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塩田千春展〜繋がる私(アイ)と不在の中の存在 

塩田千春の美術展に行ってきた。
すでに観に行っていた娘から「凄いよ!」と言われ
ハードスケジュールだったけど、僅かでも覗きたい。

場所は大阪中之島美術館
めちゃめちゃ圧倒されました。凄いです。

「繋がる、I (私)eye (眼)love (愛)」
これが今回の展示のコンセプトとなっているが、ぐるりと鑑賞したあとに
それは本当に感じられる。

真っ赤な作品の中に入っていく


先を進むのに戸惑い、作品に当たりそうな気になる。

入った途端、蜘蛛の糸のように編み込んだものが意味するものは?
とにかく、その存在に圧倒されるのだ。
繋がっていく意識、繋がっていく記憶
神経がシナプスで繋がれていくかのように
過去からずっと繋がって、水面に映し出された糸を想う

大阪、岸和田出身、子供の頃から絵を描くのが好きだった。
高校の時に絵を描き
それは自分ではないと感じてから、10年ほど絵が描けなくなったらしい。

自己表現の模索が始まっていく。
Homeという作品だったか。。
海外に出てから、日本へ帰りたくなった。
だけど、日本に戻ってみると
そこには自分の居場所がなかった


それを体現したパフォーマンス作品は
日本を洞穴で表し、そこに全裸で登ろうとする塩田さん
しかし、何度もずり落ちる。
そのジレンマが十分過ぎるほど伝わった。

ご自身の癌、6ヶ月目の死産、父親の死、
人生の色んなシーンを乗り越えた彼女だからこそ
生きるとか 存在とか ここまで表現できるのだろう。

モチーフの靴を赤い糸で垂らしたた「不在の中の存在」も
うんうんうんと頷くばかり。
その人が居なくても存在する

それは夏に見た映画
アウシュビッツをテーマにした「関心領域」を思い出させた。
映し出されたのは、今の収容所でガラスのケースに
展示されている残された遺品
その中のたくさんの靴(人生)があった。決して綺麗じゃない靴が。

また、現在、多和田葉子さんの新聞連載の物語に
挿絵を描いていらっしゃるようで、それも展示されている。
同じドイツに住む二人だ。



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ダイヤモンド・ペッパー
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