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天気予報

大雨が降り続く三連休の中日。
勢いだって来た東北のとある街。海の見える温泉付きホテルを予約したがあいにくの天気だった。
少しの肌寒さと聞こえる方言が私を現実逃避させる。
寂しさと寒さは、露天風呂に浸かると全てを包み込んでくれる。
ふと目を閉じると自分が独りであることを忘れ、波のさざめきで夢現になる。
現実逃避すると自分が生きている世界はこんなにも平和だ。
このまま誰にも知られず、誰にも知られない街で0から自分をやり直してみたくもなる。

自分は強くない。徐々にそれを認めることができているのかもしれない。
けど、自分が強くなる未来はまだ諦められないようだ。
自分だけはいつも自分を信じることを辞めない。
そんな自分がいるからまだ頑張れるのかもしれない。
多分、ここで負けることが怖いのではなく、ここで負けることが自分の限界を決めるようで怖くて仕方がない。
だからって辛い現実は逃げたくて逃げたくて仕方がない。
けど、逃げたくなくて、負けたくなくて、どうしても強くなりたい。

ただ、そんな苦しみも明るい未来への希望と信念があれば、立ち向かえると思う。そんな未来を見せてくれるのは他人であってもいいんじゃないだろうか。
誰かに頼るってそういうことな気がする。

窓から太陽の光が差し込んでくる。長雨が止んだらしい。
長袖シャツを腕まくり、リュックを背負い、外に飛び出す。
眩しい光に思わず目を細めながら、空を見上げて思う。
私たちの未来の天気予報はいかがでしょうか。


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