箱根駅伝を通じて子どもに伝えたいこと #育児日記
娘と初めて迎える正月。彼女と一緒の時はテレビを見ないようにしているけれど、1月2、3日だけは特別だ。
箱根駅伝。
物心ついた頃から毎年、この2日間を楽しみにしてきた。今年も朝8時にテレビをつけ、娘と遊びながら、もしくは家事をこなしながら、合間合間にレースを見守った。
箱根駅伝の魅力はたくさんあるけれど、中でも好きなのが、「異色のランナー」と言われる選手の存在だ。
箱根路を走るのは、高校時代からその名を知られるエリートランナーだけではない。学生連合チームや新興校の選手を中心に、さまざまな経歴を持った選手がいる。
例えば、今大会、学生連合チームで9区を任された古川大晃選手は、熊本大→九大大学院と進学し、現在は東大大学院博士課程4年目の29歳。過去にも東大ランナーはいたが、院生かつ30歳手前での出場は珍しい。少し古いけどこの記事が詳しい。
これまでも、一度社会人を経験してから大学に入学して箱根出場を果たした選手とか、高校の途中まで全然違う部活をやっていた選手とか、実に多彩なランナーが毎年のように登場してきた。
視聴率30%をたたき出す番組で彼らのストーリーが紹介されて、多くの人に届くことに、私は大きな意義があると思っている。
娘に知ってもらいたいのだ。
ゴールにたどり着く方法は、必ずしも1つではないということを。
生き方に決められたルートなどないということを。
もし、あなたがよくある「王道コース」に進めなかったとしても、必ず道は拓けるのだよ、と。
先の古川選手もそうだ。地方の大学から東大大学院に進学して、さらに箱根駅伝を走るなんて、なかなかできることではない。そんな面白い人生を歩んでいる人の存在を、私はお正月の2日間以外にどう知ることができただろうかーー。これこそ、私が箱根駅伝を好きな理由だ。
私はかつて仕事の一環で、さまざまな経歴の持ち主にインタビューをしてきたが、その度に「人生こうあるべき」という固定観念が崩されたのを思い出す。さまざまな生き方を知れば知るほど、心は自由になる。
娘もいつか、そうしてさまざまな人の生きざまに触れてほしい。そして、箱根駅伝ののレースはもとより、「異色のランナー」たちの奮闘も楽しんでくれたらと思う。