2024年おすすめ本①
今年、現時点で133冊読んだ。
年末にTwitterで今年の10冊を選ぶのだが、1年でたくさんの本と出会いすぎて難航しそうな予感だ。(嬉しい悩み)
noteでも読書記録をなんらかの形で残しておきたいが、すべてはとても書ききれない。
そこで、読めてよかった!という今年の個人的傑作を1記事1冊で手短にまとめていこうと思う。
まず第一弾。
「おわりのそこみえ」図野象
〈あらすじ〉
「私に明日なんて必要ないし、夜は明けないほうがいい。」
スマホで消費者金融のアプリとマッチングアプリを交互に見る生活を送る、美帆、25歳。今を生きるため人生を手放し、地獄の底の絶望と希望へと爆進する、衝撃の問題作。町田康、喝采!(Amazon商品説明より)
〈感想〉
主人公の美帆をはじめ、出てくる人(主に美帆の両親、同級生、ストーカー)は本当にしょうもない人ばかり。
自分は死んだ方がいいんだという諦念と、両親から愛されて生きたいという切望が美帆の心でせめぎ合う。
ふとした瞬間に「死にたい」気持ちはひょっこり顔を出してくる。
「生きたい」「死にたい」「生きたい」…その狭間で宙ぶらりんになりながら、なんとなく今は生きていよう、というあやふやさを持っていたって良い。
そう思えて肩の力が抜けた気がした。
緊迫のラストシーンは、美帆の周りの少しずれた人たちのせいで、どこかユーモラスな展開に。
シリアスな内容なのに不思議とポップ。
この匙加減が絶妙で、今までにない新鮮さ溢れる作品だった。