見出し画像

「秘密の新名物投入?!」コロナ後飲食店経営奮闘物語〜その7(6月17日)


上記の続き。第7段でございます。

2月29日の休校から愛知県は5月中旬の緊急事態宣言解除、そして、営業自粛解除ということで、そもそもの「在り方」を見直すことにまでなった「魚信」さんでございます。6月も半ばを過ぎて参りましたが、読者の皆様はいかがでしょうか?アップに戻った方も、まだまだ、という方もおられるかと思います。さて、こちらの方はといいますと・・・

「どうですか、西田さん、状況改善してきましたか?」

食事といくつか宴会もね。自粛解除になって1ヶ月かな?ようやく嵐が収まって、ちょこちょこと出てき始めたのかなって感覚ですね。今月の着地点、前年65〜70%くらいかな。うーんなんとか70%超えて、損益分岐点まで行きたいね。なんだかんだで、飲食の営業利益率は6〜8%なのよ。「3蜜」もしてるし、距離も保って席を少なくしての営業でしょ、そこまではきついかな?、、厳しいよね。

「そんな弱気な、、下がったところをテイクアウトや通販でカバーすれば?っていう記事見たっすけど、どう?(日経MJ紙 6月17日付記事より)」

画像1

そんな簡単にできるわけないっしょ。店頭に弁当並べりゃ黙ってても売れるってもんじゃないことくらい、誰でもわかる理屈!何考えてんの。

「ですから笑」

ありがたいことに、当てにしてなかった法事と法人宴会の予約が入ってきてね、この土日もコロナ後最高の入りで。ありがたいよ、ほんとに。ただね、

「ただ?」

ちょっと隠し球があってね。これから岡崎の名物になるような、そんなの考えてるんだ。

「なんすかそれは?」

まだ言えないな。来月からスタートできたら、って仕込み最中よ。楽しみにしてよ。

「え、7月から?なんか社長隠し事して企んでるな、って感じしてましたからね。どんな料理なんですか?天ぷらとかトンカツとか唐揚げとか揚げ物系のような気がするなあ」。

笑笑 まあまあ、楽しみは後に取っておいた方がいいから。期待して待っててよ。きっと度肝抜かれるようなもんになるよ。

「なにその煽りともつかない冷静さって奴?社長、どの分野狙ってるか、わかってます?PPMって言ってですね、、、」

もちろん知ってるよ!「金のなる木」とか「花形」とかあるやつでしょ。

その通り!さすがです。「PPM(ブロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)分析」ってのは、成長性と売上とか市場シェアで縦横4つのブロックで分類。自社製品やサービスが、花形・金のなる木・負け犬・問題児の4つのエリアの何処にあるのか、分類して、参入する市場や商品開発する分野を決めるってことですね。

画像2


うちのこれからを考えてくと、成長性が高く、そして、シェアが取れる「花形」と成長率が低くても、市場シェアが大きい、あるいは、大きく取れそうな「金のなる木」分野ってどこ?どのメニュー?って思ってるんだよね。
 今、こうやって戦略から考え直そうって言うのは、うちは勘違いしてたんだよ。「金のなる木」と思ってた宴会部門が、実は「負け犬」=成長率が低く、相対的な市場シェアも低い事業や商品だったのでは?と思ったから。コロナって外部要因じゃない?でもって、この外側からの要因によってうちの利益率が大きく左右されてる。法人の宴会と法事の需要がこれまで頼りにしてた宴会部門。それがキャンセル続出で、雪崩のごとくにどどどーっと一気にお手上げに。それがこのコロナショックで経験したこと。今日もファミレス閉店とか飲食不況とか報道されまくっとるから、経営の教科書だと「飲食事業そのものから資金も人も遠ざけるべき」ということになるんだろうけど、それは、できないさ。この宴会部門が売上も利益も大きかったから「辞める」という決断はしにくいよね。でも、もうそうじゃない。もとに戻らないぞと決断したら、皮肉なことに、コロナ収まってきたこともあって、実は予約も戻り始めてるから、復活しそう(笑)。だけど、さすがに「前と同じでいい」とは思えない。だから、こうしてめんどくさい話ししてるんだけどね、、、。

なるほど。魚信さんの歴史的な発展経緯見ても、魚介小売→飲食事業→宴会部門→多店舗→、、、って流れですもんね。

 そう。そもそも母が始めた魚介小売業があって、今のレストラン、そして、去年スタートしたのがうちの「食堂」(うおのぶ食堂【エビフライを主力に展開する定食屋形式の飲食事業】)。これは新規事業。店長もコロナにめげず頑張ってるし、5月なんと前年同様に戻した!今月は嬉しいことにプラスになりそう。ただし、事業的には伸びてるけど、相対的な市場シェアは低く、投資も必要って経営者目線で言うとそこは、ちゃんと見てる。でも「問題児」とは良く言ったもんだね(笑)。このチャート作った人、うちの家族よく見てるなあ(笑)。

 「問題児」エリアはくせものです。市場が大きく伸びている事業だけど、まだ相対的な市場シェアは低い。現金流出を必要とするケースが多く、かといって投資をしなければ他企業に後れを取りかねない。市場の成長が止まれば、一気に「負け犬」に転落する。コントロールが難しい。

 PPMは企業戦略的に、多数の事業への資金配分をどうするかという課題に対処するツールでもあるため、本来は、「金のなる木」で生まれた資金を、新規事業に投入して、新規の成長性で企業全体を引っ張ってくってのが理想だったんだけど、「金のなる木」と思ってた事業が、実は「負け犬」だった、と言うことで、新たに企業戦略を組み直す必要がある、そう言うことですね。

そうそう。でも、実は、どの事業も全部「負け犬」かもね(涙)、、

そんなこと言わないで、考えていきましょう。突破口はあるはずです。諦めたら、そこで終わっちゃうし、資金も手当てしてあるでしょ!(続く)

サポートもお願いします。取材費やテストマーケなどに活用させていただき、より良い内容にしていきます。ご協力感謝!