【ゲームデザイン】をかみ砕く
どうも、浮雲です。いつもと少し違う始まり方です。
noteと並行してtwitterもはじめていたんですが、個人開発されてる方をフォローしていった結果、ゲーム業界を目指している学生さんが頑張っているアカウントを多く見かけました。またその流れで、今春からゲーム業界に就職した新人さんや、内定を勝ち取った未来の新人さんなんかも。
そこで、少しハイパーカジュアルゲームから離れて、「ゲームデザイナーの仕事やゲームデザインそのもの」について学生さんや若手のゲームデザイナー/プランナーさんに向けて、何かしら役に立ちそうなnoteを書いてみようと思い立ちました。
内容的には、『明日から使えるテクニック』的なことよりも『マインドセットをゲームデザイナーとして成長できるものに変える』ことを目的としたものが多めになります。
■マインドセットとは
マインドセットとは、これまでの経験や教育、先入観から作られる思考パターンや固定化された考え方のことです。近年では、知識・スキルよりも、マインドセットがポジティブであるか否かが、ビジネスの成果に大きな影響を与えると言われています。
※引用元:成果に大きく影響する「マインドセット」とは?
理由としては、私自身のこれまでの経験と、過去に行ってきた新人研修や人材開発を通じて見てきた成果からも、成長の土台(基礎)となるマインドセットを鍛えることが最もその人の成長に繋がると感じているからです。
使い古された表現ですが、ガタガタの基礎の上にどれだけ立派な建物を築いても、堅固なものにはなりません。
そして人間にとっての基礎とは、一度できあがったら変わらない(変えない)ものではなく、必要に応じて何度でもアップデートできるものです。
さながら、PCやスマートデバイスにおけるOSのように。
ですので、『自分にとって使えると思った知識や考え方』はどんどん自分の中にインストールして、成長するための基礎をアップデートしていってもらいたいですし、私のnoteもそういったもののひとつになればと願いながら、これからもぽちぽち書いていこうと思います。
前置きが長くなりましたが、今回は【ゲームデザイン】について。
わかってるようで得体のしれないこの概念を、かみ砕きたいと思います。
■この記事のターゲット
主に以下のような方にとって、学びや気づきが得られるものになるよう意識しています!
・ゲームデザイナー/プランナー目指す学生の方
・ゲームデザイナー/プランナーとしてのキャリアを積み始めた方
・ゲームデザイナーの視点や思考に興味のある方
【ゲームデザイン】がなぜ重要なのか
ゲーム業界を目指す、あるいはゲーム業界で働くとなったら、なにはともあれ「どういうゲームを作ろうか」と考えますよね。
『ゲーム企画の作り方』みたいなものはすでにいろんな方が、いろんなまとめ方をされていると思いますが、私個人としては以下のステップを経ることが比較的多いです。
1.ネタ出し/ネタ探し
2.起案シート作成
3.企画書作成
4.仕様書作成
なお、上記の通りにやるのが正しいとかって話ではないので、そこはご注意ください。私個人が「丁寧にやるとしたらこうする」という一例です。
1番や2番の項目についても別途noteにまとめようと考えていますが、今回重要なのは3番と4番の部分です。
私が考える【ゲームデザイン】は、3番の「企画書作成」の段階からすでにはじまっています。
ということは、就職作品として企画書の提出を求められる学生さんにとっても【ゲームデザイン】という概念を理解しておくことは、ゲーム業界を目指すうえでも大切なことだと考えており、今回のテーマとしました。
また、「企画書作成」「仕様書作成」という『ゲーム制作における設計図』にあたるものを作り上げていく行為がすなわち【ゲームデザイン】ですので、重要な概念であることは理解していただけると思います。
【ゲームデザイン】とはなんなのか?
