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全く、小学生は最高だぜ! 『ロウきゅーぶ』感想

「全く、小学生は最高だぜ!」
昔からインターネットをしていた人なら、一度は聞いたことがあるフレーズだろう。アニメ、『ロウきゅーぶ』で主人公が発言した、インパクトある発言が元ネタだ。

ロリ方面で危なっかしい匂いしかしないアニメだったので、今まで避けてきたのだが、ひょんなことから1期を全部視聴した。その感想を今日は書きたい。

一言であらわすと、「全く、小学生は最高だぜ!」だった。
※当然、ロリコン的な意味ではありません。


王道路線を行く成長ドラマ

そもそも視聴したキッカケは、この記事を見て。

別にローランドのことを特段好きなわけではない。しかし、これだけ世の中に実績を残している人物が、こういう評価をするってことは、ただのロリアニメじゃないなと…しかもあらすじ見ると、普通にスポ根モノとして面白そう。

バスケットボールのスポーツ推薦で七芝高校に入学した長谷川昴は、憧れの男子バスケ部に入部するが、部活動停止の目にあってしまう。行き場をなくし、日々所在なく過ごしていた昴だったが、ひょんなことから、小学校の女子バスケ部の臨時コーチを引き受けることになった。
バスケ部といっても、メンバーは5人しかおらず、まともなバスケ経験者は一人のみ。その上、女子小学生たちが相手の慣れぬ環境に戸惑う昴だったが、彼女たちが抱えるある事情を知り、やがてコーチとして真剣に彼女たちに向き合うようになる。

dアニメストアのあらすじをベースに引用

ということで視聴してみた。


結論、めちゃくちゃおもしろかった。ワクワクしかない1話だった。
冒頭、メイド姿のロリキャラたちのドタバタ騒ぎを見せられた時は切ろうかと思ったけど…

挫折を経験した主人公が、才能を持つ特別な存在に一目惚れし、物語は本格的に動き出す。しかも、その一目惚れの理由が、めちゃくちゃキレイなシュートフォームだったから、というのがまたいい。何か極めた人の所作って、芸術的なんですよね。わかる、その気持ち。

なんで、高校生がコーチを熱心にやるんだよ、っていうツッコミに対する、明確な回答の1つが与えられることで、安心して物語に没頭できる。


しかも、序盤の物語の進みがスポ根モノとして、王道で魅力的な展開だ。男子バスケ部に素人集団の女子が勝利を目指すという、明確かつ魅力的な目標に対して、話がテンポよく進んでいく。ジャイアントキリングはやっぱりワクワクする。

そして、その大きな目標を達成しようとすると、1人1人のキャラの成長が鍵になる。コンプレックスに向き合い、個性を活かしながらチームが成長していく。そんな様子は、ロリだからとか関係なく魅力的だ。


ズル賢い、でも現実的なバスケ

しかも、バスケの試合シーンの描写クオリティも高い。作画とかもそうなのだが、話の内容的にも非常に現実的で、説得力のある試合展開を描けているのだ。

1人しか経験者がいないバスケ部が、どうやって男子バスケ部に勝利するのか。それを解決するのに、熱血、とか友情パワー、とかで誤魔化していない。ある意味、主人公のスバルがしっかりと「大人」っぽいずる賢いところがあるのだ。その賢さを戦術としてしっかり取り入れている。

徹底的に1つの角度からのシュート練習に専念させてみたり。
身長が高いことをコンプレックスに持っている子に、センターは低身長のポジションと言ってみたり。
1回だけだったが、相手が好きな子に対してあえて転ばせて動揺を誘うという、わりとコスイこともしている。


でも、それは「勝利」するために必要なこと。勝って結果を出すためには、綺麗事だけではすませない。そんな覚悟のある描写は、自分は好きだった。

相手の戦力差があるなら、それを埋めるために知恵を出す。そんな現実感のあるバスケシーンは割りと見ごたえがあった。


みんな良いやつ

だいじなことだけども、イライラするようなキャラがいないというのも重要。

相手である男子バスケ部や、大人たち、主人公。
みんな、それぞれの立派な「思い」を持って動いていて、それに立脚して動く。作品の舞台装置として動かされているようなキャラはほとんどおらず、みんなそれぞれ、良いキャラをしている。

個人的には男子バスケ部キャプテンの竹中くんが大好きだった。
しっかりとバスケに熱意を持ってるし、小学生らしい幼さを持ちながらも、自分のダメなところや人のいいところを認めることができる、人間として出来た少年だった。

今作品で一番好きなキャラに。

こういうサブキャラ(男も含め)がしっかりしていることが、物語の面白さの支えになっている。


スポ根であり、教育物語

今作品は主人公がコーチであることは重要だと思う。
主人公がプレイヤーであれば、これは単なるスポ根作品であったかもしれない。でも、この作品は主人公はプレイヤーではなく、コーチ。

自分がどれだけ努力しても、コーチをしているチームは強くならない。強くなるためには、チームメンバーを強くする必要があり、それは人を成長させる、「教える」ということが大事になる。まぁローランドが新人教育に使ったというのは、リップサービス的なものだと思うが、割とそういった教育や組織運営に重要なものも詰まっている気もする。


  • しっかりどういう性格、実力なのかを見極めること。

  • そしてそれに適した役割を与えること。

  • そうしてできることを少しずつ増やしていき、自信をつけさせること。

  • 目先の目標のためには、誤魔化すことも必要。誠実だけでは組織は回らない。

  • なんでも自分で解決せず、ある程度はチーム内で解決させること。


そんなところだろうか。これやり切ってる、主人公のスバルは高校生とは思えない有能マン。上司にほしい。
まぁ、そんな小難しいことを考えなくても、普通にスポーツものとしても面白いので、意気込まずに見ても良いと思う。


小学生って設定

「まったく小学生は最高だぜ!」
このセリフ、正確には下記のような流れで言っている。

この短期間でここまでシュートやパスの精度が上げられる吸収力。まったく、小学生は最高だぜ!! 」

そう、ロリコン的な意味ではなく、小学生の成長スピードのことに対して出たセリフ。決して主人公はロリコンではありません。


ここでは、技術的な成長の言及になっているが、小学生というのは、精神的にもぐんぐんと成長していく。特に作中の娘達のような小学6年生は。
自分のコンプレックスに向き合ったり、わがままを自制できるようになったり。作者はそこまで考えずに、単純にロリコンなだけで小学生をヒロインにしたのかもだけど…


教え子たちが中学生ではなく、小学生ということは、物語においても、いい設定だ。

流石に中学生で男子に勝つというのは非現実的すぎる、各キャラの性格(キャラ付け)も中学生以上だと、ちょっとないな、と思うような設定になっている。
ただ、小学生であれば、まぁギリセーフ。

そういった意味で、この作品は
「まったく、小学生は最高だぜ!」
なのかもしれない(言いたいだけ)。

思ったより面白かった、『ロウきゅーぶ』の感想でした。以上!

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