決める
➡ チケットを予約する
➡ 詳しく聞きたい場合はコールセンターに電話をする
➡ コールセンターの人と話す
➡ 当日、空港まで行く
➡ 移動の途中、航空会社の広告を見かける
➡ 受付カウンターに行く
➡ 待合室に行く
➡ 機内に入る
➡ 客室乗務員から挨拶される
➡ 自分のシートに座る
➡ 座席のパンフレットなどを見る
➡ 機内サービスを受ける
➡ 機長の挨拶を聞く
➡ 機内エンタメを楽しむ
➡ 現地に到着する
➡ 客室乗務員に見送られる
➡ 空港に着く
➡ カードメンバーなどの場合は、後日、自分あてにメールが届く、情報誌などが届く……
これらのすべてがブランドとの接点、すなわち「ブランドタッチポイント」なのです。
ブランドは細部に宿る
この例では、事前の期待が高まっていた分、最終的に失望感を味わいました。このようなケースは決して珍しいことではありません。この場合、少しずつブランドが損なわれているのです。
「思っていたのと違う」「こんなはずでは」と思われてしまったら、‘ 頭の中’ に確固たる存在感を築くことはできません。たとえブランドタッチポイントのひとつずつは小さくても、そのひとつずつがブランドイメージの「貯金」につながっているのです。
いくら広告やホームページのデザインが良くても、肝心の商品、店舗、サービスの質が伴っていない、あるいは逆に、それらの質が良くても、伝え方が拙かったり、従業員の対応が悪ければ、結局のところマイナスの印象を与えてしまいます。
ブランドタッチポイントのすべてに目を配ること、一貫性を持たせること。少し大変ですが、その姿勢が大事です。ブランドは細部に宿るのです。
ブランドタッチポイントは「カスタマージャーニー」としてまとめる
顧客がブランドタッチポイントに触れるルートをカスタマージャーニーと呼びます。カスタマージャーニーは自分たちのブランドを見直すきっかけになります。
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WORK あなたの会社のブランドタッチポイントをできるだけ多く挙げてみましょう。
( 上條 憲二 著『超実践! ブランドマネジメント入門 愛される会社・サービスをつくる10のステップ』より一部抜粋。一部、書籍の表現と異なる場合があります)
会社のブランドについて考えるワーク②へつづく➡
■著者
■今回紹介した書籍
超実践! ブランドマネジメント入門
愛される会社・サービスをつくる10のステップ
■目次