I will Follow Him : You Don't Own Me 女性のライフサイクル論の背景 1960's
「オールディーズ」のおもしろい2曲との出合い
代表的ライフサイクル論を学んでいると女性に関する面で「社会的論争に発展」したことを知りました。その時代って??アメリカ社会は??と好奇心から調べていくうちに「オールディーズ」の対照的な2曲を聴くことに。 理論にご興味のない方たちにも楽しめますよ。(2曲の動画付き)
まず2曲とそれぞれの対照的な歌詞をご紹介します。
I will Follow Him
I will Follow Him (曲名)アイ・ウィル・フォロー・ヒム(邦題) Little Peggy March(歌手)1963年 アメリカ
歌詞の一部抜粋 (ご興味ある方はYouTube動画でご覧いただけます)
補足説明
「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」は皆さんにもなじみ深いかもしれませんね。ウーピー・ゴールドバーグ(Whoopi Goldberg:1955-)さん主演の記録的な大ヒット映画「天使にラブソングを…」(The Sister Act)1992年。映画のラストでは「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」の歌が、イエス・キリストを讃える賛美歌、パワフルなゴスペルに。him=主。
もともとはペトゥラ・クラークさんが歌ってヒットとなった「愛のシャリオ」フランス語の歌詞は若い二人が荷馬車に乗って、力を合わせて新しい土地を目指す喜びを表現。この歌をアメリカでリトル・ペギー・マーチさんがカバーした60年代の初めの頃は、複雑な歌詞よりも、愛する人について行くといった単純なラブ・ソングが好まれました。驚異的な大ヒットに。
You Don't Own Me
You Don't Own Me (曲名) 恋と涙の17才(邦題) Lesley Gore(歌手)1964年 アメリカ
歌詞の一部抜粋 (ご興味ある方はYouTube動画でご覧いただけます)
補足説明
「You Don't Own Me」は63年12月に発売され、64年2月3週連続全米2位という大ヒットとなります。当時7週連続1位はビートルズの「抱きしめたい(I Want To Hold Your Hand)」でしたので、全米にビートルズ旋風が吹き荒れていた最中にこの結果はメガヒットといえるでしょう。社長令嬢高校生のレスー・ゴーアさんがウーマンリブ的な曲を歌う意外性が斬新な企画。 「恋と涙の17才」(邦題)?? 歌詞からのイメージとの乖離が・・
1996年に製作されたダイアン・キートンさん、ゴールディ・ホーンさん、ベット・ミドラーさん共演のコメディ映画「ファースト・ワイフ・クラブ」のラストシーンではこの曲と同年代の3人が熱唱。圧巻です。
2つの曲を聴かれて(歌詞を読まれて)いかがでしたか? 素敵な2曲ですね。恋愛の進捗度の違いやレコード会社の企画の思わくなどもありますが、対照的な歌詞が当時のアメリカ社会を映し出しているように私は感じます。
1960年代 アメリカ 変動の時代
出典: 国務省出版物「米国の歴史の概要 – 変動の時代:1960~1980年」 AMERICAN CENTER JAPAN About the USA
代表的なライフサイクル論と女性のライフサイクル論
女性の社会的権利をめぐって1960年代~80年代のアメリカでは女性間でも2分化されていたのですね。
代表的なライフサイクル論
ユング:1933年「人生の段階」発表。40歳は人生の正午。個性化プロセス。 エリクソン:1950年 「幼児期と社会」発表。人間の8つの発達段階。 1964年「女性と内的空間」発表。内的空間=子宮 大きな論争へ発展。 レビンソン:1978年「男性のライフサイクル論」約20年経た1996年「女性のライフサイクル論」男性とほぼ同様の発達プロセスが見出されたと発表。
~からの、女性のライフサイクル論
ダイアリー式メンターラジオ#13「人生の転換期 女性は?」でも取り上げたのですが、メンタリングでは、ライフサイクルという時間軸にそった視点と、個々のライフスタイルの違いは、メンティを理解するのに役立ちます。
しかしながら、男性の研究者による理論は、男性の声だけにもとづいて理論化され、その枠組みと合わないような女性の発達過程を新たな事実としてとらえて、発達理論を修正するのではなく、その理論が、描くより未熟な発達段階、もしくは発達の失敗として、とらえられていたと言われています。
残念なお話しですねー
それに、異議を唱えたのが、キャロル・ギリガン氏です。
1982年、ギリガン氏は、男性の理論に共通しているのは、男性は、他者との関係においては、自分と他者を分け、個の確立の過程をたどるが、女性は、他者と関係をもつことを、志向しつづけると主張しました。
また、岡本祐子氏は、関係性によっての発達を重視。従来の成人発達研究が、階段を上るように、発達段階を想定しているのに対し、同じテーマを繰り返し、ラセンのように、進行すると提唱しています。
最近のライフサイクル論をベースとした一般書籍でも、これらの点は触れられていないように見受けられます。
想い
対人援助職を生業として、ご相談者が精神的にもより良い、成熟した人生を送れるように支援できる有効なメンタリングを目指し学び続けるひとりとしては、「黒色なら何色でもいい」のではなく、より個々を大切に尊重できる真の「ダイバーシティ」を実現している人や文献に少しでも多く出合えるのを願っています。
with all of my thanks and friendship
用語の説明(ご参考)
・メンター=人が学び、成長するためのアドバイザーでありカウンセラー
・メンタリング=タスクの熟達に重点を置くと同時に、仕事面でのサポートを提供していたとしても単に業務上のことだけではなく、メンティの学習能力が向上するように、私的な側面との相関的な点にも双方に重点を置きます。(R.B.ディルツ氏)
・メンティ=メンタリングを受ける人(ご相談者)
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