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覚えておきたい、食の好み

限りある記憶の海に、ひっそり居場所をもらったような気持ち。
誰かに自分の好みを覚えていてもらったときは、そんな喜びがある。


たとえば久々に会った友達に、「あかりって〇〇(バンド名)好きだったよね」とか、一緒に行った雑貨屋さんで「こういうの好みでしょ?」と言ってもらえたとき。
なんてことない会話だけれど、わぁ、と驚きと嬉しさが入り混じる。

中でも覚えてもらえていると嬉しいのが、食べ物に関する好みだ。
食べることは生きること、だからだろうか。
それとも私が食いしん坊なだけか。


✳︎
野菜、果物など食材そのものの好みはもちろん、お気に入りの料理、お寿司のネタ、パンの種類、お酒の銘柄まで、食の世界は広い。

もっと細かく言えば、味付けの濃さ、お肉の焼き加減(レストランで聞かれるアレ)、お米の固さ、食パンの焼き具合、納豆の粒のサイズ、ケーキの甘さ加減、こしあんor粒あん、などなど。


私は物忘れが激しいけれど、大事な人の食の好みくらいは覚えていられたらいいなと思う。
まだ知らない場合は、折に触れて聞いてみたい。

そうしたら相手に聞かずとも、自分がその場の判断で買ってきてあげられる。


✳︎
先日、品揃えがユニークなスーパーに行って、気分転換をしていた。
遠く離れたエリアから運んできたであろう銘菓が棚に並ぶ。
こういうプチ物産展コーナーは、見ているだけでお土産もの屋さんにいるときのような高揚感を得られる。
旅に行っていないのに、旅先からこちらに遠征してくれているのだから。

スーパーの一角にあるくらいが規模としてはちょうど良く感じる。
催事場の物産展は、輝くような名産品の数々が所狭しと並んでいて魅力的だ。
しかし「よし、買ってやるぞー!」という人々の熱気に気圧されて、早々に退散せざるをえなくなる可能性大である。


ひととおり眺めていると、見覚えがあるものを発見!
夫がハマってふるさと納税で取り寄せたお菓子の期間限定バージョンだった。
吸い寄せられるように手を伸ばし、迷わずカゴに入れる。


✳︎
さりげなくテーブルの隅に置いておくと、仕事帰りの夫が、
「これ俺に⁉︎ センスいいなぁ!」
と喜んでくれた。

私はどんなもんだい、さぁ褒めろ!と得意気な顔をしていたと思う。
そういうときこそ、澄ましていた方がかっこいいと思うが、顔に滲み出てしまうのだから仕方ない。

まだ食べていないので、お味の方はわからないが、きっと気に入るだろうという予想は大当たりだった。
私もご相伴にあずかって少し(たくさん?)食べてみようと思う。

お菓子たち、集合!

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