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下北沢国際人形劇祭 ニュースレター #1

2023/11/20に送信したメール・ニュースです。
⚡︎⚡︎⚡︎ SIPF便り(第一号)⚡︎⚡︎⚡︎

素敵な秋ですね! 遅ればせながら、ニュースレター「SIPF便り」をお申し込み頂きありがとうございました。

ようやく第一号をお送りします。
私は下北沢国際人形劇祭の企画統括をしている山口遥子と申します。やたら長いメールですので、お茶でも飲みながら、ドーナツでも食べながら、お付き合い下さい。

下北沢国際人形劇祭の開催が、いよいよ3ヶ月後に迫ってきました。プログラム公開は今月末、チケット発売は12月10日を予定しています。しかし下北沢国際人形劇祭の話をする前に、海外の人形劇祭について少しお話しさせてください。

皆さんの一年はどこで始まりましたか。

私の2023年は、1月のシカゴ国際人形劇祭で始まりました。シカゴ人形劇祭は、毎年1月末に開催される、アメリカ最大の国際人形劇フェスティバルです(https://chicagopuppetfest.org/)。ディレクターはThomas Blairさん。鮮やかな緑色の長いヒゲ、ツイードのスリーピーススーツで、どこに居ても目立つ人です。しかも勉強熱心で、日本の文楽発祥の「三人遣い」がアメリカやヨーロッパの現代人形劇界でなかばブームになっていることに着目し、これを主題にした修士論文を書いているところだそうです。フェスティバルを主催する傍らで。すごいバイタリティです。もう還暦を過ぎていらっしゃると思うのですが(若々しくて年齢不詳ですが)。

アメリカの人形劇祭は、ヨーロッパや日本のように公的機関が助成するのではなく、ほぼ全てがシカゴのお金持ちの個人助成によって成り立っているという点で、特殊です。シカゴ国際人形劇祭のプログラム巻末を見ると、個人名と金額(数千万円という規模)が並んでいて圧巻です。もしプログラムを手に入れる機会があったら、ぜひ「パトロン」一覧のページを見てみて下さい。

ところで私たち下北沢国際人形劇祭にも、パトロネス・パスというものがあります。これをご購入いただくと、このフェスティバルのパトロネス/パトロンとして、全作品の観覧券(優先入場つき)のほか、VIPとしてさまざまな特典があります(https://www.sipf.jp/ticket.html)。フェスティバルを応援して下さる方、ぜひご検討ください!

2月にはニューヨークに行って、「パペットスラム」という短編人形劇の寄席みたいなイベントに出会いました(https://www.puppetslam.com/)。ニューヨークのオフブロードウェイにある「ラママ実験劇場」は日本でも有名ですが(寺山修司の天井桟敷などもも行って上演しています)、この劇場は1961年の設立からずっと人形劇に着目していて、今でも「パペットスラム」を定期的に行っています。あの『ライオンキング』のジュリー・テイモアも、ラママの人形劇愛が生んだ大演出家の一人です。

この「パペットスラム」をぜひ日本で行い、若い人々の人形劇への参入を促したい! と思った私たちは、米国・日本・チェコの3カ国で「インターナショナル・パペットスラム」というプラットフォームを新たに立ち上げることにしました。3カ国6組ほどのアーティストが短編人形劇を持ち寄って、一度に発表するという試みです。

第一回目を下北沢国際人形劇祭で行ったあと、2024年6月にピルゼン(チェコ)、10月にニューヨーク、と回ります。この出演者をいま募集中ですので、ご興味のある方募集サイトをご覧ください(https://puppetslam.studio.site/)。

人形劇の経験が無い方でも大歓迎。実験的でフレッシュな短編を募集していますので、どうぞお気軽にご応募下さい!

その後、5月にはドイツのエアランゲンという街で開催される、ドイツ最大の人形劇フェスティバル「figuren.theater.festival」に行きました(https://figurentheaterfestival.de/)これは二年に一度開催されます。ドイツ中の人形劇人が集まります。下北沢国際人形劇祭に招聘予定のアーティストにもけっこう会いました。日本で通常イメージされるような人形劇(人型・動物型の人形)はなく、オブジェクトシアター、マテリアルシアター、あるいはオブジェクトの扱いにやや比重が置かれたオルタナティブシアター、などを含むより広い意味での「人形劇」が大勢を占めています。ドイツに行かれる方はこのフェスティバルは要注目です。


・・・・・・本題に入る前に長くなりすぎるような気がしてきました。
やはりこの続きはまた次号でお話しするとして、下北沢国際人形劇祭の話に戻ります。

「SIPF便り」にご登録の皆さんだけに、ウェブサイトより一足お先に、参加作品についてご紹介します。ハッシュタグ形式で、その作品の見所・特徴を抽出しました。キーワードからご興味のある作品を見つけて、ぜひ今からチェックしておいて下さい!(チケット発売は12月10日〜です)

2月21日(水)17:30、20:00
『犬の生活』/Teatro Matita(スロヴェニア)
#ハンドパペット #オブジェクトシアター #音楽劇 #一人芝居 #ワンコ #カレル・チャペック #マサリク大統領 #チェコ #スロヴェニア #1930年代

2月22日(木)16:00,19:00
『STICKMAN(棒人間)』/Darragh McLoughlin(アイルランド)
#オブジェクトシアター #フィジカルシアター #アクロバット #角材 #アイルランド #ポスト人間中心主義 #信頼できない語り手 #笑える

2月23日(金・祝)15:00,19:30
ーハンドパペットの現在地ー 
「カシュパーレク&Co.」/Divadlo Alfa(チェコ)
「BOXED」/Ariel Doron(ドイツ/イスラエル)
#ダブルビル (二作品併演) #ハンドパペット #路上人形劇の伝統 #チェコ #ドイツ #社会風刺 #子育て #子ども #2020年代 #コロナ禍 #自宅隔離 #ノンバーバル #笑える

2月24日(土)17:00, 20:00
『KAR』/DAMUZA + Fekete Seretlek(チェコ/スロベニア)
#オブジェクトシアター #クストリッツァ風 #エスノ音楽 #ウォッカ #トルストイ #キャバレー #プラハ芸術アカデミー #チェコ #1870年代

2月25日(日)16:00, 20:00
『The Table』/Blind Summit(イギリス)
#BUNRAKU #三人遣い #テーブルトップパペット #ロンドンオリンピック開会式に出演 #哲学者兼コメディアンの人形 #ブリティッシュユーモア #受賞歴多数

2月26日(月)17:00, 20:00
『REUNION』/MEHEDAHA(チェコ)
#オブジェクトシアター #夢幻劇 (féerie) #即興音楽 #チェコを代表する美術家 #1980年代アンダーグラウンドシーン伝説のアーティストたち #このフェスティバルのために再結成

2月27日(火)15:00, 18:30
『道化恐怖症』/Opposable Thumb Theatre(イギリス)
#人形劇 #道化 #パンチとジュディ #存在論的恐怖 #ブリティッシュユーモア #80日かけてイギリスから船便で届く段ボールの山 #恐ろしいほど笑える #フルヌード

ご関心に合う作品がみつかりましたでしょうか? 私が言えることは、私たちのプログラムは近年のヨーロッパ人形劇界の最高の成果を集めたようなものであり、傑作ばかりであると言うことです。
このニュースレターの次号配信は、12月初旬を予定しています。そのころ、プログラム公開予定です。ウェブサイトには、このニュースレターは「約2ヶ月に一度未満の頻度で刊行」と書きましたが、ランダムな間隔ですみません。
では、次号でまたお会いしましょう!

下北沢国際人形劇祭 www.sipf.jp

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