子どもにイラッと来た時、親の方が試されている 生後8か月の記録 #育児日記
娘が8か月になったその日、突然絵本のページを自分でめくるようになった。
無造作にバンバンとめくったりはしない。私がそのページを読み終えて、次のページを少し浮かせてあげると、浮いたところにうまく左手を引っ掛けてめくる。
そんなことを何日か続けたある日、今度は絵本の端に右手の親指をかけて、こするようにしてページを持ち上げることができるようになった。そのまま左手で不器用ながらもページをめくった時は、さすがに目が点になった。何も教えていないのに、いつどうやって、絵本のめくり方を覚えたのか、と。
明らかな喃語を話し始めたのも、ちょうど8か月になったばかりの時だった。保育園の帰り道、これまで「あー、うー」といかにも赤ちゃんらしい声だったのが、急に「アパアパ」としゃべり始めてびっくりした。それ以降、出てくるのは喃語ばかり。あの「あー、うー」がもう聞けないと思うと、急激に寂しくなる。
嬉しいと両手を上下にブンブンと振り、ママが離れていくと悲しくて泣きながら追いかけてくる。「パパ帰ってきたよ!おてて振ってあげよう」というと、手を振れるようにもなった(保育園で上の子たちを見送るのに覚えたらしい)。
娘の頭の中でシナプスがものすごい勢いで繋がっていくのが、目に浮かぶ。言葉は理解できなくても娘の意思を感じるし、感情表現も豊かになってきた。
だからこそ、ではあるのだけれど、思わずイラッとしてしまう瞬間も増えた。離乳食を食べ始めた直後にクズってママの方に来たがる時とか、おむつ替えをしようとした瞬間に腰をグイっとひねってくる時とか。怒る気はさらさらないけど、思わず「なんで言うことを聞いてくれないの!」と怒鳴りそうになる。すんでのところで「こうしてほしいな」と言い換えるのだけれど、それもできなくて、つい強い言葉が口をついてしまったり。
歯磨きにいたっては、どんなにあやしても嫌がって仰向けにすらさせてくれない。虫歯を作らせたくなくて、ダメだと分かっていても無理やり体を押さえてしまう。きっと私の顔も笑ってはいないだろう。あぁ、こんなことをしたいわけではないのに。
親の側が試されているのだと思う。子どもが思い通りに動いてくれない時に、荒ぶる自分の気持ちとどう向き合うか。「子どもの行動は変えられない。親の対応を変えるしかない」と、思い出して冷静に対処できるかどうか。
0歳児を育てる親たちの心は、常にいっぱいいっぱい。だからこそ、気持ちをコントロールできるように、心の余裕を作り出すことが必要だ。それも、親に求められる大切な仕事なのだろう。