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羽根から蕾

久々にボールペンで一枚、仕上げました。


『Poupě z křídla』 26,5 x 39 cm


ボールペン画を熱心に描いていたころの作品はこちら↓

鉛筆やボールペンでゴリゴリ描き込んだ絵ばかりの個展をしたとき、来てくれた友達が「ぱっと見で見えない人物が絵の中に見えてくる瞬間が楽しい」と言ってくれたことがありました。
私本人は何が描いてあるか知っているので人物は瞬時に目に入るのですが、先に分かっていないと「あれ、あっ、人の顔…」と楽しんでいただけるのかな?

今回の新作の中の人物、見つかりましたか?

実は当時も今回も、このような抽象的な線がたくさん入っている鉛筆画やペン画は事前に何を描くのかは決めずに取りかかっています。

まず何も考えずにザっと長めの線を引いてみる。
そこから何が発想できるかな、とどんどん線を加えていき、ある時顔っぽく見えてくる部分が出てくる。そこにさらに線を加えて「顔」にしてしまう。
その他、具象に見える部分も、それっぽく見えてきたから線を加えてそう見えるようにした、という流れです。


今回使用した画材です。

いや、分かってるんですよ、わざわざ写真に撮ってまでお見せするような"画材"じゃないってことくらい。
しかしPILOTは偉大です。
世界にはかなりの値段で売ってるブランドボールペンがいろいろありますが、色の出が悪くていきなり書けなくなるものが多いです。
それに引き換え、パイロットはいつでもどこでも安定の書きごこち。私、決してパイロット社の回し者ではございませんが、新しいのに書けなくなったボールペンを手に途方に暮れている人を見るたびにパイロットのものをお勧めしております。

おっと、だからパイロットの宣伝がしたかったわけではなくて。
画材は値段がどうのと言うよりも、自分で実際に使ってみて良さが実感できたものを使っていくことをお勧めしたい、という話がしたかったのです。
もちろん高価な画材はそれだけのことはありますから、使ってみて「これは安物では代用できないな」と思えば投資すべきだと思うし、実際個人的に高価でも譲れない画材、と言うのはあります。
ただ、この事務用品に分類されるようなボールペンでも、自分がその中に「画材としてのポテンシャル」を見出すことができれば、胸を張って「作品」を仕上げていいのだとも思っています。