加工写真を詐欺だというお話へのお気持ち表明
ネットニュースを眺めていて以下の記事が目に留まって読んだので、それに対するお気持ち表明など。
このニュースの中によると、過度に加工にされた紅葉写真は現実から乖離しており、「加工詐欺」や「詐欺画像」に該当するのだとか。
これに対する個人的な見解としては「いったい何を言ってるんだろう…」の一言。
過度な加工の判断は人それぞれだろうけど、私としては例えどんな加工が施されていて、肉眼で見えるものと大きくかけ離れていても、その加工は写真作品という表現の一つとしか思えないです。(合成写真はちょっとアレだけど……)
そこを詐欺や虚偽だと批難するのはおかしいんじゃないかと。
例えば、モノクロ写真のようなモノクロームした場所なんて現実にはほぼあり得ないし、
バリバリなサイバーパンク風カラーの街もある筈がないし、
シャッタースピードを遅くして光度を増した絵も肉眼では見れない。
細かい話だと明度彩度なんてカメラやレンズ、フィルターどころか、その日の天気や時間帯によっても変わるし、ホワイトバランスやカメラモードの設定によっても映りが大きく変わる。
そういう肉眼じゃ見えない変わった絵を撮れるというのもカメラの良い所なのに、肉眼で見えるのと違うと批難するのは写真と写実を勘違いしているんじゃないのかなと。
少し前に五稜郭の紅葉もハイコントラストにし過ぎて(正直ちょっとケバいかなとは思ったけど)謝罪にまで追い込まれていたけど、わざわざ社が公に謝らないといけないほど悪いことをしたとは思えなかったかな。
強いて言えば、加工していますと一言添えていればよかったなというお話。
私は写真を撮るのと同じくらい加工(主にレタッチとトリミングとゴミ除去)するのも好きだし、撮った写真は大なり小なり加工しています。
そうすることで写真がより映えて魅力的になるのなら、加工も撮るのと同じくらい大事な工程だと思っています。
仮に、肉眼で見たものと同じものしか写真作品としちゃ駄目だという話になれば写真の世界は相当狭まるし、皆同じような絵ばかりを撮ってツマラナイ写真で世の中あふれかえってしまうと思います。(例:撮り鉄の写真)
そういう意味で、ケバい写真をケバいと言ったり、現実離れしてる写真を幻想的だと言ったりと感想を述べるならともかくとして、詐欺だのと批難するのは流石に言い過ぎじゃないかなと思います。
そして、写実的であることにこだわる写実主義者さん達も現実が写真と異なっていて騙されたなんて思うのではなく、写真とはまた違った側面を見ることが出来たと喜ぶのと同時に、ファインダーを覗き込んで理想の絵を見て記録すれば良いんじゃないのかなと思いました。
どんなに加工された写真であっても、実際に現場に行って得られる絵であることに変わりがないんだから。
最後に。
このページのヘッダー画像にした写真は撮ってだし無加工のものです。
ライトアップはされていたかもだけど、これは肉眼で見ても見事に綺麗な紅葉でした。