そんな【ゲームデザイン】ですが、言葉として知っているという方でも、「そもそもいったい何をすればいいんだろう?」と思い悩んでいる方も少なくないのではと思います(私もそうでした)。
あるいは、「なんとなくこうかな?」とは思っているものの、はっきりとは説明できないという方もいるのではないでしょうか。
気になって調べたことがある人もいるかもしれませんが、一応wikiも存在しているので下にリンクを貼っておきます。
……とはいえ、wikiを読んでもいまいちピンとこないだろうと思いますので、ざっと一緒に見ていきましょう。
ゲームデザイン(英: Game design)は、ゲームの内容やルールのデザイン過程を指す。
それはまぁ、なんとなくわかるよね。という感じ。
ゲームデザインの種類によっては様々なデザインを統合的に扱う。コンピュータゲームの場合、以下のような要素を必要とする。
・ゲームの機構
・視覚アート
・ゲームプログラミング
・製造プロセス
・音響
・物語
これらが全てデザインの要素となっており、そのためにコンピュータゲームのゲームデザインの明確かつ簡潔な定義が困難になっている。コンピュータゲーム開発の複雑さは、これらの要素が複雑に絡み合っているために生じる。ある面での決断が別の面で制約となる。例えば、アート的クオリティは技術制約との兼ね合いになるし、デザインとしては全体の調和がとれていても、実際に製造するとなったら非現実的ということもある。
コンピューターゲームに至っては、要素が多い&複雑そうです……。
コンピュータゲームのデザインはデザイナーによって手法が異なるし、会社ごとに独自の手法や哲学がある。しかし、次の二つの手法は共通している。第一は、何らかのコンセプトや既存のゲームを出発点として、デザインを行い、ゲームを完成させる一連の過程である。第二はプロトタイピングである。
挙句の果てには、「人や会社によってバラバラ」とまで書いてあります。これは途方に暮れても仕方がない。
とまぁ、一読したくらいではなかなか理解が難しいのですが、とはいえ全体を通して共通していることもあります。
それが、太字にしている部分。『デザインを行う』という部分です。
私個人としては、この【デザイン】を理解することが【ゲームデザイン】を理解するための最短かつ最善のルートだと考えています。
【デザイン】とはなにか?
では、【デザイン】とはなにか?
むしろこの【デザイン】のほうが、当たり前のように使うわりに、正確には理解できていない言葉かもしれません。
そこで、再びwikiを引いてみます。
デザイン(英語: design)とは、審美性を根源にもつ計画的行為の全般を指すものである。意匠。設計。創意工夫。英語のdesignには本項の意味より幅広く、日本語ではデザインと呼ばない設計全般を含む。
【ゲームデザイン】以上に、すっと理解するのが難しい言い回し。
続いて【語源】の項目を見てみると、このように書かれています。
デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、“計画を記号に表す”という意味のラテン語designareである。
また、デザインとは具体的な問題を解き明かすために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することと解される。
来た。
ついに来ました。
『デザインとは具体的な問題を解き明かすために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現すること』
これこそが【デザイン】と名の付くもの全ての本質だと考えています。
かみ砕いて言えば、『【デザイン】とは【問題解決】である』と言い換えられると思います。
【デザイン】とは【問題解決】である
ここで、先に示したゲームを考える際の4つのステップを思い出してみてください。実はこれ、そのまま『問題解決に至るまでのプロセス』に置き換えることができます。実際に置き換えてみると、
1.問題発見:ネタ出し/ネタ探し
2.問題分析:起案シート作成
3.問題提起:企画書作成
4.問題解決:仕様書作成
こんな感じです。
【問題発見】と書いてしまうと何か【トラブルシューティング】のようなイメージになっちゃいますが、【課題発見】と言い換えるとわかりやすいかと思います。
例えば、『100万本売れるゲームを作る』という(雑な)プロジェクトがあったと仮定した場合、こんな流れになります。
1.問題発見:ネタ出し/ネタ探し
・100万本売れそうなアイデアを考える/見つける
2.問題分析:起案シート作成
・本当に100万本売れそうか、必要な要件等を分析、分解、整理する
3.問題提起:企画書作成
・100万本売れる根拠や条件を見える化して、関係者と認識を共有する
4.問題解決:仕様書作成
・100万本売れるゲームにするために、必要な機能等を設計する
「100万本」がゲシュタルト崩壊しそうですが、こうしてしっかりとステップを踏んで【ゲームデザイン】していくことが、プロジェクトを成功に導くために必要だと考えています。
最後に余談ですが、【デザイン思考】という考え方があります。
問題解決のための思考フローやフレームワークがあり、【ゲームデザイン】にも通じる部分が多くありますので、興味を持たれた方はぜひ下のリンク先も読んでみてください。
Goodpatchさんはかなりのつよつよデザイナー集団なので、他の記事も参考になるものが多いですよ!
======
以上、【ゲームデザイン】という概念に関して、それを理解するための出発点でもあり、到達点でもある【デザイン】について、私なりにかみ砕いてお伝えしました。
少し抽象的な内容にはなりましたが、具体的な手法やテクニックを学ぶにしても、それをなんのために行うのかを理解しているか否かで得られる成果はまったく変わってくるので、ぜひ知っておいてほしい部分です。
それでは、また。
※何か質問や聞いてみたいテーマがあれば、以下の質問箱からどうぞ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?