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ヴァージニアウルフ 短編集
200P 程に17の短編が集められた1冊。
書かれた時期、長短もあり楽しめるのか散漫なのか良く分からない。
よく「意識の流れ」と言われるウルフの作風だが、このような過剰な自意識は現代人の殆どの人が日常的に持っているものなので、その言葉の意味も不明確ではある。
だが、この1冊の中ではウルフらしい良作もある。
「書かれなかった長編小説」がぴか一に面白い。細切れにした心理描写と錯綜し前後し否定と跳躍を繰り返す独白の連続はどこかで読んだことがある。日本で言えば吉松剛三の詩など、ちょうどウルフの息子たちの世代だろうか?戦後世代の詩人たちに多い印象がある、矢継ぎ早に畳みかけてくる言葉の連続を彷彿とさせるものがある。
そう考えてみるとウルフは、ほぼ20年ばかり生れてくるのが早かったのだろうか?
この1冊を勧めるのか?と言うとハッキリお勧めすると言っておきたい。
ふと思い出して開いてみたくなる面白い1冊だった。
ナチスドイツにロンドンが爆撃された夜、自分の中に狂気があると川に身を投げて自殺した女性に時々会いに行きたい。